2019年10月米国新車販売は前年同月比1.8%ダウンするもホンダとマツダが好調

米国市場は乗用車のシュリンクが止まらない

 米国新車セールスは、2カ月連続で前年実績を下回った。『オートモーティブニュース』誌が推定した2019年10月の米国新車販売台数は133万5068台。前年同月比は1.8%減と、2カ月連続で前年実績を下回った。全販売台数のうち、SUVなどのライトトラックは同5.8%増の99万5482台。乗用車は同19%減の33万9586台と、落ち込みが大きい。

20_Tacoma_TRD_Off-Road_Cement_1-600x400.jpg▲トヨタ・タコマ エンジンは2.7リッター直4(159ps)と3.5リッターV6(278ps)を設定 写真は2020年モデルのTRDオフロード仕様 ダブルキャビンで荷台がショートベッドの場合のボディサイズは全長×全幅×全高5392×1890×1793mm

 日本メーカーは、トヨタが18万8787台を販売。前年同月比は1.2%減と、2カ月連続で前年実績を下回った。カムリは同1.2%減の2万6602台と、2カ月連続のダウン。カローラは同1.6%増の2万2378台と、2カ月ぶりにアップした。RAV4は3万7499台で、同10.3%増と、2カ月ぶりの前年実績超え。中型SUVのハイランダーは、同8.2%減の1万8857台と、2カ月連続のマイナス。中型ピックアップトラックのタコマは、同3.9%減の1万9725台と、2カ月連続でダウン。

 ホンダは13万1443台を販売。前年同月比は7.6%増と、2カ月ぶりに前年実績を上回った。アコードは2万1689台で、同8.8%減と、2カ月連続のマイナス。CR-Vは3万3344台をセールス。同19.8%増と、2カ月ぶりにアップした。シビックは2万3577台を販売し、同5%増と、2カ月ぶりに前年実績をクリアした。ミニバンのオデッセイは、同6.3%減の7872台だった。

ホンダオデッセイ2020.jpg▲ホンダ・オデッセイ 日本で販売しているオデッセイとは異なるモデル 米国では発売25周年記念モデルを設定  アイドリングストップ機能付き10速ATを標準装備 オデッセイは通算270万台以上を米国で販売している

 日産は10万3563台をセールス。前年同月比は5.8%減と、2カ月連続でダウンした。主力ミドルセダンのアルティマ(日本名ティアナ)が、1万3531台を販売。同0.9%増と、3カ月連続で前年実績を上回った。セントラは同21.1%減の1万3889台と、4カ月連続のマイナス。ローグ(エクストレイルの米国仕様)は2万7082台。同2.4%減と、2カ月連続で前年実績を下回った。

2019-Nissan-Altima-Photo-07-source.jpg▲日産アルティマ 2リッターエンジン用のターボは可変圧縮型 V6エンジンに匹敵するスペックを発揮しつつ燃費性能は4気筒のメリットをキープ

 SUBARU(スバル)は5万5531台を販売。前年同月比は0.3%増と、2カ月ぶりに前年実績をクリアした。主力のアウトバック(日本名レガシィ・アウトバック)は1万1506台にとどまり、同0.6%減と、3カ月連続でダウン。SUVのクロストレック(日本名XV)は、1万2137台を売り上げ、同9.9%増と、11カ月ぶりにアップした。

XV_Crosstrek_high.jpg▲SUBARUクロストレック クロストレックはプラグインハイブリッド(PHEV)仕様をラインアップ PHEVは240Vを使うと2時間で満充電ができる

 マツダは1万9520台を販売。前年同月比は4.5%増と、2カ月ぶりに前年実績を上回った。最量販車はSUVのCX-5で1万970台。同18.3%増と、2カ月ぶりに前年実績をクリアした。CX-9は2094台。同13.3%増と、2カ月ぶりにアップした。セダンのマツダ6が、同41%減の1095台と、9カ月連続のマイナス。

 三菱は7372台を販売。前年同月比は7.9%減と、2カ月ぶりに前年実績を下回った。アウトランダー・スポーツ(日本名RVR)が2203台で、同15.5%減と、7カ月連続のマイナス。アウトランダーは1733台を販売。同19.5%減と、4カ月連続のマイナス。

 米国ビッグ3(『オートモーティブニュース』推定値)は、そろってマイナス。

 GMの販売台数は21万799台。前年同月比は12%減と、2カ月連続でダウン。

 フォードは18万8099台を販売。前年同月比は1.9%減と、3カ月連続で前年実績を下回った。

 FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)USは17万3426台を販売。前年同月比は2.8%減と、2カ月連続のマイナスとなった。

 欧州勢は、メルセデス・ベンツが3万2130台を販売。前年同月比は1.3%増と伸びた。牽引役はSUVで、GLCが同25.4%増の7083台、GLEは同30.3%増の4782台、GLSが同27.6%増の2733台だった。

 BMWは前年同月比7.5%増の2万8402台を販売した。SUVが主軸となっており、X5が同222.3%増の4444台、X4は同62.4%増の695台と、大きく伸びた。

 アウディは1万9172台を販売し、前年同月比は19.4%増と、2カ月ぶりのプラス。SUVは、Q3が同121%増の1943台と、大幅な伸び。最上級のQ8も、同6.5倍の1051台と好調。

 19年1~10月の米国新車販売は1406万5206台にとどまり、前年同期比1.6%のマイナス。アメリカ・ホンダのヘニオ・アルカンジェリ上級副社長は、「CR-Vなど、ホンダのクロスオーバー車とSUVが10月史上最高の販売記録に導いた」と語り、「今後もSUVが販売の中心になる」との見方を示している。

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