メルセデスAMG SLにトップハイパフォーマンスPHEVモデルの「メルセデスAMG SL 63 S E PERFORMANCE」を追加設定。パワートレインにはシステム最高出力600kW/最大トルク1420Nmを発生する4リットルV8ツインターボエンジン+電気モーターとAMG自社開発の高性能リチウムイオンバッテリー、パフォーマンス志向連続トルク可変配分式4輪駆動システムのAMG 4MATIC+を採用
メルセデス・ベンツ日本は2024年12月19日、2+2ラグジュアリーロードスターのメルセデスAMG SLにプラグインハイブリッドモデルの「メルセデスAMG SL 63 S E PERFORMANCE(SL 63 S Eパフォーマンス)」をラインアップし、同日より発売した。車両価格は3350万円に設定する。
F1テクノジーを採用した高性能システムを組み込むメルセデスAMG SL 63 S E PERFORMANCEは、メルセデスAMG SL初のPHEV車で、かつトップハイパフォーマンスモデルに位置する。注目のパワートレインは、177型3982cc・V型8気筒DOHCツインターボエンジン(最高出力612ps/5750~6500rpm、最大トルク850Nm/2500~4500rpm)に、リアアクスルに配する電気モーター(最高出力150kW/4500~8500rpm、最大トルク320Nm/500~4500rpm)、専用セッティングのAMGスピードシフトMCT 9速AT、400VのAMGハイパフォーマンスバッテリー(リチウムイオン電池、総電力量6.1kWh)、パフォーマンス志向連続トルク可変配分4輪駆動システムのAMG 4MATIC+でシステムを構成する。システム最高出力は600kW(816ps)、システム最大トルクは1420Nmを発生。性能面では、0→100km/h加速2.9秒を実現している。
電気モーターに関しては、電動シフト式2速トランスミッションとともに、コンパクトなエレクトリックドライブユニット(EDU)としてまとめられる。P3 ハイブリッド(変速機内あるいは変速機よりも下流に電機モーターを配置)と呼ばれるこの設計レイアウトは、車両の前後重量配分とアクスル荷重配分の最適化に寄与し、かつ電気モーターがリアアクスルを直接駆動するために動力をよりダイレクトでトラクションに変換できる。
一方でAMG独自の400Vハイパフォーマンスバッテリー(HPB)については、メルセデスAMGペトロナスF1チームが使用しているF1ハイブリッドレーシングマシンの、きわめて苛酷な条件下で実証済みの先進テクノロジーを基に開発。高出力を頻繁に繰り返し発生できる能力と軽量構造とを兼ね備えることで、クルマの総合的なパフォーマンスを向上させる。EV走行可能換算距離はWLTCモードで15km、ハイブリッド燃料消費率はWLTCモードで8.8km/リットルを実現した。冷却性能も最大限に重視し、非導電性の液体をベースとする高度な冷却液を循環させて560個のセルすべてを個別に直接冷却する方式を採用する。充電ソケットはリアバンパー右側に配置した。
また、AMGダイナミックセレクトには「Electric(電動)」、「Battery Hold」、「Comfort」、「Smoothness」、「Sport」、「Sport+」、「Race」、「Individual」という8 つのモードを設定。選択したモードによって駆動システムやトランスミッションのレスポンス、ステアリング特性、サスペンションの減衰特性、サウンドなど主要なパラメーターが変更される。モードの切り替えは、センターコンソールのロッカースイッチまたはAMGドライブコントロールスイッチで行う仕組みだ。また、回生ブレーキの強さは4段階に分かれており、右側のAMGドライブコントロールスイッチで切り替えることが可能。同システムはSmoothnessモード以外のすべてのドライブモードに適用され、選択されているドライブモードに応じて異なる設定で最適にエネルギーを回収する。
シャシー面に関しては、前後5リンク式のマルチリンクサスペンションをベースに、2 つの油圧接続を備えたアダプティブダンパーを組み込む専用セッティングのAMG ACTIVE RIDE CONTROLサスペンションを装備。合わせて、アジリティと走行安定性を向上させるリアアクスルステアリングを標準で組み込む。シューズには21インチAMGアルミホイール(RWG)+前275/35/後305/30R21タイヤを標準で、鍛造21インチAMGアルミホイール(RWE)をオプションで設定。制動機構にはAMGカーボンセラミックブレーキを配備した。
エクステリアについては、メルセデス・ベンツのデザインの基本思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」を踏襲したうえで、メルセデス AMG のスポーティな要素を存分に取り入れて、光と影の交錯によって全体に軽やかな、かつ高い質感と高級感を演出した新進のロードスターに仕立てる。また、AMGエクステリアクロームパッケージを標準で、AMGカーボンパッケージをオプションで採用。さらに、サイドには“E PERFORMANCE”エンブレムを、リアにはレッド装飾の“GT 63 S”エンブレムを配備した。一方、電動開閉式のソフトトップは重量を最適化したスチール/アルミニウム製構造を採用し、追加の補強材として2本の丸いアルミニウム製クロスビームを一体化して装備。ソフトトップカラーはブラックを標準で、レッドとグレーをオプションで設定し、いずれもヒーター付の安全リアガラスを組み込んでいる。
インテリアに関しては、ブラックの内装色を基調に、ドライビングに集中しながら各種メニュー操作が可能なAMGドライブコントロールスイッチを備えたAMGパフォーマンスステアリング(ナッパレザー)や、専用表示の12.3インチデジタルコックピットディスプレイおよび11.9インチの縦型メディアディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、MANUFAKTURウィンドウフレームライナー(ブラックMICROCUT)、ナッパレザー表皮のAMGシート、エアスカーフを標準装備。オプションとして、AMGカーボンファイバーインテリアトリムやAMGパフォーマンスシートなども選択できる。また、機能装備として第2世代の対話型インフォテインメントシステム「MBUX」およびMBUX ARナビゲーションやBurmesterサラウンドサウンドシステムなども採用している。