【最新モデル試乗】キーワードは快速・快適・便利。VWパサートの4WDクロスオーバー、オールトラック4モーション

VWパサート・オールトラックTDI4モーション・アドバンス オールトラックはヴァリアントをベースにしたクロスオーバー シリーズ唯一の4WDモデル ラインアップは標準仕様(561万1000円)とアドバンス(613万9000円)を用意
VWパサート・オールトラックTDI4モーション・アドバンス オールトラックはヴァリアントをベースにしたクロスオーバー シリーズ唯一の4WDモデル ラインアップは標準仕様(561万1000円)とアドバンス(613万9000円)を用意

VWパサート・オールトラックTDI4モーション・アドバンス 価格:7DCT 613万9000円 試乗記

外観はさりげないクロスオーバールック。新型は各部の改良で商品性アップ

 VWの上級モデル『パサート』シリーズが、内外装の一部リファインやパワーパックの仕様変更、ADASの機能向上を主な内容とする改良で商品性を高めた。シリーズ唯一の4WDモデルであるオールトラックも、シリーズ共通のアップデートが施されフレッシュさを増した。

 オールトラックは、TDI4モーションとTDI4モーションアドバンスの2グレード構成。試乗車は後者。ナパレザーを用いたベンチレーション機能付きのフロントシートや電子制御式の可変減衰力ダンパー(DCCS)をはじめ、18inタイヤ、ヘッドアップディスプレイを標準装備とする上級グレードである。

 外観は、さりげないクロスオーバールック。新しい字体によるVWロゴを除けば以前と大きくは変わらない。フェンダーアーチ・エクステンションや大径シューズでSUV調に仕立てられている。ボディサイズは全長×全幅×全高4785×1855×1535mm。全長と全幅はマツダ6(同4805×1840mm)に近く、日本でも取り回しに困る心配はない。

 インテリアは広く快適。特徴だったダッシュボード中央のアナログ時計が姿を消し、空調コントロール系のデザインが変更を受けるなど、「どこか新しいな」という雰囲気が伝わる。
 ターボ付きの2ℓ4気筒ディーゼル(190ps/400Nm)は従来からのキャリーオーバー。組み合わされるDCTは、6速から7速仕様へとアップデートが図られた。

オールトラックはファンダーアーチエクステンションとバンパーガーニッシュ装備 全長×全幅×全高4785×1855×1535mm
オールトラックはファンダーアーチエクステンションとバンパーガーニッシュ装備 全長×全幅×全高4785×1855×1535mm
室内はシンプルで機能的 新型はインパネ中央のアナログ時計がなくなり空調コントロールを一新 最新インフォテインメント機能導入
室内はシンプルで機能的 新型はインパネ中央のアナログ時計がなくなり空調コントロールを一新 最新インフォテインメント機能導入

走りはなかなか活発。新装備トラフィックアシストは便利だ!

 ツボにはまったシーンで想像以上の快速ぶりを披露するのは、7速化によるギア比の変更や細分化の効果だろう。決定的なアドバンテージというわけではないが、7速化は、実用燃費の向上などにも反映されることになりそうだ。WLTCモード燃費は15km/リッター。ちなみに微低速シーンでの滑らかさは従来同様に素晴らしい。

 実際にドライブすると、以前の渋滞時追従支援ディバイス”トラフィックアシスト”が、同一車線内の全車速運転支援デバイス”トラベルアシスト”へと進化したアドバンテージは大きいと感じた。何よりも、異例なほど簡単な操作性が、使い勝手面ですこぶる好印象を味わわせてくれる。

 見た目に派手なリファインではないが、その商品性は確実に向上――それが、最新パサート各モデルに共通する印象。オールトラックも例外ではない。中でも4WDならではのオールラウンド性とワゴンボディのユーティリティ、そして快適装備が充実したTDI4モーション・アドバンスの完成度は高い。ユーザーの多様なライフスタイルをしっかりサポートしてくれる、良質な道具の代表、長く付き合えるパートナーである。

