2019年10月中国新車販売は16カ月連続ダウン。日系ではホンダが好調

中国市場回復のカギは何か、いつ回復するのか

▲2019年11月の広州モーターショーでDENZA X（デンツァX）というニューモデルが発表された　DENZAは深圳市に拠点を置く新エネルギー車（電気自動車やプラグインハイブリッド車など）の開発会社でダイムラーとBYDが合弁で設立　DENZA XはEVとPHEVが設定されるという

　中国の新車販売の落ち込みが止まらない。中国汽車工業協会の発表によると、2019年10月の新車販売台数は、商用車と輸出を含めて228万4000台。前年同月比は4％減と、16カ月連続で前年実績を下回った。

▲広汽ホンダが2019年9月に発表した新型ブリーズ（皓影）　CR-Vをベースにフロントマスクがオリジナルデザインになっている　 ボディサイズは全長×全幅×全高4634×1855×1689mm

　日系メーカーで首位に立ったホンダの販売台数は14万7716台。前年同月比は6.5％増と、8カ月連続のプラス。シビックが2万台以上を販売し、牽引役を果たした。ハイブリッド車も好調を持続。アコード・ハイブリッドやCR-Vハイブリッド、オデッセイ・ハイブリッドなど5車種が、合計で1万5373台を販売。19年1～10月は、前年同期比15.2％増の127万1286台を売り上げた。

▲トヨタ・カローラ・ハイブリッド　

　2位は日産。13万9064台を販売したが、前年同月比は2.1％減と、2カ月連続でダウン。コンパクトカーのティーダは同31％増の7645台。7月発売の新型シルフィは、同6.3％増の4万2568台と、良好な立ち上がり。新型アルティマは同３％増の1万130台を販売した。キャシュカイは同9.3％増の1万8406台。19年1～10月は、前年同期比0.6％減の123万47台を販売した。

　3位はトヨタで、13万1700台を販売。前年同月比は2.9％減と、2カ月ぶりに前年実績を下回った。主力セダンのカローラやレクサス・ブランドのモデルは好調だったが、カムリやSUVのハイランダーが後退した。19年1～10月は、前年同期比7.2％増の131万3000台を販売した。

　マツダは1万9882台にとどまり、前年同月比は9.1％減と、4カ月連続のマイナス。アクセラは8756台、アテンザが4046台、CX-5は2486台、CX-4が4480台を販売した。19年1～10月は、前年同期比21.9％減の18万1624台にとどまった。

　プレミアムブランドは、メルセデス・ベンツが10月の新記録となる5万7142台をセールス。前年同月比は13.8％増と、5カ月連続で前年実績を上回った。EクラスとCクラスのロングホイールベース車が販売の中心だ。19年1～10月は、過去最高の58万3032を販売。前年同期比は5.8％増をマークした。

　アウディは6万154台を販売。前年同月比は6％増と、2カ月ぶりに前年実績を上回った。現地生産SUV、Q5のロングホイールベース車が、同52.9％増と、支持を集めた。19年1～10月は、前年同期比2.1％増の55万1194台を販売した。

　BMW（MINIを含む）は6万1400台を販売し、前年同月比は8.8％増と好調だ。SUVのXモデルを中心に、販売を伸ばした。19年1～10月は、前年同期比13.8８％増の58万7417台を売り上げた。

　ボルボカーズは1万4039台を販売。前年同月比は26.7％増と、8カ月連続でアップした。現地生産のXC60とセダンのS90が販売の中心。19年1～10月は、12万3551台を売り上げ、前年同期比15.2％増だった。

　ジャガー・ランドローバーは前年同月比16.2％増（台数未公表）と、4カ月連続でアップした。新型レンジローバー・イヴォークを7月に発売した効果が大。

　19年１～10月の中国新車販売は2.65万2000台にとどまり、前年同期比は9.7％減と落ち込んだ。6年連続で年間販売2000万台を超えている点はすごいが、ダウントレンドは続いている。中国政府は新車のナンバー給付制限緩和を進めているが......。

　米国と中国の貿易戦争（関税を中心とした圧力のかけ合い）は終息に向かう気配がない。中国は「19年12月15日から、米国製自動車と自動車部品に最大25％の追加関税をかける」と表明している。

　ジャガー・ランドローバーの営業担当チーフ、フェリックス・ブラウティガム氏は、「自動車販売の環境は世界的に厳しい。そんな中、中国販売が4カ月連続で前年実績を超えた。中国の再建戦略とディーラーネットワークの協力が、プラス効果を生み出している」と述べ、今後も中国での取り組みを強化していく意向を表明している。