最新のBEVの競争領域は多岐にわたるが、そのひとつがAER(満充電一回あたり走行可能距離)だ。いまや700㎞以上走ることがひとつの指標になってきた。2009年の三菱i-MiEVや2010年の日産初代リーフでは100㎞台前半が実用的なAERだったから驚くべき技術進歩だ。
当然、目標とするAERに応じて大容量かつ、重い二次バッテリーを搭載することになるが、最新の日産リーフは78kWhで702㎞のB7シリーズと、55kWhで521㎞(それぞれWLTC値で最大値)走るB5シリーズの2本立てとして、ユーザーが求める性能に応じたラインアップを揃える。車体の軽量化も進められ、重量増対策を行っている点にも注目したい。
電動モーターの出力や0→100㎞/h加速タイムも比較対象だ。しかし大出力モーターで景気よく踏み込めば電費はガンガン落ちる。また、前後にモーターを備える全輪駆動ではさらに消費量が増える……。しかし、大出力モーターは回生時、今度は大きな発電機として働くわけで、二次バッテリーへの瞬間的な充電性能が高ければ電力として回収できる。すなわち電費にも貢献する。内燃機関では大排気量&ハイパワーエンジンの場合、燃費悪化は避けられなかったが、BEVでは大出力モーター搭載車であっても、高い回生効果で8㎞/kWh台を示すモデルが多い。
BEVのカタログには最大出力のほか定格出力の記載がある。ここを各車で比較すると興味深い。BYDやVWのBEV各モデル(とくに最新のID.4)は素晴らしい加速性能を誇るが、たとえばATTO3は最大150kWに対して定格65kW。国産勢も同じく差が設けられリーフB7は160kWに対して70kW。これにより、定常走行時の電費を稼いでいる。
また、最新のBEVでは徹底した“サーマルマネージメントシステム”を通じて熱の回収率を高めている。バッテリーや電動パワートレーンの熱を回収して空調システムに使い電費を延ばしたり、バッテリーを充電前にバッテリーを保温して充電効率を高めたりしている。
急速充電性能はSOC(バッテリー残量)とバッテリーや外気温度によって変化するが、最新のリチウムイオンバッテリーの多くは約20%(かなり減ってきた状態)になってから急速充電すると短時間にたくさん充電できる。