ポルシェのフル電動スポーツカー「タイカン」が大幅アップデートを実施

ポルシェがバージョンアップを果たしたEVスポーツモデルのタイカン/タイカン クロスツーリスモの日本における予約受注を開始。充電性能の引き上げや航続距離の延長、加速性能の向上、内外装の一部変更、機能装備のアップグレードなど、幅広い領域での改良を行ってe-モビリティとしての魅力度を進展

 ポルシェ ジャパンは2024年2月7日、フル電動EVスポーツモデルのタイカン(Taycan)およびタイカン クロスツーリスモ(Taycan Cross Turismo)を商品改良し、同日より予約受注を開始した。

▲ポルシェがバージョンアップを果たしたEVスポーツモデルのタイカン(写真・右)およびタイカン クロスツーリスモ(同・左)の日本における予約受注を開始

▲ポルシェがバージョンアップを果たしたEVスポーツモデルのタイカン(写真・右)およびタイカン クロスツーリスモ(同・左)の日本における予約受注を開始

 

車種展開は以下の通り。

タイカン:1370万円

タイカン4S:1650万円

タイカンターボ:2289万円

タイカンターボS:2746万円

タイカン4 クロスツーリスモ:1507万円

タイカン4S クロスツーリスモ:1670万円

タイカンターボ クロスツーリスモ:2308万円

▲ポルシェ・タイカン 価格:1370万円 全長4963×全幅1966×全高1379mm ホイールベース2900mm 空車重量(DIN)2090kg/パフォーマンスバッテリー プラス2170kg 写真のボディカラーはホワイト

▲ポルシェ・タイカン 価格:1370万円 全長4963×全幅1966×全高1379mm ホイールベース2900mm 空車重量(DIN)2090kg/パフォーマンスバッテリー プラス2170kg 写真のボディカラーはホワイト

▲ポルシェ・タイカンターボS 価格:2746万円 全長4962×全幅1966×全高1378mm ホイールベース2900mm 空車重量(DIN)2295kg 写真のボディカラーはアイスグレーメタリック

▲ポルシェ・タイカンターボS 価格:2746万円 全長4962×全幅1966×全高1378mm ホイールベース2900mm 空車重量(DIN)2295kg 写真のボディカラーはアイスグレーメタリック

 

 今回の改良は、充電性能の引き上げや航続距離の延長、加速性能の向上、内外装の一部変更、機能装備のアップグレードなど、幅広い領域でバージョンアップを果たしたことが特徴である。

▲ポルシェ・タイカン4S クロスツーリスモ 価格:1670万円 全長4974×全幅1967×全高1409mm ホイールベース2904mm 空車重量(DIN)2280kg 写真のボディカラーはフローズンベリーメタリック

▲ポルシェ・タイカン4S クロスツーリスモ 価格:1670万円 全長4974×全幅1967×全高1409mm ホイールベース2904mm 空車重量(DIN)2280kg 写真のボディカラーはフローズンベリーメタリック

▲ポルシェ・タイカンターボ クロスツーリスモ 価格:2308万円 全長4974×全幅1967×全高1412mm ホイールベース2904mm 空車重量(DIN)2320kg 写真のボディカラーはオークグリーンメタリックネオ

▲ポルシェ・タイカンターボ クロスツーリスモ 価格:2308万円 全長4974×全幅1967×全高1412mm ホイールベース2904mm 空車重量(DIN)2320kg 写真のボディカラーはオークグリーンメタリックネオ

 

 まずパワートレインでは、全ユニットで性能アップを実施する。具体的には、従来型の出力を最大80kW上回る新しいリアアクスルモーターを備えた先進のパワートレイン、ソフトウェアを最適化した改良型パルスインバーター、より強力なバッテリー、サーマルマネジメントの改良、次世代ヒートポンプ、改良型回生および4WDストラテジーなどを採用。高速からの減速時の最大回生性能は、290kWから400kWへと30%以上向上した。また、すべてのバージョンに空力的に最適化されたホイールと転がり抵抗を低減したタイヤを装備し、新しい21インチホイールとタイヤは専用に開発している。

