
Kiaは1944年の京城精工を起源とする韓国の自動車メーカー。4輪市場には1974年、マツダ・ファミリアのノックダウン生産で進出。現在は現代(ヒョンデ)グループの一員。日本では最新BEVバン「PV5シリーズ」の販売がスタートした
Kiaは韓国の自動車メーカー。日本に馴染みのある韓国自動車メーカーはヒョンデくらいなので、初めて名前を聞いたという方もいらっしゃるかもしれません。ちなみにKiaは現在はヒョンデ傘下、つまり同じグループの会社でもあります。
Kiaの起源は82年前、1944年の京城精工から始まります。その後、1962年に起亜産業となり、1990年に起亜自動車となりました。元々は自転車のタイヤ製作から始まり、創業の頃は日本へ密航して技術を習得したなんていうお話も聞けました。その後は自転車→3輪車と進化を続け、1974年マツダ・ファミリアのノックダウン生産車として、初のKiaブランドの4輪車「ブリサ」が誕生します。
このブリサは、1970~80年代韓国でシェア1位を獲得するほどの大ヒットとなり「タクシー運転手」という光州事件を描いた映画でも使われたんだとか。維持費が安かったために実際タクシーでも大活躍したそうです。
そして、1980年にマツダ・ボンゴの生産が始まります。翌1981年には、乗用車生産の規制が韓国政府からかかったこともあり、KIAはバンに分類されるボンゴに賭けたとのこと。首都圏でもレジャーニーズの高まりで大ヒットとなり、韓国ではボンゴがバンの代名詞となりました。このようにヒョンデ傘下となるまでは、マツダやフォードと資本レベルでの提携もあり、日本とは近しいメーカーという歴史があるんですよね。

PV5パッセンジャー。パッセンジャーはロングレンジ・プラス(769万円)/プラス・スタンダード(709万円)/ベーシック・スタンダード(679万円)を設定。航続距離はそれぞれ521/377/377km。室内は2列シート構成。4695×1895×1925mm
そんなKiaが、いよいよ日本上陸を果たしました。第一号としてやってきたのは「PV5パッセンジャー」と「PV5カーゴ」いうBEVバン。2025年に韓国と欧州で発売開始となったクルマですが、すでに欧州では韓国メーカーとしては初の「インターナショナル・バン・オブ・ザ・イヤー」を満場一致で受賞するなど、高評価を得ています。
日本の商用BEVのカテゴリーに向けて参入するのは、なかなか上手な戦略だと個人的には思いました。しかも30年先を見据えてきちんと日本市場で信頼関係を築きたいという気持ちで来てくれたのは嬉しいことです。日本では総合商社の双日が100%出資し「KIA PBV JAPAN」という会社を設立。ディーラー7か所(内1か所直営)、サービス50か所、コールセンター、ロードサービスを完備し「BEVバンならKIAだよね」を目指し、当面の目標販売台数は1000台。車種も今後PV7、PV9と拡大していく予定とのことなので、活躍を期待したいところですね。

PV5カーゴ。カーゴはロングレンジ(679万円)/スタンダード(619万円)の2グレード構成。航続距離はそれぞれ528/379km。1ナンバー登録のパネルバン仕様でリアゲートは観音開き式。最大積載量はロングレンジが550kg、スタンダードは650kg。荷室床面積は約4.4平方メートルを確保している。床面地上高は419mmと低い。キャビンと荷室には隔壁が設けられ乗車定員は2名となる。4695×1895×1925mm
さて、そんなPV5パッセンジャーにひと足早くテストコースで試乗させていただきました。いちばん驚いたのはボディ剛性の高さ。かなりの凸凹路を通過しても、ミシリともいいません。
次に驚いたのが、ウエストラインの低さ。開放感抜群です。ドアを開閉するときのノブも低い位置に配置されています。小柄な私にはちょうどよく、さらに目視でガードレールが余裕で見えるのは、市街地などでは絶大な安全性能だと思いました。ちなみにステップ高も399mmと低いので、子供でもラクに乗り降りできるのも美点です。
PV5は専用プラットフォームにさまざまなモジュールの組み合わせができ、バッテリー容量もチョイスすることができます。日本に導入されるいちばん大容量の71.2kWhバッテリーを搭載した場合の1充電走行可能距離は521km(カーゴは528km)。V2HやV2Lにも対応しているので、万全の実用性を持った1台として期待できそうです。今後の動向に目が離せませんね。
