※本記事は雑誌『CAR and DRIVER』(2026年1月号)の巻頭コラム「from Editors - カー・アンド・ドライバー編集部の視点」より抜粋したものです
2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストカーが決定した。昨年と同様、国産車が6台、輸入車が4台。しかし純エンジン車がダイハツ・ムーヴ1台しかなく、その他9モデルは電動車(xEV)だった。いまは電動化時代への過渡期であり、とくに経済メディアや一般ユーザーからみて、いったいどれを選ぶのが正解なのかを知りたがる動きが続いている。
ただ、賢明な読者はご存じのとおり、結論は「どれもが正解」なのであって、自身の環境や用途によって使い分けられる自由があり、そして自ら責任をもって選ぶのがいまの時代なのだ。
日本カー・オブ・ザ・イヤーの実行委員という立場上、今回の賞レースがどうなるかの言及はしないことにしているが、毎年の話として、今年の1台を選ぶ、というお題は簡単そうに見えて難しいものだ。前回のコラムでも書いたとおり、小誌が推薦している2名の選考委員には、明確な選定基準を掲げてもらっている。
その基準は一人ひとり違ってよく、60名もの選考委員の多様性の中で、結果として選ばれるクルマがどうなるのか、それがわからないからこそ面白くもあるのだ。なので、どうか読者の皆様においても、ご自身なりにシミュレーションをしてみて、さまざまな情報ソースをもとに自由に予想していただいて、この界隈で一緒に盛り上がれたらうれしい。
さて、今月の特集テーマを「いまとこれからのクルマ界隈」とした背景について触れておこう。毎月の特集では、ブランドあるいはカテゴリーに絞っているのだが、ジャパンモビリティショー2025が開催されたこともあって、大きな節目として今後のクルマ業界を俯瞰してみよう、という話があがった。過去10年、そして今後10年を見据えると自動車業界の変化はめまぐるしく、現時点で見た“これからの景色”を一度整理しておこうという思いに至った。
いわゆるモーターショーでの花形はいまも昔もコンセプトカーであって、そこからあれこれ予想したりすることは、メーカーとユーザーの間のコミュニケーションツールにもなっている。だからこそ、気になるモデルは紹介したい。けれど、1台1台を解説するのは、他のさまざまなメディアで、とくにWebメディアがものすごいスピードで記事を出してくれるので、その集合体にするのは私たちの役割ではないのではないか、と。
そこで、普段からファクトベースで鋭い洞察もたらしてくれる自動車経済評論家・池田直渡氏と共に、ニッポンの自動車業界のこれからについて、じっくりと語り合う、というより“壁打ち”をさせていただくことにした。結果、とんでもない文字量になってしまったが、ここはぜひご一読いただいて、なんとなくの「いまとこれから」をつかんでいただけたらと思う。
記事をまとめて思ったのが、こういった幅広く重たいテーマは動画で語り合うのが最も合理的、と感じた一方で、こうしてあえて活字にして残す、という仕事は、全体を見通して捉える際には機能的に有効である、と再認識した次第。誌面を広げてその景色を眺める。それが雑誌のよさのひとつなのだから。
最後にもうひとつ、今号からグルメドライブ企画を連載することになった。その名も“ニッポンの優食”として、日本全国にある優れた食をドライブ旅をしながら巡ろう、というもの。クルマのある人生、モノだけでなく、コトを楽しむという幸せ。ぜひご参考にしていただき、ドライブをお楽しみあれ。
文/山本善隆(CAR and DRIVER / FM STATION 統括編集長)
<プロフィール>やまもとよしたか/1980年東京都生まれ。ITコンサルティング会社、自動車Webメディア企業、広告会社を経て、マーケティング会社にて企業の戦略立案・事業開発支援業務に従事後、2020年に独立。2021年より現職。クルマを運転する時間が一日の中で最も好き。1995年以降は大のF1ファン。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員
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https://www.caranddriver.co.jp/book/106182/