アドバンスはナパレザーシート標準 運転席はマッサージ機能付き 快適性はハイレベル 前後席ともスペースは余裕たっぷり
アドバンスはナパレザーシート標準 運転席はマッサージ機能付き 快適性はハイレベル 前後席ともスペースは余裕たっぷり
荷室は広く使い勝手良好 容量は後席使用時639リッター 最大1769リッター
荷室は広く使い勝手良好 容量は後席使用時639リッター 最大1769リッター
メーターは高解像度のフル液晶タイプ 基本モード(写真右)に加えナビゲーションモードなど多彩な表示が選べる アドバンスはヘッドアップディスプレイ標準
メーターは高解像度のフル液晶タイプ 基本モード(写真右)に加えナビゲーションモードなど多彩な表示が選べる アドバンスはヘッドアップディスプレイ標準
トランスミッションは7速DCT 新型は多段化によりドライバビリティを改善 変速はスムーズ
トランスミッションは7速DCT 新型は多段化によりドライバビリティを改善 変速はスムーズ
トラベルアシスト(同一車線全車速運転支援システム)は操作性良好
トラベルアシスト(同一車線全車速運転支援システム)は操作性良好
センターモニターは大画面9.2インチ ジェスチャーコントロール可能 後退時は後方と俯瞰映像を表示
センターモニターは大画面9.2インチ ジェスチャーコントロール可能 後退時は後方と俯瞰映像を表示
245/45R18タイヤ+8Jアルミ装着 電子制御デファレンシャルロック標準
245/45R18タイヤ+8Jアルミ装着 電子制御デファレンシャルロック標準
1968cc直4DOHC16Vディーゼルターボ 190ps/400Nm 全域トルクフル パフォーマンス優秀 WLTCモード燃費:15.0km/リッター
1968cc直4DOHC16Vディーゼルターボ 190ps/400Nm 全域トルクフル パフォーマンス優秀 WLTCモード燃費:15.0km/リッター
ヘッドライトはマトリックスLED ウインカーはシーケンシャルタイプ
ヘッドライトはマトリックスLED ウインカーはシーケンシャルタイプ

VWパサート・オールトラック 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=TDI4モーション・アドバンス
価格= 7DCT 613万9000円
全長×全幅×全高=4785×1855×1535mm
ホイールベース=2790mm
トレッド=前1580/後1565mm
車重=1740kg
エンジン=1968cc直 4DOHC16Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=140kW(190ps)/3500~4000rpm
最大トルク=400Nm(40.8kgm)/1900~3300rpm
WLTCモード燃費=15.0km/リッター(燃料タンク容量66リッター)
(市街地/郊外/高速道路=12.1/14.6/17.0km/リッター)
サスペンション=前ストラット/後4リンク
ブレーキ=前ベンチレーテッドディスク/後ディスク
タイヤ&ホイール=245/45R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.4m

●主な燃費改善対策:アイドリングストップ/筒内直接噴射/電子制御式燃料噴射/過給器/コモンレール高圧噴射/電動パワーステアリング/4バルブ・センターノズル化/DSG
●主要装備:アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付き)/レーンキープアシスト/同一車線全車速運転支援システム(トラベルアシスト)/レーンチェンジアシストシステム/スタティックコーナリングライト/ダイナミックコーナリングライト/リアビューカメラ/アラウンドビューカメラ/駐車支援システム/デイタイムランニングライト/ドライバー疲労検知システム/前後パークディスタンスコントロール/リアトラフィックアラート/プリクラッシュブレーキ/アダプティブシャシーコントロール(DCC)/電子制御デファレンシャルロック(XDS)/18インチアルミ/オールトラック専用エクステリア(アンダーガード付きバンパー+ホイールハウスエクテンション+サイドシル+ドアミラー)/LEDマトリックスヘッドランプ/前後フォグランプ/ダークティンテッドガラス(リア3面)/レインセンサー/3ゾーンフルオートAC/アレルゲン除去機能付きフレッシュエアフィルター/VW純正インフォテイメントシステム・ディスカバープロ/デジタルメータークラスター/ヘッドアップディスプレイ/ETC2.0対応車載器/モバイルオンラインサービス/ブルーモーションテクノロジー/ナパレザー・スポーツコンフォートシート/運転席マッサージ機能/パドルシフト/マルチファンクション本革巻きステアリング
●装着op:電動パノラマスライディングルーフ15万4000円
●ボディカラー:アクアマリンブルーM(op3万3000円)
※価格はすべて消費税込み 

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