トレイルシーカーは、トヨタとの共同開発の中で生まれたスバル初の量販BEVであるソルテラの発展版だ。ボディスタイルをワゴンフォルムに変更。日常も非日常の体験もサポートするスバルらしい実用CUV(クロスユーティリティビークル)を商品コンセプトに掲げている。
ソルテラと機構面での共通性は高く、インテリアはリアシートまでのパッケージングは共通。大きく異なるのは荷室の広さだ。ソルテラも実用十分だが、さらに181リッターも広い633リッターのラゲッジスペースを誇る。
車両キャラクターはジャーニー(=ロングドライブ)寄り。長距離クルーズやアウトドアアクティビティなど、人生を豊かにする「アドベンチャー」をBEVで追求するモデルとなる。開発において力を注いだ点は、モーター出力を上げたゆとりあるパワー、AWD制御の進化、雪国に対応したユーティリティが挙げられる。
AWD車のリアモーター出力はソルテラの88kWに対し、フロントと同じ167kWに増強され、システム最大出力は252kWから280kWへと大幅に向上。これにより0→100㎞/h加速はソルテラの4.9秒から4.4秒に短縮している。5秒を大幅に切るダッシュ力は、リアルスポーツに匹敵するレベル。実際の体感も相当に速い。この価格帯でこれほどのパフォーマンスを実現したモデルは稀だ。トレイルシーカーはスポーツ派も唸る動力性能の持ち主である。
優位点は速さだけではない。高効率パワーユニットと74.7kWhの大容量バッテリーにより、ゆとりある航続距離を実現した。AWD車の航続距離(WLTCモード)は627〜690㎞、FWD車なら734㎞と、さらに伸びる。一度の充電でこれだけ走れば、BEVでも気兼ねなく遠くまで出かけられるというものだ。
足回りの仕上がりも上々である。乗り心地がよく、ハンドリングは正確そのもの。ソルテラの美点をトレイルシーカーは、しっかりと継承している。操縦安定性にも舌を巻く。こちらはソルテラよりもさらに上。走行軌跡予測制御の熟成が一段と進んだ新AWD制御を採用。これは左右回転差フィードバックにより、回生力を可変配分制御する機構だ。旋回半径がソルテラよりも小さくなっている。そして雪道や急な坂道での走破性を高めるX-MODEも搭載。最低地上高は210㎜と十分だ。
トレイルシーカーはトヨタとスバルの積極的なタッグによってbZ4X、ソルテラとともに磨き上げられてきた最新BEV。最新の知見を結集する開発手法が高い完成度の源泉となっている。実際にドライブすると、本当にいいクルマだと実感する。パフォーマンスも静粛性も快適性も満点。おまけに道を選ばない。まさに万能のBEVである。
※撮影協力/マースガーデンウッド御殿場