森永卓郎のミニカーコラム「日産スカイライン2000GT-X」

アシェット『国産名車シリーズ』

 アシェットが隔週の発行を続けている『国産名車』シリーズをボクは定期購読している。その中で最近とても気に入ったモデルがある。

 それは、スカイライン2000GT-Xだ。スカイラインの中でも、ハコスカと呼ばれる1970年代のモデルは、とくに人気が高く、ミニカーメーカー各社がモデル化している。ただ、モデル化されるのは、レースでも大活躍したGT-Rのモデルが圧倒的に多い。ところが、このモデルはGT-Xだ。ボクは、こちらのモデルのほうが好きなのだ。

もりながたくろう/1957年、東京都出身。東京大学経済学部卒業。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。個人のコレクションを展示する“博物館(B宝館)”を、埼玉県・新所沢で一般公開中(毎月第1土曜日開館)

 というのも、GT-Rは、あくまでもレースマシンで、生産台数も少なく、ボクは街で走っているのを見た記憶がない。つまり、伝説のクルマだったのだ。ところが、普通のスカイラインGTは、街中をしばしば走っていて、中学生だったボクの憧れのマトだった。

GT-X専用装備を細部まで再現

 GT-Xは、そのラグジュアリー・バージョンだった。いつかこんなクルマに乗ってみたいなと思ったし、それが実現する可能性もあるのではないかと思っていた。もちろん、その夢が実現することはなかったのだが、せめてミニカーを手許に置きたいという気持ちは残っている。

 アシェットのモデルは、24分の1という大きなスケールを活かして、細かい部分まで見事に再現している。ホワイトリボンのタイヤ、フェンダーミラー、ウッドステアリング、GTのエンブレムなど、1970年代の雰囲気を醸し出す。

 その中でボクがとくに気に入っているのが、フロントピラーに取り付けられたラジオのアンテナだ。

 当時は、まだラジオの全盛期で、番組によっては聴取率が20%というお化け番組もあった。そのラジオを聞くために、運転席から手を出して、アンテナを伸ばす。そうすると、ラジオがクリアに聞こえてくるのだ。

 スカイラインは、4ドアのモデルもあったが、やはり2ドアハードトップのほうが、ずっと美しいと思う。実車の発売から50年以上経っても衰えることのないその美しさを、このモデルは完璧に再現していると思うのだ。

 ボクはこの連載で、最近発売されたモデルをほとんど紹介していないのだが、今回このスカイラインを取り上げたのには理由がある。スカイラインGT-Xの美しさに感動して、「このモデルがほしい」と思った人が、すぐに書店に注文すれば、定価で手に入れられる可能性があると思ったからなのだ。

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