日産自動車が米国のSEMAショーでGT4準拠の新型Zを公開

日産と日産モータースポーツ&カスタマイズが米国で開催した2022 SEMAショーにおいてカスタマー向けのレース車両「Z GT4」を披露。ほかにも日産リーフのパワートレインを採用したクラシックなサニーピックアップトラックや日産アリアのサーフワゴンなどを出展

 日産自動車および日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)は、2022年11月1日~4日に米国ラスベガスで催された米国自動車用品工業会主催の2022 SEMA(Specialty Equipment Market Association)ショーにおいて、カスタマー向けのレース車両「Z GT4」を出展した。

▲日産Z GT4 新型Zのカスタマー向けモータースポーツ車両の米国仕様で、開発はNMCのNISMO Racing事業部が担当する。ボディサイズは全長172.4×全幅73.6インチ(同4380×1870mm)、車重は1410kgに設定

▲日産Z GT4 新型Zのカスタマー向けモータースポーツ車両の米国仕様で、開発はNMCのNISMO Racing事業部が担当する。ボディサイズは全長172.4×全幅73.6インチ(同4380×1870mm)、車重は1410kgに設定

 

 GT4は市販モデルをベースとした改造範囲の少ないモータースポーツ車両のカテゴリーで、現状のGT3がより高度化・高価格化してアマチュアドライバーが参戦しにくくなったことから、それを補完する形で創設。以後、世界中のスポーツカーメーカーがこぞってGT4車両を市場に供給している。

▲リアクオーターパネルにはかつての240ZやフェアレディZのエンブレムをモダンにデザインし直した新しい「Z」のロゴを配備

▲リアクオーターパネルにはかつての240ZやフェアレディZのエンブレムをモダンにデザインし直した新しい「Z」のロゴを配備

 

 今回出展されたZ GT4は、NMCのNISMO Racing事業部が開発を担当。ベースとなるZのポテンシャルの高さを活かし、走行性能、安全性、耐久性、操作性を高次元でバランスさせ、同時に購入のしやすさも重視する。機構面では、幅広いレベルのエンスージアストが総合的に満足できるパフォーマンスを具現化。具体的には、VR30DDTT型2997cc・V型6気筒DOHC直噴ツインターボエンジンの素性の良さを活かした専用チューニング、レース用に最適化したシャシーとサスペンション、レギュレーションの範囲内で最大限の性能向上を図った空力特性、居住性および操作性を最適化したコクピットなどの採用を実施した。また、展示車両は日産およびNISMOのヘリテージとモダンさを融合した特別なカラーリングを導入。ボンネットのデザインは1970年代のレーシングカーのカラーリングを想起させるもので、日産のゼッケンナンバー「23」が、昇る太陽をイメージした赤い円の中に配置される。さらに、ボディカラーをリアに向けて赤から黒に変化させて、日産およびNISMOのアイコニックなカラーリングを強調。合わせて、リアクオーターパネルにはかつての240ZやフェアレディZのエンブレムをモダンにデザインし直した新しい「Z」のロゴを配備した。

▲1970年代の日産のレーシングカーを想起させるボンネットのカラーリング。日産のゼッケンナンバー「23」を、昇る太陽をイメージした赤い円の中に配する

▲1970年代の日産のレーシングカーを想起させるボンネットのカラーリング。日産のゼッケンナンバー「23」を、昇る太陽をイメージした赤い円の中に配する

▲専用設計のリアウイングなどを配備して、レギュレーションの範囲内で最大限の性能向上を図った空力特性を実現

▲専用設計のリアウイングなどを配備して、レギュレーションの範囲内で最大限の性能向上を図った空力特性を実現

▲NISMOとRAYSで共同開発した軽量アルミホイールを装着。サイズは前10.5J×18/後11J×18

▲NISMOとRAYSで共同開発した軽量アルミホイールを装着。サイズは前10.5J×18/後11J×18

▲ブレンボ製の高性能ブレーキキャリパーを装着

▲ブレンボ製の高性能ブレーキキャリパーを装着

▲GT4のレギュレーションに準拠したコクピット。マルチディスプレイやデータロガーを装備する

▲GT4のレギュレーションに準拠したコクピット。マルチディスプレイやデータロガーを装備する

▲専用設計の強固なロールケージを組み込む

▲専用設計の強固なロールケージを組み込む

▲VR30DDTT型2997cc・V型6気筒DOHC直噴ツインターボエンジンの素性の良さを活かした専用チューニングを実施。最高出力は330kW(450hp)、最大トルクは600Nm(443 ft-lbs.)を発生

