【最新モデル試乗】コンセプトはプレミアムツーリングミニバン、新型日産エルグランドは静かで疲れない!

日産エルグランドG e-4ORCE/価格 757万9000円 パワートレーンは第3世代のe-POWER。発電専用1.5リッターターボと前後2モーターで構成。走りは力強くWLTCモード燃費は16.8㎞/リッター。足回りは電子制御インテリジェント・ダイナミック・サスペンション標準

日産エルグランドG e-4ORCE/価格 757万9000円 パワートレーンは第3世代のe-POWER。発電専用1.5リッターターボと前後2モーターで構成。走りは力強くWLTCモード燃費は16.8㎞/リッター。足回りは電子制御インテリジェント・ダイナミック・サスペンション標準

走るほどに魅力を実感。魅力は豪華な室内とドライブフィール

 2025年秋に開催されたJMS(ジャパン・モビリティ・ショー)の日産ブースで話題となったエルグランドが2026年7月に発売された。ターンテーブルの上をゆっくり回っていたあのモデルである。会場に行った方の多くが足を止めた注目の1台だ。

 注目の要因は、「エルグランド復活!」に他ならない。1997年登場の初代と2002年発表の2代目はかなりの人気だった。それだけに今回のフルチェンジは話題大となる。今日アルファードやヴェルファイアが席巻するラージサイズのラグジュアリーミニバンだが、当初はエルグランドがこのクラスを開拓。まさに象徴的な存在だった。だが2010年に3代目に移行して以降、シェアがシュリンクしていたのはご存じのとおりである。

リア

 そこに、日産の最新技術を投入しエルグランドが蘇った。新型は第3世代となる最新e-POWER、電動駆動4輪制御システムのe-4ORCE、それとこのクルマからスタートするインテリジェント・ダイナミック・サスペンション(IDS)が採用される。つまり、開発陣は走りにこだわった。ミニバンであっても「ドライバーズカー」であることを意識している。日産はプレゼンテーションでそれを「プレミアムツーリングミニバン」という言葉で表現した。どんなシーンでも意のままに操れる運転の楽しさと、どのシートに座っても乗員が快適に過ごせる乗り心地がこだわりポイントである。

堂々とした風貌と力強い走り。ハンドリングも楽しい

 実車を目の前にした印象は、堂々としていて立派。まずは大きく感じた。というか実際に大きくなっている。全長4995㎜は従来比+30㎜、全幅1895㎜は+45㎜、全高1975㎜は+160㎜も拡大しているのだ。縦方向のボリュームが確実に増えている。デザインもそれを後押しする。ボディの厚みや反り立ったDピラーが視覚的に大きく見せているようだ。キャラクターラインの上で色変えするツートンカラーは、なおのことそう見える。

ドア開口

インパネ

 とはいえ、実際に乗り込むと乗降性はいい。サイドシルの幅があり、足を掛けるスペースが広い。そしてドライバーズシートに座るとヒップポイントが高く視界の広さに驚く。Aピラーは寝ていて死角は少ない。コックピットで目につくのはワイドなセンターコンソール。ケータイ2台を同時に充電できるから頼もしい。そこにひじを置くと大きなクルマに乗っているという実感がわく。

 インターフェイスは最新の日産車と共通テイスト。メーターパネルとセンターディスプレイが一体化したモニターに情報が映し出される。ただ、すべてをディスプレイで操作するわけではない。エアコンなどは物理スイッチが残っているから使い勝手はよさそうだ。

 パワーソースの印象は走り出しからいいフィーリング。アクセルに対しほしいパワーが瞬時に抽出され、大きなボディを簡単に動かす。スムーズなスタートはもちろん、中間加速も力強い。

高速道路

 プロパイロット2.0を試そうと高速道路を走ったが、加速は思いのほか高い速度域まで順調だった。その意味で試乗コースが新東名だったのは意図的だろう。制限速度120㎞/hまでしっかり加速する。ちなみに、プロパイロット2.0の精度の高さも体感できた。ハンズオフは慣れるまで緊張が続くが、ユーザーになればそれも変わるだろう。
 それより何より、このシステムは操作が簡単なのが美点。直感的にいろいろできるのが魅力だ。

 パワーソースの内訳は、発電専用となる1.5リッターターボ(140㎰/228Nm)と前後2基のモーター(前205㎰/330Nm & 後136㎰/195Nm)。第3世代e-POWERの特徴は、先代よりも熱効率が上がったこととトルクアップ。エルグランドの前後トルクは合計525Nmに達する。ちなみにWLTCモード燃費は16.8㎞/リッター。高効率化で燃費も大幅に上昇した。

シート01

シート02

シート03

 加速と同じくらい秀逸なのはハンドリングだ。これだけボリュームのある車重2.4㌧オーバーのボディをステアリング操作でイージーにコントロールできる。ワインディングでは挙動が安定していて安心して走りを楽しめた。また、狭い道で対向車とすれ違うときもこれなら神経を注がなくても大丈夫。かなり精緻に操れそうだ。

 ではミニバンに肝心な乗り心地はどうか。そこは新技術のインテリジェント・ダイナミック・サスペンションがよく働いてくれる。路面からの入力に対しダンパー減衰圧をバルブ調整で変化させることで、上下動を抑え込むのだ。ユニークなのは細かなピッチングはe-4ORCEが対応していること。車輪速センサーとVDCセンサーが路面入力を読んでカウンタートルクを発生させる。しかもその速度は100分の1秒と精密だ。前後のモーターでピッチングを抑制する考えはなんとも興味深い。

エンジン

タイヤ

 とはいえ、現実問題それらがすべての領域で効率的に作動しているわけではない。ドライブモードによっては得手不得手がある気がする。たとえばコンフォードモード。路面状況で何度かバタつくシーンがあった。リアサスが段差を乗り越えるときにダイレクトな振動と、バタンという音が発生する。きっとこのあたりはさらに進化が必要だろう。日本のカーメーカーはスポーツモードは得意だが、コンフォートモードはまだ発展途中と感じることが多々ある。

 以上がエルグランドとのファーストコンタクト。動力性能、デザイン、インテリアの装備にかなり力が入っているのがわかった。このマーケットのターゲットユーザーが望む仕上がりなので、販売は順調に伸びるだろう。夜の繁華街でその姿を頻繁に見る日は近い。

エンブレム

諸元

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