 基本ユニットとしては、タイカンが最高出力300kW(パフォーマンスバッテリー プラス320kW/420Nm)を発生するリアモーターを、タイカン4Sが総出力380kW(ローンチコントロール使用時440kW/710Nm)を発生する前後モーターを、タイカンターボが総出力520kW(ローンチコントロール使用時650kW/940Nm)を発生する前後モーターを、タイカンターボSが総出力570kW(ローンチコントロール使用時700kW/1110Nm)を発生する前後モーターを搭載。性能については、タイカンが最高速度230km/h/0→100km/h加速4.8秒、タイカン4Sが同250km/h/3.7秒、タイカンターボが同260km/h/2.7秒、タイカンターボSが同260km/h/2.4秒を実現した。

▲パワートレインは全ユニットで性能アップを実施。タイカンは最高出力300kW(パフォーマンスバッテリー プラス320kW)を発生するリアモーターを搭載

▲パワートレインは全ユニットで性能アップを実施。タイカンは最高出力300kW(パフォーマンスバッテリー プラス320kW)を発生するリアモーターを搭載

 

 一方、タイカン4 クロスツーリスモは総出力320kW(ローンチコントロール使用時320kW/610Nm)を発生する前後モーターを、タイカン4S クロスツーリスモは総出力380kW(ローンチコントロール使用時440kW/710Nm)を発生する前後モーターを、タイカンターボ クロスツーリスモは総出力520kW(ローンチコントロール使用時650kW/940Nm)を発生する前後モーターを搭載。性能に関しては、タイカン4 クロスツーリスモが最高速度220km/h/0→100km/h加速4.7秒、タイカン4S クロスツーリスモが同240km/h/3.8秒、タイカンターボ クロスツーリスモが同250km/h/2.8秒を達成している。

▲タイカンターボ クロスツーリスモは総出力520kW(ローンチコントロール使用時650kW)を発生する前後モーターを採用

▲タイカンターボ クロスツーリスモは総出力520kW(ローンチコントロール使用時650kW)を発生する前後モーターを採用

 

 航続距離の延長を図ったこともアピールポイントで、ボディタイプとパワートレインに応じて、航続距離は175km(35%)増加して最大678km(WLTPモード)へとアップ。また、パフォーマンスバッテリープラスの総電力量を従来の93kWhから105kWhに引き上げる。同時に、バッテリー自体の軽量化も実施した。充電機構の改良も実施し、タイカンすべてのバージョンで急速充電における充電状態10%から80%までの充電を18分で行えるように変更している。

▲ボディタイプとパワートレインに応じて、航続距離は175km(35%)増加して最大678km(WLTPモード)へとアップ。また、タイカンすべてのバージョンで急速充電における充電状態10%から80%までの充電を18分で行えるように変更する

▲ボディタイプとパワートレインに応じて、航続距離は175km(35%)増加して最大678km(WLTPモード)へとアップ。また、タイカンすべてのバージョンで急速充電における充電状態10%から80%までの充電を18分で行えるように変更する

 

 シャシー面については、新しいアダプティブエアサスペンションを標準装備したことが訴求点。ダイナミックな加速およびブレーキングやステアリング操作において、タイカンのボディを常にフラットに保つとともに、滑らかかつ上質な乗り心地を提供する。また、4WDモデルにはポルシェアクティブライドサスペンションをオプションで用意。ダイナミックな運転状況においてホイールの荷重をバランスよく配分することで路面とのほぼ完璧なスタビリティを実現し、さらに適切なモードがアクティブになっている場合はサスペンションがピッチとロールを補正して乗員にかかるGを低減するよう設定した。

▲新しいアダプティブエアサスペンションを標準装備。ダイナミックな加速およびブレーキングやステアリング操作において、タイカンのボディを常にフラットに保つとともに、滑らかかつ上質な乗り心地を提供する

▲新しいアダプティブエアサスペンションを標準装備。ダイナミックな加速およびブレーキングやステアリング操作において、タイカンのボディを常にフラットに保つとともに、滑らかかつ上質な乗り心地を提供する

 

