【ホンダの底力2026】勝ち技01_ホンダのハイブリッド技術[e:HEV & S+シフト]は燃費と爽快な走りを両立した逸品。2027年に次世代型が登場する!

ホンダのハイブリッド、e:HEVシステムの強みは高効率(=良好な燃費)と爽快な走り。とくに走りはプレリュードから展開がスタートした「S+シフト」によりアクティブさを強調。一段と魅力的になった

ホンダのハイブリッド、e:HEVシステムの強みは高効率(=良好な燃費)と爽快な走り。とくに走りはプレリュードから展開がスタートした「S+シフト」によりアクティブさを強調。一段と魅力的になった

ハイブリッドを環境技術で終わらせないのがホンダ流

 ホンダは2026年にも北米で生産・販売する予定だった電気自動車(BEV)の新シリーズ、ホンダ0シリーズ3モデルの投入中止を2026年3月に発表した。翌4月のビジネスアップデート 2026で三部敏宏社長は、「2027年からは計画どおり次世代ハイブリッド車の投入を開始し、北米を中心に2029年度までにグローバルで15車種投入する計画」であると発言した。

 もともとホンダは、BEVが本格的に普及する2030年までは自分たちの強みであるハイブリッドが環境対応の主力になると見込んでおり、その技術を強化するために次世代型の開発を進めていた。BEVが本格的に普及する時期は後ろ倒しになるにせよ、環境対応の当面の主力技術がハイブリッドであることに変わりはなく、「計画どおり」次世代ハイブリッド車の投入を進めることになる。

プレリュードimage

e:HEVの強みは燃費と走りの爽快感にある!

 ホンダのハイブリッドシステムの強みとは何か。それは効率の高さ、すなわち圧倒的な燃費と、上質で爽快な走りである。ハイブリッドを単なる環境技術で終わらせないところがホンダらしさだ。次世代ハイブリッドではこの強みを強化しつつ低コスト化を図り、販売台数の拡大と収益性の向上を図る考えである。

 ホンダは独自の2モーター・ハイブリッドシステムをe:HEV(イー・エイチ・イー・ブイ)の技術名で展開している。2モーターとは走行用モーターと発電用モーターのこと。走行用と発電用の2つのモーターを持つのは、トヨタのハイブリッドシステムも、e-POWER(イー・パワー)の名称で展開する日産のハイブリッドシステムも同じだ。だが、e:HEVは仕組みが異なる。

 シリーズパラレル方式に分類されるトヨタのシステムは構造上、モーターとエンジンの機械的な結合を解くことはできず、ハイブリッド走行ではエンジンと走行用モーターの力を、ギアを介して混流させながら走ることになる。

 日産のe-POWERはホンダやトヨタと同じ2モーター式ながら、100%モーターで走るシリーズ方式だ。エンジンは発電専用でタイヤとは機械的につながっておらず、発電用モーターを回すのみ。エンジンで発電した電力で走行用モーターを駆動して走る。

EVドライブモード 発進から通常のタウンクルージングは走行用モーターの駆動力で走行する「EVドライブモード」が基本。エンジンを停止してガソリンを使わずに電気自動車のようなスムーズな走りを実現。もちろん静粛性も高水準

EVドライブモード 発進から通常のタウンクルージングは走行用モーターの駆動力で走行する「EVドライブモード」が基本。エンジンを停止してガソリンを使わずに電気自動車のようなスムーズな走りを実現。もちろん静粛性も高水準

ハイブリッドドライブモード 力強い加速が必要なシーンではエンジンを始動させて発電用モーターを駆動。その電力を走行用モーターに供給しながら走行する「ハイブリッドドライブモード」によりパワフルな加速が満喫できる

ハイブリッドドライブモード 力強い加速が必要なシーンではエンジンを始動させて発電用モーターを駆動。その電力を走行用モーターに供給しながら走行する「ハイブリッドドライブモード」によりパワフルな加速が満喫できる

エンジンドライブモード モーター効率が落ちる高速クルージング時はクラッチを直結しエンジンがタイヤを直接駆動する“エンジンドライブモード”に移行。アトキンソンサイクルの利点を最大限に生かし燃費の向上に貢献する

エンジンドライブモード モーター効率が落ちる高速クルージング時はクラッチを直結しエンジンがタイヤを直接駆動する“エンジンドライブモード”に移行。アトキンソンサイクルの利点を最大限に生かし燃費の向上に貢献する

