ピレリ、新しいオールシーズンタイヤ「SCORPION MS」発表。快適性、燃費、ウェット路面での安全性が向上し消費者の要望に対応

 ピレリは、プレミアム&プレステージ SUV用オールシーズンタイヤ、新「スコーピオン MS」を発表した。このタイヤはマセラティ・グレカーレ・フォルゴーレをはじめとした電気自動車に採用される。

タイヤの写真

▲Pirelli SCORPION MS

 「スコーピオン MS」は最新世代の SUV用として開発された高性能オールシーズンタイヤだ。「スコーピオンヴェルデ オールシーズン」 と「スコーピオンゼロ オールシーズン」の後継となるこのタイヤは、ピレリのエコ・セーフティ・デザイン哲学に基づき、最高水準の安全性と環境負荷の低減を両立させている。

その結果、ウェットコンディションでもドライコンディションでも優れたグリップを発揮し、従来モデルよりも転がり抵抗が低減。「スコーピオン MS」は、各国の需要に対応するため、特にアジア市場で要求される快適性に加え、アメリカ市場で好まれるロングライフを実現している。

SUV用ということで、軽いオフロード走行や雪道走行も想定して設計されている。

マセラティ・グレカーレ・フォルゴーレ装着イメージ

▲最初にラインナップされるホモロゲーションタイヤの 75%がマセラティ・グレカーレ・フォルゴーレをはじめとした電気自動車に採用

 「スコーピオン MS」には、自動車メーカーからの要望に応じてモデルごとにピレリの主要なスペシャリティ技術が搭載され、とりわけ、電気自動車やプラグイン・ハイブリッド車向けのElectテクノロジーが採用されている。

「スコーピオン MS」MS のOE(ライン装着)共同開発プロジェクトのうち、75%がElectテクノロジーを採用している。その一例が、イタリアの自動車メーカー初の完全電気自動車SUV、「マセラティ・グレカーレ・フォルゴーレ」で、ピレリは新たに2セットの「スコーピオン MS」を開発した。

納入されるタイヤサイズは、フロント/リアともに255/50 R19と、フロント 255/45 R20、リア 295/40 R20(いずれも Elect マーキング付き)。

 この新しいタイヤは、スコーピオンシリーズがいかに電動モビリティに適しているかを示すもので、スコーピオンの全シリーズの30%以上がElectマークを採用している。

サイドウォールロゴデザイン

▲サイドウォールロゴデザイン

 「スコーピオン MS」のさまざまなバージョンに搭載されているその他のテクノロジーには、パンク防止システムのシールインサイド、タイヤの空気圧がゼロでも走り続けられるランフラット、走行中のキャビンノイズを低減する PNCS(ピレリ・ノイズ・キャンセリング・システム)などがある。

将来的には、自動車メーカーの要望に応じて、新型「P Zero E」でデビューしたばかりの「ピレリ RunForward」も搭載される可能性があるとしている。

この新技術は、パンクしても走行を継続できるようにするもので、バッテリーがあるためにスペアホイールが付属しないことが多い電気自動車では、ますます重要な機能となっていく。

トレッドパターンデザイン

▲新しい M+S トレッドパターンデザイン

 新しい「スコーピオン MS」は、季節によってタイヤを交換する必要がなく、一年中使用できるように設計されている。この目標を達成するため、ピレリの研究開発部門はコンパウンドとトレッドパターンの設計に取り組んだ。パートナーの要求を満たすためにポリマーと特殊樹脂の新配合により、グリップ性能とウェット&ドライブレーキング性能を向上させ、サイプは雪上性能を最適化するよう設計されている。

「スコーピオン MS」のもうひとつのチェックポイントは、静粛性と快適性であり、「スコーピオンヴェルデ オールシーズン」 に比べて 25%騒音が低減された点だ。

これは、カスタマイズされたピッチ配列、特殊な間隔と傾斜のメイングルーブ、そしてシングルプライ・カーカスによるものが大きく、このカーカスは軽量かつ強靭で、路面からのあらゆる要求を吸収し、ドライビングをより快適なものにすると同時に、ステアリングの精度を向上させている。転がり抵抗は、コンパウンドとトレッドパターンの最適化により、低く抑えられており、加えて、タイヤが横方向や縦方向の力を受けても、接地面の変形は一定に保たれているため、タイヤの寿命を通して均一な摩耗を保つことに貢献している。

新型「スコーピオン MS」のアフターマーケットバージョンは、純正装着バージョンに続き、2024 年からAPAC地域に導入される予定だ。スコーピオンの他のタイヤは、主にヨーロッパ市場をターゲットとしている。

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