クルマのイラストをはじめ下町風景画など、水彩画による幅広い作風の作品を手がける小川和巳さん。近年、クルマと動物をテーマに取り上げ、その世界観を広げています。また、小川さんの長年の趣味はキャンプです。クルマと動物という主題に、自然やアウトドアのエッセンスが盛り込まれた新作をご紹介いただきます。
作品①は、『マツダT1500 アニマルキャンプ』です。マツダの三輪トラックは、子どもの頃、よく近所で見かけました。
最近、たまたま友人が所有していると知って、懐かしさのあまり取材をお願いして作品にしました。
作品の舞台は、神奈川県相模原市の道志川沿いにあるボクが大好きなキャンプ場です。動物たちが楽しくキャンプする様子に構成しました。女の子がカップラーメンを食べている姿を描きましたが、これはキャンプ場でふつうに見かける光景です。キャン プといえばバーベキューのイメージですが、どんな簡単なもので も自然の中で食べると普段とはひと味違う美味しさがあります。キャンプの楽しみ方は人それぞれでいいと思います。
作品②は、『初夏のムルティcafé』です。あるクラシックカーのイベントで知り合った方が、フィアット・ムルティプラを自ら移動カフェに改造していました。その雰囲気がとても気に入って、実在のフィアット・ムルティプラをベースに、ご本人の許可を得て描きました。この作品も動物が登場するシリーズです。カフェのマスターはワンちゃんです。
クラシックなクルマと動物を組み合わせる連作は、水彩の特性をいかして、機械であるクルマに温かみを持たせる表現がポイントです。水彩画のやわらかな印象や繊細なタッチを最大限に活用しました。
最近、飼い犬と愛車を組み合わせた絵の依頼が増えています。皆さん、癒しを求めて、「記念になる1枚の原画を手元に置き毎日眺めたい」とお話しされます。あらためてこの世に1枚の絵が持つ力を感じます。絵の構成に関しても、既存の考えに捉われない自分なりの自由な発想でアイディアを提案するようにしています。
作品③は、『'83sccj筑波クラシックカーレースMGK3&J2』です。1983年に筑波サーキットで開催されたクラシックカーレースを取材した際、パドック裏の2階から見た2台のMGのバックスタイルに惚れ込んで撮影した写真をもとに制作しました。いつか絶対描こうと思いつつ長い年月が経ちました。当時描きたくてもできなかったタッチを連想しながら42年分の思いをぶつけてみました(笑)。
MGはタッチを工夫して、色も鮮やかで軽やかな雰囲気を出しました。最近のお気に入りの作品です。
ボクは、長年の趣味でキャンプを続けています。近ごろは、車中泊ができるクルマが気になっています。それも可能な限り小型の軽バンタイプを自分でカスタムして仕上げられたらいいなと思っていました。
実はつい最近、理想的な中古の小型軽バンを見つけて乗っています。車中泊やキャンプではなくとも、近所の河川敷や景色のいいポイントに止めて、ごろ寝したりコーヒーを挿れたりして、自分流のアウトドアリビングを楽しんでいます。
おがわかずみ/1955年、愛知県出身。自動車雑誌の表紙、自動車メーカーのカタログ用テクニカルイラスト、挿絵、下町のまちおこしのための下町風景画など幅広く手がける。AAF オートモビル・アート連盟会員。神奈川県在住
インタビュアー/山内トモコ