 前述のバッテリーの軽量化などによって車重を最大15kg軽量化した一方で、エクイップメントのさらなる拡充を敢行した点も見逃せない。アンビエント照明やフロントシートヒーター、ポルシェインテリジェントレンジマネージャー(PIRM)、ワイヤレス充電式スマートフォントレイ、運転席側および助手席側電気充電ポート、ドライブモードスイッチ、パワーステアリングプラスなどを標準で装備。日本仕様ではタイカン4S系にパフォーマンスバッテリープラスを標準で採用している。

▲日本仕様ではタイカン4S系にパフォーマンスバッテリープラスを標準で組み込む

▲日本仕様ではタイカン4S系にパフォーマンスバッテリープラスを標準で組み込む

 

 エクステリアに関しては、新デザインのヘッドライトとバンパー、テールライトなどを備えた新しいフロントマスクおよびリアエンドにより、タイカンならではの滑らかで純粋なスタイリングにいっそうの磨きをかける。また、精巧な光学を採用した高解像度HDマトリックステクノロジーの新しいヘッドライトは夜間にポルシェ特有の4灯のグラフィックで前方を照らし出し、さらにリアライトストリップのポルシェロゴを立体的なガラスルックのデザインで仕立てて印象的な後ろ姿を強調。そして、初採用のイルミネーテッド仕様では乗車時および発進時に特徴的なアニメーションを映し出す。ターボとターボSには、エクステリアとインテリアの両方でアクセントカラーのターボナイトを配して、他モデルとの違いを際立たせた。

▲新デザインのヘッドライトとバンパー(写真・上)、テールライト(同・下)などを備えた新しいフロントマスクおよびリアエンドにより、タイカンならではの滑らかで純粋なスタイリングにいっそうの磨きをかける

▲新デザインのヘッドライトとバンパー(写真・上)、テールライト(同・下)などを備えた新しいフロントマスクおよびリアエンドにより、タイカンならではの滑らかで純粋なスタイリングにいっそうの磨きをかける

 

 コクピットについては、インストルメントクラスター、センターディスプレイ、オプションの助手席側ディスプレイに新機能を追加して、ユーザーインターフェースの最適化を図ったことがトピック。また、ステアリングホイールにはモードスイッチを標準で装備する。スポーツクロノパッケージとパフォーマンスバッテリープラスを装備したモデルには、モードスイッチに専用のプッシュトゥパスボタンも組み込んだ。さらに、ステアリングホイールの左側後方には新しいコントロールレバーを配備し、ドライバーアシスタンスシステムをより直感的に操作できるようアレンジ。そして、Apple CarPlayは車両のディスプレイと機能にいっそう完全に統合され、合わせて新しい車載ビデオ機能によりセンターディスプレイと助手席側ディスプレイでのビデオストリーミングを可能とした。

▲インストルメントクラスター、センターディスプレイ、オプションの助手席側ディスプレイに新機能を追加して、ユーザーインターフェースの最適化を図る。ステアリングホイールにはモードスイッチを標準装備

▲インストルメントクラスター、センターディスプレイ、オプションの助手席側ディスプレイに新機能を追加して、ユーザーインターフェースの最適化を図る。ステアリングホイールにはモードスイッチを標準装備

▲タイカンはパーシャルレザーインテリア/ブラックおよびコンフォートシートを採用。日本導入モデルのハンドル位置は右

▲タイカンはパーシャルレザーインテリア/ブラックおよびコンフォートシートを採用。日本導入モデルのハンドル位置は右

▲タイカンターボ クロスツーリスモのスムースレザーインテリア/ブラックおよびアダプティブスポーツシート。ターボにはアクセントカラーのターボナイトを採用。日本導入モデルのハンドル位置は右

▲タイカンターボ クロスツーリスモのスムースレザーインテリア/ブラックおよびアダプティブスポーツシート。ターボにはアクセントカラーのターボナイトを採用。日本導入モデルのハンドル位置は右

 

 なお、ポルシェ ジャパンでは独自の急速充電インフラとしてCHAdeMO規格では国内法規における最速の150kWを誇る「ポルシェ ターボチャージングステーション」を全国のポルシェ正規販売店にて54基稼働中のほか、都市部でも主に東京、名古屋、大阪に10拠点18基を設置。また、アウディやフォルクスワーゲンとともに展開するプレミアム チャージング アライアンスにより、各ブランドの正規販売店に設置している急速充電器も利用可能としている。

 

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