▲VR30DDTT型2997cc・V型6気筒DOHC直噴ツインターボエンジンの素性の良さを活かした専用チューニングを実施。最高出力は330kW(450hp)、最大トルクは600Nm(443 ft-lbs.)を発生

 

 なお、Z GT4の車両の供給は2023年シーズンから開始する計画。まずはアメリカで開催される「SRO Pirelli GT4 アメリカシリーズ」と、日本の「スーパー耐久シリーズ」に参戦を予定するパイロットカスタマーチームに車両を供給し、NISMOがサーキットでのテクニカルサポートを行う。また、参戦等を考えているチームや一般のユーザー向けには、2023年半ばより受注を開始し、2024年シーズンから順次車両を供給すると予告している。

▲Z GT4の車両供給は2023年シーズンから開始する計画。まずは米国で開催される「SRO Pirelli GT4 アメリカシリーズ」と、日本の「スーパー耐久シリーズ」に参戦を予定するパイロットカスタマーチームに車両を供給する。車両価格は米国で22万9000ドル(約3320万円)に設定

▲Z GT4の車両供給は2023年シーズンから開始する計画。まずは米国で開催される「SRO Pirelli GT4 アメリカシリーズ」と、日本の「スーパー耐久シリーズ」に参戦を予定するパイロットカスタマーチームに車両を供給する。車両価格は米国で22万9000ドル(約3320万円)に設定

 

 日産およびNMCは、Z GT4以外にも多くのカスタムカーを2022 SEMAショーで披露する。日産リーフの電動パワートレインを往年のサニー・トラックに移植した「サニー・リーフ・プロジェクト」、ウッドパネル仕様のラップを配したビーチスタイルの「アリア・サーフワゴン・コンセプト」、TITAN V8エンジンやダンパーのトラベル量およびコイルスプリングの自由長を伸ばしたサスペンション、ワイドボディ、NISMOオフロードパーツなどを採用した「NISMOオフロード・フロンティアV8コンセプト」、日産車の愛好家でありインフルエンサーでもあるクリスティーナ・ロキ氏が参画して独特のカーラッピングを施した「フロンティア・ストリートトラック・プロジェクト」、新しいNISMOパーツおよび純正アクセサリーを備えた「NISMOアクセサリーZ」などを出展し、来場者の注目を集めた。

▲日産リーフの電動パワートレインを往年のサニー・トラックにスワップした「サニー・リーフ・プロジェクト」

▲日産リーフの電動パワートレインを往年のサニー・トラックにスワップした「サニー・リーフ・プロジェクト」

▲ウッドパネル仕様のラップを施したビーチスタイルの「アリア・サーフワゴン・コンセプト」

▲ウッドパネル仕様のラップを施したビーチスタイルの「アリア・サーフワゴン・コンセプト」

▲TITAN V8エンジンや専用のサスペンション、ワイドボディ、NISMOオフロードパーツなどを採用した「NISMOオフロード・フロンティアV8コンセプト」

▲TITAN V8エンジンや専用のサスペンション、ワイドボディ、NISMOオフロードパーツなどを採用した「NISMOオフロード・フロンティアV8コンセプト」

▲日産車の愛好家でありインフルエンサーでもあるクリスティーナ・ロキ氏が参画して独特のカーラッピングを纏わせた「フロンティア・ストリートトラック・プロジェクト」

▲日産車の愛好家でありインフルエンサーでもあるクリスティーナ・ロキ氏が参画して独特のカーラッピングを纏わせた「フロンティア・ストリートトラック・プロジェクト」

▲新しいNISMOパーツおよび純正アクセサリーを備えた「NISMOアクセサリーZ」

▲新しいNISMOパーツおよび純正アクセサリーを備えた「NISMOアクセサリーZ」

 

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