【時代を駆けるxEV界隈】販売絶好調! 待望の第3世代e-POWERを搭載した「日産キックス」の素晴らしい完成度

日産キックスG/価格 389万8400円。キックスは最新の第3世代e-POWERで走りを刷新。駆動方式はFFと緻密な制御で走りの質を高めたe-4ORCE(電動4WD)をラインアップする。ボディカラーは全12タイプ

日産キックスG/価格 389万8400円。キックスは最新の第3世代e-POWERで走りを刷新。駆動方式はFFと緻密な制御で走りの質を高めたe-4ORCE(電動4WD)をラインアップする。ボディカラーは全12タイプ

スタイルに、そして走りにワクワク!

 期待のモデル、日産キックスがデビューした。商品コンセプトは、「大人の“遊び心”を刺激するクルマ」。あらゆるシーンで活躍するRobust(堅牢)&Versatile(多用途)なSUVを目指している。コアバリューは次の3項目。

①進化した第3世代e-POWERを中心とした先進技術
②力強くダイナミック、俊敏で軽快なデザイン
③快適性、利便性の向上を図ったユーティリティ

 ラインアップは上級仕様のGとカジュアルなXグレードを基本に、Xには価格コンシャスなXシンプルパッケージ、そして装備充実のX+をラインアップ。パワーユニットは当然ながら全車が第3世代のe-POWER。駆動方式はFWDと、日産自慢の電動4WD、e-4ORCEから選べる。販売は絶好調。すでに1万1000台以上の受注を獲得。人気グレードは最上級のGという。

スタイル

真横

 エクステリアは、素直にカッコいい。“TOUGH & AGILE”をテーマに力強くダイナミック、モダンでスポーティにまとめている。フロントフェイスは、アメリカンフットボールのヘルメットに着想を得た造形。特徴的なシグネチャーランプが目を引く。ブラックアウト処理されたボディロア部分も、SUVらしいアクティブなイメージを強調する要素になっている。ホイールはX系が17㌅、Gはクラス最大の19㌅を履く。ボディサイズは、4365×1800×1615㎜。従来比で75㎜長く、40㎜ワイド、10㎜高くなっているが、それでも取り回し性に優れた設定。ライバルとなるホンダ・ヴェゼル(同4340×1790×1590㎜)とほぼ同等だ。

 インテリアは“CONFIDENCE & COMFORT”がキーワード。ホリゾンタル方向にドシッと構えた造形とすることで、守られている安心感が得られるように工夫した。仕上げはなかなかお洒落。インパネ/センターコンソール/ドアトリムに、合皮やファブリック素材などのソフトマテリアルを採用。上質さと触れたときの心地よさを追求した。

 パッケージングも優秀である。乗る人すべてが気持ちよく過ごせるよう、前席はもちろん、後席についても、クラストップ水準のニールーム/ヘッドルーム/後席室内幅を確保した。実際に成人男性の平均+αの身長を持つ筆者が座っても余裕があった。荷室容量は476ℓ(FF)と大きい。ワイドな荷室開口により大きな荷物も楽に積める。パワーバックドアと荷室壁面に100V/1500W AC電源も用意されている。

Gリア

インパネ

 もちろん最新の日産車だけにインフォテインメント機能も先進。Google搭載のNissanConnectシステム(グレード別設定)と、12.3㌅のデュアルディスプレイの統合型インターフェースを装備し、直感的な操作性を実現している。ルークスで好評の360度ビューを実現したインテリジェントアラウンドビューモニターもうれしい装備である。

パワフルで燃費良好。そのうえ静かで乗り心地もいい

 メカニズムは低燃費で気持ちのいい走りをもたらず第3世代e-POWER、CMF-Bプラットフォーム、そしてe-4ORCEがポイントだ。
 e-POWERはエンジンで発電、モーターで走る電動システム。全域でレスポンスに優れトルクフルなモーターで走るためドライブフィールはBEVとほぼ同等。第3世代e-POWERは、モーター/発電機/インバーター/減速機/増速機の5つの主要構成部品を一体化した新開発5in1システムである。これにより従来比で大幅に小型・軽量化を図るとともに高剛性化を実現した。第3世代e-POWERは、このキックスが日本での先駆けとなる。

 もちろんエンジンも新しい。出力、トルクとも向上した自然吸気の1.4ℓの発電特化型エンジンを組み合わせることで、燃費性能および静粛性を大幅に向上させた。WLTCモード燃費は従来比で11%も向上した25.7㎞/リッター(FF)。これはエンジンだけでなく電動ユニットの一体化、そして空気抵抗の改善や回生協調ブレーキなど、車両全体のリファインが大きく効いているという。

エアダム

タイヤ

 プラットフォームはCMF-Bに刷新。これによりボディねじり剛性は+20%、サスペンション横剛性は+20%、ステアリングシステム剛性も60%向上。高剛性化によりハンドル応答性をはじめ、走りの質が大幅に向上している。さらにこのクラスながら4WDモデル機構には、緻密な制御で定評のe-4ORCEシステムを採用した。これも走りを大きくグレードアップする要因である。

 テストドライブはFFとe-4ORCEを東京湾岸部の首都高速と一般道で乗り比べた。まず印象的だったのは、両車ともにエンジンがかかる頻度が非常に少ないこと。だから静粛でモーターの力強さが存分に味わえる。どうしてこれが可能となったかというと、発電に特化したエンジンの発電能力が高いことと、5in1電動ユニットの効率が高まったおかげだという。

 さらに、ある程度車速が上昇すると、エンジンが始動しても気づかない。それほど音の変化が少なく振動も小さい。わずかに聞こえるエンジン音も3気筒とは思えないスムーズな音質である。

 パフォーマンスは優秀。従来のe-POWERは中~高速域からの再加速でもたついた。だが第3世代e-POWERは反応がいい。高めの車速域からでも伸びやかで力強い加速が得られるので気持ちいい。なかなかスポーティである。これは大きな進化ポイントだ。

 乗り心地が非常にいいことにも感銘を受けた。大径、高速域減衰力低減バルブを備えた高性能ショックアブソーバーを採用したのがプラスに作用している。聞けばとくにリアの減衰力を路面追従性を高めるためギリギリまで低くしたのだという。その甲斐あって足回りはよく動き、ロードホールディング性能は高水準。しかも後席でも良好な乗り心地を実現している。段差や荒れた路面を通過したときにも衝撃が伝わってこない。この乗り心地のよさは想像以上だった。それでいて、コーナーやうねった路面では余計な動きが出ないように調律されていて、ハンドリングも見事だった。前後席ともに採用されたゼログラビティシートは、適度にソフトで体圧を分散して体を支える。このシートも好印象だった。

シート01

シート02

 今回路面状況がドライだった関係もあり、FFとe-4ORCE(4WD)の差は小さかった。それでも前後の駆動力を絶妙に制御して姿勢を整えているe-4ORCEの乗り味は、FF以上にフラットで上質。コーナリングでは前輪のイン側にブレーキをかけるとともに、立ち上がりではリアから押し出すように駆動力を配分することで、より思いのままのドライビングが楽しめた

 新型キックスは第3世代e-POWERを中心に、足回りから内外装まで多岐にわたり大きな進化を遂げていた。いいモノ感に満ちていて、積極的に選びなくなるクルマである。日産復活を高らかに宣言する1台といえる。

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