2023年の「オートモビル・カウンシル」は、「Classic Meets Modern」という従来からのメインテーマに「and Future」を加え、4月に幕張メッセで開催された。
8回目となった今年もメーカー出展から名車の販売展示、さらにはアートあり音楽ありと、クルマ好きにとどまらず、(無理やり?)連れてこられた家族や友人も楽しめるエンターテインメント・イベントだった。
中でも主催者展示のポルシェとフェラーリは圧巻! クルマ好きが目を輝かせたのは間違いない。世界的なクラシックカー人気もあり、もはや街中で出会うことがマレになったスペシャルモデル、フェラーリF50やポルシェ959などがずらりと並んだシーンは、メーカーの記念イベントでもない限りなかなか見ることはできない。
もちろん華やかなスターばかりがこのイベントの楽しみではない。主役となるのは、日本中から集まったスペシャルショップが展示する名車の数々。しかも販売車両も多い。そう、気に入ったクルマがあれば購入できるという点も、このイベントの醍醐味だ。
個人的には京都から参加していた松島ホールディングスが展示した「ちょっと古めのベンツ」や、国産車なら2代目セリカXX(1981年)、コスモAPクーペ(1975年)あたりに目が釘付けになった。中でもローズがかったシャンパンカラーのポルシェ944ターボは真剣にほしくなって、仕事を忘れ仔細にチェックした。
ポルシェといえば人気クラシックカーの共同所有システムを提案するランデブーが展示した1975年式の930ターボもよかった。オレンジカラーもレアだが、奇跡のワンオーナーの納屋物件(バーンファウンド)。シャシーナンバーは、何と51番という超初期モノである。
ランデブーの共同所有システムは8人のオーナーを募集し、この930ターボの場合なら「ひと枠595万円で販売」し、1年後に売却して精算するというもの。若いクルマ好きが名車を所有するハードルを少しでも下げたいと知恵を絞って考えたシステムだ。
ひと枠当たりの使用日数は決められているが、税金や保険、維持メンテナンス費用、ガレージ保管料が含まれている。筆者自身、これまでたくさんのクラシックカーを所有してきたが、イベントなどで年に数回しか乗らなかった経験を踏まえると、十分に価値のあるシステムだと思う。1年後にいくらで売れるか、という楽しみもある。
カウンシル最大の目玉は「フューチャー」だった。元日産のチーフデザイナーで、現在はデザイン会社SNDP代表を務める中村史郎氏のチームがデザインしたBEVのスポーツカー、AIM・EVスポーツ01である。
愛知県でエンジニア派遣業をメインに展開するAIM(エイム)が、自社の技術力をアピールするために、自社開発したBEVプラットフォーム(モーターも自社製)に、SNDPがデザインした内外装を組み合わせた車両だ。
中村氏によれば、デザインのテーマはズバリ「クルマ好きが愛してやまない1960年代」。
これぞまさに「クラシック・ミーツ・フューチャー」だろう。