トヨタがランドクルーザーの中核モデル「250」シリーズを初公開。日本では2024年前半の発売を予定

トヨタがランドクルーザー・プラドの後継モデルとなる新型ランドクルーザー250を発表。質実剛健を追求して、ユーザーの生活と実用を支える“ランクル”の原点へと回帰。基本骨格にはGA-Fプラットフォームおよび構造を刷新したラダーフレームに、超高張力鋼板を多用した新設計の高強度ボディを採用。パワートレインにはランクル初のハイブリッドシステムを含めた計5機種を設定

 トヨタ自動車は2023年8月2日、ランドクルーザーの中核車となる新型ライトデューティモデルの「250」シリーズを世界初公開した。

▲トヨタ・ランドクルーザー・プラドの実質的な後継モデルとなる新型ランドクルーザー250がワールドプレミア。質実剛健を徹底追求して、ユーザーの生活と実用を支える“ランクル”の原点へと回帰する。写真は250のプロトタイプ

▲トヨタ・ランドクルーザー・プラドの実質的な後継モデルとなる新型ランドクルーザー250がワールドプレミア。質実剛健を徹底追求して、ユーザーの生活と実用を支える“ランクル”の原点へと回帰する。写真は250のプロトタイプ

 

 ランドクルーザー・プラドの実質的な後継モデルとなる新型ランドクルーザー250は、質実剛健を徹底追求して、ユーザーの生活と実用を支える“ランクル”の原点へと回帰したことが特徴。具体的には、GA-Fプラットフォームおよび構造を刷新したラダーフレームによるオフローダーとしての基本性能の向上、ランドクルーザーにふさわしい力強い走りや高い環境性能を実現する多様なパワートレインの設定、機能性を追求したパッケージに伝統とモダンを統合させた内外装デザイン、クラストップレベルの先進安全性能などを果たしたことが特徴である。なお、250の登場によりランドクルーザー・シリーズは、象徴的な存在であるフラッグシップモデルの300、シリーズの中央に原点回帰した生活実用モデルの250、質実剛健かつ堅牢で普遍のヘビーデューティモデルに位置する70という3本の柱で構成することとなった。

▲250の登場によりランドクルーザー・シリーズは象徴的な存在であるフラッグシップモデルの300(写真・左)、シリーズの中央に原点回帰した生活実用モデルの250(同・右)、質実剛健かつ堅牢で普遍のヘビーデューティモデルに位置する70(同・中央)の3本柱に移行する

▲250の登場によりランドクルーザー・シリーズは象徴的な存在であるフラッグシップモデルの300(写真・左)、シリーズの中央に原点回帰した生活実用モデルの250(同・右)、質実剛健かつ堅牢で普遍のヘビーデューティモデルに位置する70(同・中央)の3本柱に移行する

 

 基本骨格に関しては、300シリーズと同様GA-Fプラットフォームおよび構造を刷新したラダーフレームに、超高張力鋼板を多用した新設計の高強度ボディを採用する。ラダーフレームは非線形テーラードウェルドブランクと超ハイテンションスチール材を適材適所に配し、高剛性かつ軽量な骨格を実現。組み合わせるボディは、超ハイテンションスチール材の拡大展開やアルミ材フードの採用、スポット溶接の増し打ち、板金合わせ部およびフロアへの接着剤の塗布などによって、強度アップと軽量化を高次元で両立させる。結果的にフレーム剛性は従来のプラド比で+50%、車両全体の剛性としては同比で+30%の向上を成し遂げた。一方で懸架機構は、フロントにコイルスプリングのばね定数の最適化やキャスタートレールの拡大などを図ったハイマウントダブルウィッシュボーン式サスペンションを、リアに周辺部品の締結トルクアップを施したトレーリングリンク車軸式サスペンションを採用。優れたアーティキュレーションを確保し、オフロード走破性を大幅に向上させた。

▲基本骨格には300シリーズと同様GA-Fプラットフォームおよび構造を刷新したラダーフレームに、超高張力鋼板を採用した新設計の高強度ボディを採用する

▲基本骨格には300シリーズと同様GA-Fプラットフォームおよび構造を刷新したラダーフレームに、超高張力鋼板を採用した新設計の高強度ボディを採用する

▲ラダーフレームには非線形テーラードウェルドブランクを配し、高剛性かつ軽量化を果たした骨格を実現

▲ラダーフレームには非線形テーラードウェルドブランクを配し、高剛性かつ軽量化を果たした骨格を実現

 

