【CD取材ノート】ウアイラの助手席で一般道250km/hオーバー、その「恐怖体験」は凄かった! by 西川淳

2回目のパガーニ訪問で第二世代のウアイラに試乗。自分でもステアリングを握ったが、当時のテストドライバーの横での体験が強烈だったという。写真は3台のみ生産されたウアイラ・トリコローリ、価格は当時7億円

2回目のパガーニ訪問で第二世代のウアイラに試乗。自分でもステアリングを握ったが、当時のテストドライバーの横での体験が強烈だったという。写真は3台のみ生産されたウアイラ・トリコローリ、価格は当時7億円

パガーニの強烈パフォーマンスをテストドライバーの横で体験。それはまさに衝撃だった!

    筆者が初めてパガーニを訪れたのは2000年代始めのこと。ランボルギーニ社の出身で、サンタガータからクルマで15分ほどのところで面白いスーパーカーを作り始めた男がいると聞いて見物がてらに立ち寄った。その頃はまだ町工場の域を出ていたかったけれど、それから10年ほど経ってからの2度目の訪問では小規模とはいえ着実に発展のあとがうかがえるメーカーになっていた。ちょうど第二世代のウアイラを世に送り出したばかりの頃だ。

パガーニ02

パガーニ03

 ウアイラに乗ったのはその時が始めてだった。否、そのためだけに飛行機に飛び乗ってイタリアまで駆けつけた。パリ経由で朝ボローニャに降り立ち、午後まで取材してまた夕方の便でパリへ飛んで日本へ戻った。つまり日帰りだ。

 自らハンドルを握ったことよりも、当時のテストドライバーの隣での「恐怖体験」の方が鮮明な記憶だ。ゴリラのような男で毎日パガーニをドライブし、その距離は雄にミリオンマイラーという猛者だった。ニタっと笑って前を向いた途端、全開だ。後輪は激しく暴れる。がお構いなし。ゲームコントローラーのようにステアリングを回して体勢を整えつつ田んぼの中の一本道を全力で加速する。ふつうの二車線路で250km/hを超えていたし、立体交差ではジャンプもした。助手席であれほどのスリルを経験したことは後にも先にもない。
 そんなドライビングにも十分耐えるパガーニ・ウアイラというスーパーカーのポテンシャルの高さにも感心したものだった。

パガーニ04

ウトピア

【プロフィール】
西川淳(にしかわじゅん)/奈良県生まれ。クルマを歴史、文化面から技術面まで俯瞰して眺めることを理想とする自動車ライター。大学では精密機械工学部を専攻。輸入車やクラシックカーなど趣味の領域が得意ジャンル。AJAJ会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

 

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