欧州自動車工業会の「BEV普及率予測」を豊田章男社長はどう評価するか

欧州は2025年を境にBEV比率で中国に先行する見込み

※ACEAの発表データを基に編集部が制作

 ACEA(欧州自動車工業会)は「2022年1〜9月の中国におけるBEV販売が290万台に達した。これは前年同期比89.4%増に当たる」と発表した。ACEAはこの結果を「4月から5月にかけて中国国内ではロックダウンで経済が混乱したが、これを回復させるために政府がBEV販売を促進させるためのインセンティブを用意した効果」見ている。

 ACEAがこの発表に合わせて明らかにした2030年までの欧州、中国、米国のBEV普及予測グラフの解説が興味深い。

 グラフからわかるように、2030時点で欧州はBEVの新車販売比率が70%を超える見込みだ。現時点、2022年の新車販売比率においては中国のシェアのほうが欧州よりも大きい。ところが、2025年以降は欧州が中国を引き離していく。

トヨタの豊田章男社長はカーボンニュートラル(CN)の達成が重要だと主張。CNを実現するために多様な技術の選択肢を提供することの必要性をアピールする

 この動きに対してACEAは「2025年には欧州全体でのBEV新車販売比率は30%を超え、2030年には70%を超え、他の市場をBEV比率で再びリードする」とまとめている。BEVへの転換を通じてカーボンニュートラルの推進を図ることに重点を置くなら、「再びリードする」ことに力点を置いた説明にはならないはずだ。

 ACEAとしては、BEV比率で世界をリードすることの重要性を強く意識していることがにじんだレポートといっていい。

「目的はBEV化ではなく、カーボンニュートラルを実現すること」とつねづね主張する豊田章男トヨタ社長との立場の違いが見える。

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