 ホンダはe:HEVをシリーズパラレル切り替え方式と説明している。いわば、トヨタのようなシリーズパラレル方式と、日産e-POWERのようなシリーズ方式のいいとこ取りをした格好だ。主な走行モードは3種類。発進時や市街地走行などの低中速域では走行用モーターのみで走行。いわゆるEV走行だ。加速時にはハイブリッド走行になるが、この場合、エンジンは発電用モーターを回すのみ。日産e-POWERと同じでシリーズ方式となり、エンジンで発電した電力とバッテリーからの電力を合わせて走行用モーターを駆動する。高速道路などを一定速で走る状況など、モーターよりもエンジンで走行したほうが効率は高くなる条件では、クラッチをつないでエンジン出力軸とタイヤ駆動軸を直結にし、エンジン単独の力で走る。走行シーンに応じて最適解を追求したのがe:HEVといっていい。

快感「S+シフト」、感性にあったフィールにこだわるのがホンダ流

 EV(モーター)か、ハイブリッド(シリーズ)か、エンジン直結か。車速と負荷に応じて最も効率のいいモードを選択することで、圧倒的な燃費を実現するのがホンダのe:HEVだ。しかし効率を重視するあまり、アクセルを強く踏み込んでいないのにエンジン回転が急上昇するというような、人間の感覚とマッチしない制御に陥ることがある。ホンダはそうならないよう手を打っている。リニアシフトコントロールと呼ぶ制御がそれで、ハイブリッドモード時、実際は発電のためにエンジンを回しているのに、あたかもトランスミッションが変速しているようにエンジン回転を制御することで、ドライバーの感覚に合った走りを演出する。

シビック走り

 ドライバーとクルマの一体感が増し、高揚感のある走りがより感じられるよう進化させたのが、プレリュードから適用が始まり、先日シビックe:HEV RSにも採用されたホンダS+シフトだ。パドル操作に応じてエンジン回転を変動させるが、その際モーターを制御することでキレのある回転数変化(負荷を与えてエンジン回転を素早く下げる)を実現。ダウンシフト時は迫力あるブリッピングを再現する。

スイッチ

回転計

 ホンダS+シフトの高揚感を一段と高めるのがアクティブサウンドコントロール(ASC)と呼ぶオーディオスピーカーを使ったサウンドの演出と、モーター制御による前後Gの変化だ。ASCは音質にこだわり、低回転域では迫力感、中回転域では軽快感、高回転域では伸び感が感じられるようチューニングしている。前述したようにe:HEVのハイブリッドモードの場合、エンジンはタイヤ駆動軸に直結しておらず発電用モーターを回しているのみ。いってしまえば完全に演出なのだが、サウンドの演出とGの変化がもたらす効果は大きく、モーター駆動ならではの応答性の高さはそのままに、まるで刺激的なエンジン車を操っているような感覚をもたらしてくれる。これがe:HEVの魅力を引き上げる絶妙なスパイスになっている。

透視図

2027年から新世代e:HEVを積極投入

 ホンダが2027年から投入する次世代ハイブリッド車のエンジンは、急速燃焼を行うことで出力を高めると同時に高効率領域を広げる。モーターやギアなどを収めるフロントドライブユニットは小型化したうえで高効率化。バッテリーパックは小型高出力化を果たす。走りに関しては、各輪のブレーキとモーターを統合制御することにより減速時や旋回時の安定性とライントレース性を高めるモーションマネジメントシステムを進化させる。これに、ボディ変形でタイヤ接地力を向上させる新開発のプラットフォームを組み合わせ、一段と走りに磨きをかける。4WDは従来のメカシステムではなくリアにモーターを搭載する電動4WDとし、電動メリットを生かした高応答の走りを提供する。そしてS+シフトは定番化する。

プロト

 これらの技術を組み合わせることで、e:HEVの進化形を積む次世代ハイブリッド車は10%以上の燃費向上を目指すとともに、部品共通化などによるコスト低減を追求して30%以上のコスト低減を目指す。ホンダのハイブリッド車はもっと燃費がよくなり、もっと走りが楽しくなり、もっと手が届きやすくなる方向で進化していく。

プラットフォーム

システム

システム

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