F1界の“帝王”と呼ばれた男の情熱と狂気を圧倒的熱量で描く映画「フェラーリ」7月5日全国公開

 キノフィルムズは、マイケル・マン監督の映画最新作「フェラーリ」が7月5日より日本において全国公開すると発表し、ティザービジュアルと特報映像を公開した。

映画「フェラーリ」

▲映画「フェラーリ」

 映画「フェラーリ」は、1957年、59歳だったフェラーリ創設者「エンツォ・フェラーリ」の波乱と激動の 1 年を描く作品だ。

 エンツォ・フェラーリは、元アルファロメオのレーサーとしても活躍し、カーデザイナー、そして自ら立ち上げたフェラーリ社をイタリア屈指の自動車メーカーへと成長させた稀代の経営者だ。だが、その私生活は謎に包まれ、1988年に亡くなってから現在まで多くの毀誉褒貶にさらされ続けている。

 1956年、息子のディーノを亡くし、社の共同経営者でもある妻ラウラとの夫婦生活は冷え切っていた。さらに、秘かに愛し合っていた女性リナとその息子ピエロとの二重生活は、思いがけずラウラの知るところに。二人の女性との愛憎と婚外子の認知問題に加え、業績不振により破産寸前のフェラーリ社は、競合他社からの買収の危機に瀕していた。

 私生活と会社経営で窮地に立たされたエンツォはしかし、起死回生を賭け、イタリア全土1000マイル縦断の公道レース「ミッレミリア」に挑む——。というのが、映画のあらすじだ。

スクーデリア・フェラーリは、1950年から始まったF1に参戦し、1951年には初優勝を飾った

▲スクーデリア・フェラーリは、1950年から始まったF1に参戦し、1951年には初優勝を飾った。同時期ル・マン24時間レース、ミッレミリア、タルガ・フローリオ、カレラ・パナメリカーナ・メヒコなどでも輝かしい成績を残している

 製作・監督は巨匠マイケル・マン。『ヒート』、『インサイダー』など数々の傑作のメガホンを取り、『フォード vs フェラーリ』では製作総指揮を務めたマン監督にとって、『フェラーリ』は構想30年に及ぶ執念の企画だ。

 主人公エンツォ・フェラーリを演じるのはアダム・ドライバー。イーストウッド、スピルバーグ、スコセッシ、ジャームッシュ、そしてリドリー・スコットら、錚々たる巨匠たちから引く手あまたの、いま最も信頼篤い演技派俳優だ。

 製作総指揮も担ったドライバーは、会社経営とレースには情熱と狂気をぎらつかせ、一方、愛する者たちには優しさと人間味を感じさせるエンツォという人物を陰影深く演じ、二人の女性、ペネロペ・クルス演じるラウラとシャイリーン・ウッドリー演じるリナとの複雑な男女関係の機微が、ドラマの大きな見どころとなっている。さらに「ミッレミリア」のレース・シーンを再現するにあたり、マン監督の下に精鋭スタッフが結集。

 疾走するレーサーの表情から雄大に広がる景観までをダイナミックな構図で捉えた撮影は、『Mank/マンク』でオスカー受賞のエリック・メッサーシュミット。膨大なリサーチを尽し、1957年当時の風俗、風景を今に甦らせた美術デザインは、『裏切りのサーカス』のマリア・ジャーコヴィク。そして、マン監督とは『ヒート』以来タッグを組んでいるミキサーのリー・オーロフ、アンディ・ネルソンらによる迫力と臨場感溢れる音響設計も絶大な効果を上げている。

ミッレミリアロゴ

▲ミッレミリアは1927年から1957年の間にイタリアで行われたレース。現在では同名のクラシックカーレースとして毎年開催されている

■映画「フェラーリ(原題:Ferrari)」概要
監督:マイケル・マン
脚本:トロイ・ケネディ・マーティン
原作:ブロック・イェイツ著「エンツォ・フェラーリ 跳ね馬の肖像」
出演:アダム・ドライバー、ペネロペ・クルス、シャイリーン・ウッドリー、パトリック・デンプシー
2023年|アメリカ|英語・イタリア語|カラー・モノクロ|スコープサイズ|132分|原題:FERRARI|字幕翻訳:松崎広幸|PG12
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ © 2023 MOTO PICTURES, LLC. STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
7月5日(金)TOHO シネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
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