 パワートレインについては、T24A-FTS型2.4リットル直列4気筒DOHCガソリンターボエンジン+モーター+Direct Shift-8ATで構成するパラレルハイブリッドシステム(システム最高出力330ps/最大トルク630Nm)、T24A-FTS型2.4リットル直列4気筒DOHCガソリンターボエンジン+Direct Shift-8ATで構成する量販型ガソリンパワートレイン(最高出力281ps/最大トルク430Nm)、1GD-FTV型2.8リットル直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジン+モーター+Direct Shift-8ATで構成する上級版ディーゼル48Vシステム(最高出力204ps/最大トルク500Nm)、1GD-FTV型2.8リットル直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジン+Direct Shift-8ATで構成する量販型ディーゼルパワートレイン(最高出力204ps/最大トルク500Nm)、2.7リットル直列4気筒DOHCガソリンエンジン+6 Super-ECTで構成する良品廉価ベーシックパワートレイン(最高出力163ps/最大トルク246Nm)という計5機種をラインアップ。日本向けには、まず量販型ディーゼルパワートレインと良品廉価ベーシックパワートレインを設定する予定である。

▲パワートレインにはT24A-FTS型2.4リットル直列4気筒DOHCガソリンターボエンジン+モーター+Direct Shift-8ATで構成するパラレルハイブリッドシステム(システム最高出力330ps/最大トルク630Nm)や1GD-FTV型2.8リットル直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジン+モーター+Direct Shift-8ATで構成する上級版ディーゼル48Vシステム(最高出力204ps/最大トルク500Nm)など計5機種を設定

▲パワートレインにはT24A-FTS型2.4リットル直列4気筒DOHCガソリンターボエンジン+モーター+Direct Shift-8ATで構成するパラレルハイブリッドシステム(システム最高出力330ps/最大トルク630Nm)や1GD-FTV型2.8リットル直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジン+モーター+Direct Shift-8ATで構成する上級版ディーゼル48Vシステム(最高出力204ps/最大トルク500Nm)など計5機種を設定

 

 オフロードとオンロード双方での性能向上につながる数々の新機構を組み込んだことも、新型250のトピックだ。まず操舵機構には、専用セッティングの電動パワーステアリング(EPS)を採用。悪路走行時のハンドル取られ低減、すっきりとしたステアリングフィール、低速時の取り回し性向上、レーントレーシングアシスト(LTA)の導入などを実現する。また、専用チューニングのAdaptive Variable Suspension System(AVS)を装備。オフロード用、オンロード用をシフトレンジのL4/H4により制御内容を切り替え、各センサーからの信号を元に4輪それぞれのショックアブソーバー減衰力を適切に調整する仕組みとした。さらに、スイッチ操作でフロントスタビライザーの状態を切り替えて、スタビライザー効果を最適化させるSDM(Stabilizer with Disconnection Mechanism)をトヨタ車で初採用する。一方でオフロード走行支援の機能も拡充させ、路面状況に応じた走行支援をAUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW/ROCKという6つのモードから選択できるマルチテレインセレクトや、デジタルカメラを配備して映像を鮮明化し直前に撮影した映像を床下部として現状の車両周辺映像と合成して映し出すアンダーフロアビューと、後退時に後輪周辺をクローズアップして大きく表示するバックアンダーフロアビュー(トヨタ車初採用)で構成するマルチテレインモニター、選択した走行モードや走行状態と連動したグラフィックをセンターディスプレイ内の1画面に集約して映し出すオフロードコンテンツ表示などを設定した。

▲路面状況に応じた走行支援をAUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW/ROCKという6つのモードから選択できるマルチテレインセレクトを採用

▲路面状況に応じた走行支援をAUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW/ROCKという6つのモードから選択できるマルチテレインセレクトを採用

 

 エクステリアに関しては、Reliable(過酷な使用用途にも耐えられる信頼性)、Timeless(永く愛せる飽きのこないシンプルさ)、Professional(プロが使う、無駄のない道具に共通する洗練された機能美)をキーワードに据えて、本格オフローダーとして本物の姿を目指したスタイリングを創出する。基本フォルムは水平基調のデザインに一段と低くかつクランクしたベルトライン、中央は低くて路面を見やすくし、両サイドは高くして角の認識を容易にするボンネット形状、無駄な角を面削ぎしたコーナー部、アプローチ性(アプローチアングル31度)およびデパーチャー性(デパーチャーアングル23度)を重視した前後端下部と削ぎ落したドア下部などを採用し、悪路での機能性に根ざした“理由あるカタチ”の車両パッケージを実現。また、機能部品を一括りにまとめて引き締まった印象を強調し、合わせて破損しやすい角のみを交換できるバンパー構成としたフロントおよびリアセクションを導入する。さらに、カチッとした硬質さと艶やかな曲面の対比によってシンプルながらもモダンな上質さを具現化し、同時にキッチリした面取りなどでプロフェッショナルツールを思わせる高精度感を演出したパネル面に仕立てて、長く飽きずに付き合えるランクルらしいデザインを創出した。ヘッドランプに角型LED3眼PES式(耐熱性樹脂PES=ポリエーテルスホンを用いたレンズ式)、LED3灯リフレクター式(メッキ反射板のリフレクターに光を反射させる方式)、LED1眼Bi-PES式+丸形DRL(1個のPESによるロー/ハイビーム切替可能式=Bi-PES)という3タイプを設定し、購入後に簡単に交換できるようアレンジしたことも、ランクル250の訴求点だ。ボディサイズは、従来のプラド比で100mm長く、95mm幅広く、20mm高く、ホイールベースが60mm長い全長4925×全幅1980×1870mm/ホイールベース2850mmに設定。プラットフォームを共用するランドクルーザー300の全長4950~4985×全幅1980~1990×全高1925mm/ホイールベース2850mmに近い数値となっている。

