【CD取材ノート】フェラーリとフィアット。両極端の2台だが、どちらもイタリア車の魅力が凝縮していた! by 島下泰久

島下さんにとってフェラーリは「F1疑似体験マシン」。彼はサウンド、パワー、吹き上がり、どれも最高! その高揚感には陶酔的なまでの「命を燃え尽くすような快楽で満ちていると語る

島下さんにとってフェラーリは「F1疑似体験マシン」。彼はサウンド、パワー、吹き上がり、どれも最高! その高揚感には陶酔的なまでの「命を燃え尽くすような快楽で満ちていると語る

イタリア車は“人生の讃歌”となる存在。どれもが歓びと楽しさに満ちている

 過去に自分が味わったイタリア車体験の中で、もっともインパクトがあったのは何だろう? 思い浮かんだのは、フェラーリ458イタリアと、初代フィアット・プント。両極端とも言える2台だけれど、どちらもこれぞイタリア車だと思う。

 458イタリアについて改めて説明は要らないだろう。歴代V8ミッドシップのフェラーリは私にとっては「F1疑似体験マシン」。ステアリング上に置かれたスイッチでエンジンを始動させ、マネッティーノのモードを切り替え、パドルを引いて歌わせるのは珠玉の高回転型自然吸気ユニットである。そのサウンド、パワー、吹き上がり、どれも最高! その高揚感には陶酔的なまでの「命を燃え尽くすような快楽で満ちていた。

プント

 一方のプントは、言わばイタリアの市民のアシ。けれどエンジンは気持ちよく反応し、コーナーでは軽やかなステップを披露して、気分が弾みに弾んだのを覚えている。
 ベタな表現だけど、やたら旨いシンプルなペペロンチーノ。何の変哲もないように見えて、毎日食べたくなる、後をひく感覚は、日々の暮らしを祝福するかのように感じた。
 価格帯やポジショニングを問わず、まさしく人生への讃歌となるのがイタリア車。この2台の記憶を引っ張り出してみて、改めて感じている。

328

パンダ

 そして今、実は中古車情報を日々チェックしているのは、フェラーリ328GTSと初代フィアット・パンダだったりする。鮮烈な印象が離れ難いクセになるのもまたイタリア車なのだ。

【プロフィール】
島下泰久(しましたやすひさ)/1972年、神奈川県生まれ。自動車専門誌契約スタッフを経てフリーランスに。走行性能だけでなく環境・安全やブランド性など、クルマに関するあらゆる社会事象が守備範囲。講演活動も積極的に行う。AJAJ会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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