2019年7月米国新車販売は7カ月ぶりに前年同月比超え

SUVとトラック人気がいっそう鮮明に

トヨタ・ハイランダー.jpg▲トヨタ・ハイランダー 2.7リッター直4と3.5リッターV6をラインアップ 2.7リッターはFF専用で 3.5リッターはFFと4WDをラインアップ 全長約4890mm photo:TOYOTA

 米国新車セールスは、7カ月ぶりに前年実績をクリアした。SUVとピックアップトラックの販売が伸びて、セダンなどの乗用車系の落ち込みをカバーするかたちとなった。 『オートモーティブニュース』誌がまとめた7月の米国新車販売台数は139万2839台。前年同月比は1.5%増と、7カ月ぶりに前年実績を上回った。全販売台数のうち、乗用車は37万8101台にとどまり、同11.3%減と、ダウントレンド。一方、ライトトラック(SUVやピックアップトラック、ミニバン)は101万4738台で、同6.8%増だった。

 日本メーカーのビッグ3は、トヨタが20万9204台を販売。前年同月比は0.2%増と、2カ月ぶりに前年実績を上回った。ベストセラー乗用車のカムリは、同3.1%増の2万7134台と、3カ月連続のプラス。カローラは同14.5%増の3万635台と、2カ月連続でアップ。SUVは、RAV4が3万9645台を売り上げたが、同3.5%減と、4カ月ぶりのダウン。中型のハイランダーは、同5.5%増の2万2328台と、2カ月ぶりに前年実績をクリアした。

 ホンダは14万1296台を販売。前年同月比は1.9%増と、3カ月ぶりのプラス。主力車の中では、アコードが2万4144台で、同3.1%減と、4カ月連続のマイナス。CR-Vは3万3656台で、同2.5%増と、3カ月ぶりにアップした。

 日産は9万8880台をセールス。前年同月比は9.1%減と、2カ月連続のマイナス。主力ミドルセダンのアルティマ(日本名ティアナ)は1万1236台で、同29.8%減と、2カ月連続で前年実績を下回った。ローグ(エクストレイルの米国仕様)は2万5955台で、同2.2%減と、3カ月連続で前年実績割れ。

 米国ビッグ3は、GMの販売実績(『オートモーティブニュース』誌調べ)が20万9691台。前年同月比は18.8%増と、8カ月ぶりにアップ。シボレーはSUVのエキノックスが同42%増の2万7003台と、6カ月連続のプラス。フルサイズピックアップトラックのシルバラードは、同1.8%増の4万7110台と、6カ月ぶりに前年実績を上回った。

2019-Chevrolet-Silverado-LTZ-0288888.jpg▲シボレー・シルバラード 6.2リッターV8を搭載するLTZグレード(写真)の全長は約5885mm(ショートボディ、ロングボディは6127mm)  photo:GM

 フォードは16万6105台を販売(『オートモーティブニュース』誌調べ)。前年同月比は5.2%増と、6カ月ぶりに前年実績を上回った。主力SUVのエスケープは、同6%増の2万1861台と、5カ月ぶりのプラス。大型ピックアップトラックのFシリーズは、同2.8%増の7万2901台と、2カ月連続で前年実績をクリアした。

フォード・エスケープ.jpg▲フォード・エスケープは2020年モデルで新開発のハイブリッドシステム搭載仕様とプラグインハイブリッド仕様をラインアップ ガソリン仕様は2リッター(250ps)と1.5リッター(180ps)を設定  photo:FORD

 FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)USは15万1470台を販売(『オートモーティブニュース』誌調べ)。前年同月比は3.1%減と、3カ月ぶりのマイナスだった。大型ピックアップトラックのダッジ・ラムは、同19.7%増の4万8206台と、15カ月連続のプラス。クライスラーは、ミニバンのパシフィカが同22.3%減の6817台と、2カ月ぶりにダウンした。ジープは、グランドチェロキーが同1.7%増の1万8263台と伸びた。

 ビッグ3以外の日本メーカーは、SUBARU(スバル)が7月としては過去最高の6万4106台を販売。前年同月比は7.9%増と、92カ月連続のプラス。主力のアウトバック(日本名レガシィ・アウトバック)は1万8428台。同14.4%増と、5カ月連続でアップ。SUVのクロストレック(日本名XV)は1万2283台で、同3%減と、8カ月連続でダウン。新型3列シートSUVのアセントは、同59%増の7296台と好調。

 マツダは2万3292台を販売。前年同月比は3.5%減と、13カ月連続で前年実績を下回った。最量販車はSUVのCX-5で1万3391台。同9.7%増と、2カ月連続で前年実績をクリアした。乗用車は、セダンのマツダ6が同33%減の1483台と、6カ月連続のマイナス。

 三菱は8613台を販売。前年同月比は13.4%減と、2カ月ぶりに前年実績を下回った。SUVは、アウトランダー・スポーツ(日本名RVR)が2677台、同22.2%減と、4カ月連続のマイナス。新型SUVのエクリプスクロスは、同4.6%増の811台と好調。

 2019年1~7月の新車販売実績は981万643台にとどまり、前年同期比は1.5%減。米国ホンダのH・アーカンジェリ副社長は、「米国市場の逆風にもかかわらず、ホンダの戦略的アプローチが、ホンダとアキュラの両ブランドで成果を発揮している」と、米国市場への取り組みに手応え感じているようだ。

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