
ポルシェ911タルガ4 GTS/価格:8DCT:2747万円。タルガはキャビン上方のルーフがリアに収まる電動セミオープン。美しいスタイルと適度な開放感をバランス。駆動方式は全天候対応の4WD。ボディサイズは4555×1870×1305mm
九島辰也(モータージャーナリスト/以下、九島):911のタルガトップは、前席上部のトップがリアに収納されるセミオープン。開放感を感じたいけれど、周囲の視線を気にしなくて済む絶妙な機構を持った特別なモデルだ。
山本善隆(カー・アンド・ドライバー統括編集長/以下、山本):タルガは911シリーズの中で最もオトナな位置づけだと感じます。ある種の余裕、あるいは到達点とでもいいますか。
九島:以前はカブリオレに対する一種の「ハズシ」だったけれど、現在は最高に「クールな選択」となって、いまや人気の頂点。ちなみにタルガは、1965年にプロトが発表され、1967年に正式デビュー。当時オープンカーの安全性が問題視されていた。そこで、その問題をロールオーバーバーで解決した、新種のオープンという生い立ちだったんだ。
山本:なるほど、タルガは「人命を守る」という使命を持って誕生したオープンだったというわけですね。
九島:現在、911のタルガモデルは、T-ハイブリッドを搭載したGTSの4輪駆動がイメージリーダー。ポルシェのモータースポーツ活動から生まれたT-ハイブリッドは無類にパワフルで、4WDの利点で安定性も超ハイレベル。おまけにオープンエアも楽しめるから、これぞ究極の911といえるかもしれない。
山本:みんながほしがる性能・機能をパッケージして、走りは当然ながら、感性に訴えるスタイルも極めた存在。いわば911の魅力の「全部載せ」といったイメージですね。
九島:ポルシェがタルガを4WD専用としたのには哲学がある。彼らは「カブリオレは雨の日に乗らないモデル」と考えている。対してタルガは雨でも晴れでもガンガン使われるという認識。だから4WD専用にして全天候性を高めた。電気モーターをレスポンスとパワーの向上に使ったT-ハイブリッドを与えているのは、スポーツカーの最善を追求するというこだわりだね。
山本:サーキットを走るならGT3でしょうが、このタルガは普段使いのポルシェとして最高ですね。まさに憧れの1台です。
