【LOVE CARストーリー】山本善隆/クラシックミニはクルマ好きになった原体験モデル。約30年越しで手に入れた夢の愛車とのこれからを語ろう

山本義隆/CAR and DRIVER統括編集長。

山本義隆/CAR and DRIVER統括編集長

ついにポール・スミス ミニとの生活が始まった!

 17歳の頃に訪れた富士スピードウェイで開催されていたイベント「305ミーティング」は本当に刺激的だった。メインストレートで響き渡るエンジン音、そこで走っていたのはフルカスタムされたレース仕様のクラシックミニたち。記憶もおぼろげではあるが、参加者は皆楽しそうで、笑顔が溢れていたという印象が残っている。スーパーセブンやMG-B、オースティン・ヒーレー・スプライトなど、英国クラシックスポーツの中でも、オープンモデルがヒーロー的存在であって、自分としてもつねに憧れは持っていた。ただ、いざ自分で所有したいと思っていたのは、可愛らしいフォルムとサイズ感、それでも一定の実用性を感じさせるクラシックミニが一番だった。

リア

エンブレム

 1998年、当時雑誌だったのか何で知ったかは定かではないが、ローバー・ミニ・メイフェアをベースとしたポール・スミス・エディションが登場すると知り、心が踊ったのをおぼえている。その当時は免許取得したばかりの大学1年生。ただ憧れるばかりで、買えるわけもなく、実際に手に入れることの実感すらわかなかった。実際、大学時代にクルマ購入に何度か踏み出そうとしたものの、アルバイトで稼いだお金ではどうにも賄えず、自宅にあった父親のクルマや友人のクルマを借りて乗り回すことが、当時の精一杯だった。

 時は過ぎ、社会人となって自らクルマを所有するにようやく至ったが、クラシックミニはつねにクルマ選び選択肢に入っていたものの、いざ購入するうえで優先度が高くなることはなかった。実際、中古車市場でもたくさん流通していたし、専門店もたくさんある。そう、正直いって「その気になれば、いつでも買えるクルマ」だとたかをくくっていたのかもしれない。踏み出す勇気のない自分への言い訳であり、いま思えば、それはただの負け惜しみだったと思う。

エンジン

室内全体感

 それでも、中古車情報サイトのお気に入り検索条件にはつねにクラシックミニ、とりわけポール・スミス ミニは必ず入れていた。メールやアプリで通知が来るたびに内容をチェックして、状態はどうだろう、もしいま買ったらどうするか、などの思いを巡らせ、ライフwithミニを妄想する日々。少なくともここ10年はそう過ごしていた。

 ある日の新着通知で知ったこの個体。自宅から比較的近くの小さな中古車店で、在庫車にはアルピナB3や比較的新しいドイツ車が掲載されている。専門店による掲載が多い中で、少し異質な感じがしていたが、それがむしろ惹かれたところでもある。すぐさま問い合わせをして、詳しく話を聞くと、走行距離は約4.1万kmと比較的少なく、外装は純正色でオールペン済み。前オーナーが長く乗るつもりで機関系のメンテナンスをしたばかり。内装の状態もすこぶるいい。これはもう運命だと思い、ついに念願の1台を手に入れる決意をした。

シート

トランク

 その後、納車されてから1カ月余り経つが、忙しさのあまり、まださほど乗れてはいない。でも、焦る必要はない。これからのんびり、なるべく長くつきあっていくつもりだ。一人のクルマ好きとして、いろいろなイベントにも行ってみたい。ときに日常の足として、またリフレッシュするための空間として、いろいろな思い出を一緒につくっていけると思うとワクワクがとまらない。これぞまさに、愛車である。

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プレート

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