▲基本フォルムは水平基調のデザインに一段と低くかつクランクしたベルトライン、角の認識を容易にしたボンネット形状、無駄な角を面削ぎしたコーナー部、アプローチ性およびデパーチャー性を重視した前後端下部と削ぎ落したドア下部などを採用して、悪路での機能性に根ざした“理由あるカタチ”の車両パッケージを実現

▲基本フォルムは水平基調のデザインに一段と低くかつクランクしたベルトライン、角の認識を容易にしたボンネット形状、無駄な角を面削ぎしたコーナー部、アプローチ性およびデパーチャー性を重視した前後端下部と削ぎ落したドア下部などを採用して、悪路での機能性に根ざした“理由あるカタチ”の車両パッケージを実現

▲40や70シリーズを彷彿させる丸目2灯式ヘッドランプ(LED1眼Bi-PES式+丸形DRL)やルーフ部をホワイトカラーで仕立てた2トーンカラーなども設定。ヘッドランプはユニットごと角型に変更できる

▲40や70シリーズを彷彿させる丸目2灯式ヘッドランプ(LED1眼Bi-PES式+丸形DRL)やルーフ部をホワイトカラーで仕立てた2トーンカラーなども設定。ヘッドランプはユニットごと角型に変更できる

 

 内包するインテリアは、本格オフローダーとしての安全性や疲れにくさへ繋がる機能性、そして長く愛せる上質空間の融合を目指してデザインする。コクピットは良好な前方視界を確保した低いカウルと水平基調のインストルメントパネル、死角を減少させた直立基調のAピラー、従来型より30mm低くしたベルトラインなどによって、オフロードでも安心安全な開けた視界を確保。また、あえて機能ごとに異なる形状と操作方法としたプッシュスイッチ/トグルスイッチ/ロータリースイッチを配し、効果的なブラインド操作を実現したフィジカルスイッチ類を装備する。また、プロラリードライバーの意見をもとに操作性を吟味した、ランクル300シリーズと共通思想のMTS(マルチテレインセレクター)を採用。さらに、走行中の安定した画面操作を実現したパームレスト形状の大型センターディスプレイや、悪路でも容易に乗車姿勢を保持できるニーパットなどを配備した。

 キャビン空間は2/3/2名乗車の3列式または2/3名乗車の2列式で構成。ボディ幅を広げたことで着座時の横方向のスペースが拡大し、またホイールベースの延長によってとくに2/3列目の足もとスペースが広がる。ラゲッジ容量は2列乗車時で従来型の398リットルから408リットルまでアップした。

 先進安全システムの拡充も図り、最新の予防安全技術「トヨタセーフティセンス」を全車に採用。対応する事故形態をいっそう広げ、より安全・安心なドライブを実現している。

▲コクピットは良好な前方視界を確保した低いカウルと水平基調のインパネ、死角を減少させた直立基調のAピラー、従来型より30mm低くしたベルトラインなどによって、オフロードでも安心安全な開けた視界を確保する

▲コクピットは良好な前方視界を確保した低いカウルと水平基調のインパネ、死角を減少させた直立基調のAピラー、従来型より30mm低くしたベルトラインなどによって、オフロードでも安心安全な開けた視界を確保する

▲あえて機能ごとに異なる形状と操作方法としたプッシュスイッチ/トグルスイッチ/ロータリースイッチを配し、効果的なブラインド操作を実現したフィジカルスイッチ類を装備

▲あえて機能ごとに異なる形状と操作方法としたプッシュスイッチ/トグルスイッチ/ロータリースイッチを配し、効果的なブラインド操作を実現したフィジカルスイッチ類を装備

▲キャビン空間は2/3/2名乗車の3列式または2/3名乗車の2列式で構成。ボディ幅を広げたことで着座時の横方向のスペースが拡大し、またホイールベースの延長によってとくに2/3列目の足もとスペースが広がる

▲キャビン空間は2/3/2名乗車の3列式または2/3名乗車の2列式で構成。ボディ幅を広げたことで着座時の横方向のスペースが拡大し、またホイールベースの延長によってとくに2/3列目の足もとスペースが広がる

 

 なお、日本市場におけるランドクルーザー250は特別仕様車の「First Edition」を含めて、2024年前半の発売を予定している。

▲ランドクルーザー250は特別仕様車の「First Edition」を含めて、2024年前半に日本での発売を予定する

▲ランドクルーザー250は特別仕様車の「First Edition」を含めて、2024年前半に日本での発売を予定する

 

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