【フェラーリ・フィナーリ・モンディアーリ】8億円の499Pモディフィカータ発表! フェラーリはサーキットが似合うと実感させた夢の1日

フェラーリ メイン世界中から200台以上のマシンが集結。フェラーリはモータースポーツが起源のブランドである!

 フィナーリ・モンディアーリをひとことで説明すれば「サーキットを走るフェラーリの祭典」である。
 もともと「世界一決定戦」を意味するフィナーリ・モンディアーリが初開催されたのは1993年のこと。この年、ワンメイクレースのフェラーリ・チャレンジがイタリアで創設され、その最終戦としてムジェロ・サーキットで開催されたのがフィナーリ・モンディアーリの始まりだった。

 やがてフェラーリ・チャレンジが北米、ヨーロッパ、イギリス、日本などでも開催されるようになると、各シリーズでの上位陣を集めた文字どおりの「世界一決定戦」として実施されることとなった。

集合チャレンジ その後もフィナーリ・モンディアーリは規模を拡大し続け、いまではF1クリエンティ、XXプログラム、コンペティツィオーネGTプログラムなども含まれ、一層華やかさを増した。最近は、走行イベントだけでなく、モータースポーツ関連の特別なニューモデルのお披露目があるのも、お約束。今年も「499Pモディフィカータ」という超ド級のモデルが発表された。

 499Pモディフィカータはル・マン24時間で総合優勝を果たした499Pの一般市販バージョン。もっとも、販売の際には499Pモディフィカータでレースに参戦しないことが条件となる。購入した499Pモディフィカータは、フェラーリが499Pモディフィカータのために開催する“スポルト・プロトティピ・クリエンテ”というサーキットイベントで走らせることになる。

 レース規定に縛られない499Pモディフィカータのエンジン出力は499Pの680psを大幅に上回る870ps。つまり、ホンモノのレーシングカーを上回るパフォーマンスを備えている。ただし価格は約8億円というから、おいそれと手を出せるシロモノではない。

499モディル・マン ちなみにF1クリエンティとは、ファンが購入した歴代のフェラーリF1マシンをサーキットで走らせるプログラムのことで、1970年代から2013年までに誕生したマシンがその対象となる。そう、フェラーリはレースで使い終わったF1マシンの一部をファンに販売しているのである!

 なぜ、F1クリエンティでは対象を2013年までに限定しているかというと、それ以降のF1は2種類のハイブリッドシステムを組み合わせたパワーユニットを搭載しているため、メカニズムが複雑すぎてファンが走らせるのには適さないからだという。

F1XX XXプログラムは、このプログラム専用に開発されたXXモデルのみが参加可能。ちなみにサーキット走行専用車両として製作されたXXモデルは、オーナーがドライブした際の走行データをフェラーリが収集し、これを次期型モデルの開発に生かすために誕生した限定モデルのことで、これまでにFXX-K、599XX、FXXの3車種(実際にはそれぞれEVOモデルがあるので計6車種)が製作された。

 コンペティツィオーネGTプログラムはロードカーベースのレーシングカーやサーキット走行専用モデルが参加できるカテゴリー。ちなみに今年はF1クリエンティに19台、XXプログラムに57台、コンペティツィオーネGTプログラムに39台がエントリー。これに加えて、全世界から100台ものフェラーリ・チャレンジカーが出場したので、総勢200台を優に超える一大ページェントとなった。

歴代01歴代02 さらにパドック内には歴代のF1マシンやGTレーサーを展示。まさにフェラーリのモータースポーツにおける歴史の長さと層の厚さを思い知らされるイベントが、このフィナーリ・モンディアーリだといえる。

 それでいながら入場料は基本的に無料。しかも、参加者と観客を分け隔てすることなく、「走る側もそれを応援する側も、同じフェラーリ・ファミリーの一員である」という印象を与えるイベントの演出も実に見事だ。こうした手法は「多くのファンに支えられてこそモータースポーツ活動が続けられる」というフェラーリの哲学に基づいているのだろう。

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