【最新モデル試乗】「アウディQ3スポーツバック」は筋肉質のフォルムと先進性が融合。デジタル時代の主役と言えるスポーティSUVの価値

アウディQ3スポーツバックTFSIクワトロ150kWアドバンスト/価格:7DCT 628万円。スポーツバックは標準仕様のSUV比で約30㎜低いルーフラインがクーペイメージを演出。取材車は19㌅アルミや専用エクステリアなどで各部をスポーティに仕上げたS Lineパッケージ(45万円)とダークAudi rings&ブラックスタイルパッケージ(19万円)を装着

アウディQ3スポーツバックTFSIクワトロ150kWアドバンスト/価格:7DCT 628万円。スポーツバックは標準仕様のSUV比で約30㎜低いルーフラインがクーペイメージを演出。取材車は19㌅アルミや専用エクステリアなどで各部をスポーティに仕上げたS Lineパッケージ(45万円)とダークAudi rings&ブラックスタイルパッケージ(19万円)を装着

力強いパワートレーン。しなやかな足回りが好印象

 アウディQ3シリーズがモデルチェンジした。Q3は2011年の初代モデル以来、全世界で累計200万台以上販売されてきた人気モデルだ。新型は2020年以来、約6年ぶりのフルモデルチェンジとなる。第3世代となるQ3シリーズは、デザイン、デジタル機能、効率性のすべてにおいて大幅に進化した。

 ラインアップはアウディが“SUV”と呼ぶ標準ボディと、クーペフォルムの“スポーツバック”の2種。それぞれにFWDのTFSI 110kWアドバンストと、4WDのTFSIクワトロ150kWアドバンストが設定される。試乗車はスポーツバックのクワトロ150kW。なお、日本ではSUVよりもスポーツバックの販売比率が高いという。

リア

 エクステリアは、アウディらしく先進的でスタイリシュだ。ワイド&ローを強調した筋肉質のプロポーションが、力強さとクーペの優美さを融合。八角形のシングルフレームグリルからリアに続く水平のショルダーライン、そして力強いフェンダーは光と影のコントラストを描き躍動感をもたらしている。ボディサイズは4530×1860×1570㎜。日本の道路環境でも持て余す心配はない。ただし1850㎜超の全幅と1550㎜超の全高は賛否が分かれるかもしれない。

 ユニークなのは、先進のライトシステムだ。クワトロに標準のデジタルマトリクスLEDライトは、幅約13㎜のライトモジュールに2万5600個ものマイクロLEDを搭載。走行状況に応じて従来以上の高解像度ライティングを実現するとともに多彩なパーソナライゼーションを約束する。フロント&リアのライトシグネチャーは、ドライバーの好みに応じて4種のデザインから選べるようになっている。

インパネ

 室内は先進イメージで統一。ドアからダッシュボードまでが一体に造形され、ドライバーとパッセンジャーを包み込むソフトラップデザインが印象的だ。メーターを含むデジタルディスプレイは、コンパクトセグメントで初採用の11.9㌅のバーチャルコクピットプラスと、12.8㌅のMMIタッチディスプレイの組み合わせ。ドライバーオリエンテッドな曲面形状で視認性と操作性を高め、最新のデジタル体験を提供する。

 操作性も新世代。ステアリングコラム右側には機能的なシフトセレクターが配置され、左側はターンシグナルを含めたライト系とワイパースイッチを統合。ドライバーがより直感的に操作できるようになったのは朗報だ。新しいシフトセレクターは、センターコンソールの有効スペース拡大にも貢献している。

全域パワフル。2バルブ式電制ダンパーが快適な走りを演出

 パワートレーンは前述のように2種類が用意され、110kWはMHEV仕様の1.5リッターターボ(150㎰/250Nm)を搭載したFWD。試乗車のクワトロ150kWは2リッターターボ(204㎰/320Nm)と4WDの組み合わせとなる。

 150Kw車の0→100㎞/h加速は110kWよりも2秒速い7.1秒。十分にパワフルな動力性能を身につけている。Sトロニック(7速DCT)が滑らかかつダイレクトに駆動力を伝えるのも印象的だ。日常シーンから高速道路までパフォーマンスは余裕たっぷり。静粛性も全般的に高い。どこまでも走って行きたくなる。

走り

 2バルブ式電子制御ダンピングコントロールを採用した足回りの完成度も秀逸。この2バルブ式ダンパーは、従来から高性能モデルを中心に採用されてきた技術。縮み側と伸び側を独立して制御することで、減衰力を緻密に調律する。さらに、独立したオイルチャンバー構造と逆止弁の導入によりオイル流路を最適化。高い応答性と滑らかさを両立したという。

 2バルブ式ダンパーの効果は明確。フラットな姿勢を保ちながら、荒れた路面や凹凸を通過しても衝撃が伝わってこない。クラスを超えた上質なライドフィールを実現している。一段と磨きがかかったアウディらしい俊敏で一体感のあるステアリングレスポンスも心地いい。優れたハンドリングに対する足回りの貢献度は大きいと感じた。

 新型は日常のドライブをより快適にするアシスタンスシステムも充実している。パークアシストプロは、駐車を容易にするためにドライバーが一度走行した駐車ルートを記録。そのデータに基づいて、システムが運転操作を引き継いで駐車を任せられるので便利だ。しかも前進時の走行ルートを自動的に記録し、その記録に基づいてステアリング操作を再現することで後退走行を支援するリバーシングアシスト機能まで備えている。

シート01

シート02

 前出のデジタルマトリクスLEDヘッドライトは安全性の向上にひと役かっている。ドライバーアシスタンスと密接に連携し走行状況や周辺の環境を解析し、路面前方に光の映像を投影する。たとえば外気温が一定温度を下回ると雪の結晶のマークを投影する。今回の試乗では体感していないが、確かに便利で斬新な機能である。

 新型Q3シリーズは多方面にわたり大きく進化をとげていた。アウディのラインアップの中ではエントリークラスに位置するが、その先進機能の完成度は抜群。快適性を含め走りも超一級品だ。このクラスのベンチマークと呼ぶにふさわしい一台である。

エンブレム

諸元

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