グッドイヤー、ル・マン24時間レースに初のリアルタイム・タイヤ・インテリジェンス機能を導入

 グッドイヤーは、タイヤの空気圧と温度を記録する初のリアルタイム・インテリジェンス機能を搭載したレーシングタイヤが、2023年6月10~11日に開催されるル・マン24時間レースに特別枠で参戦する、NASCARガレージ56の「新型シボレー・カマロZL1」に装着されることを発表した。

レーシングタイヤのイメージ

▲特別枠で参戦のNASCARガレージ56「シボレー・カマロZL1」のタイヤに、 ワイヤレス内蔵センサーを搭載予定

 このレーシングタイヤには、製造工程において、グッドイヤーの革新的な電池不要のパッシブセンサーが埋め込まれている。このセンサーは、グッドイヤーのインテリジェントテクノロジーである「Goodyear Sightline」を搭載しており、レース展開に合わせてリアルタイムのタイヤデータをヘンドリック・モータースポーツ・チームに提供。チームのエンジニアとドライバーは、タイヤのインテリジェンスデータを活用してタイヤの空気圧と温度を把握し、マシンとドライバーそれぞれのセッティングをリアルタイムで調整することで、マシンの性能を最適化することができるようになる。

■グッドイヤー 最高経営責任者兼社長 リチャード・J・クレーマー氏 コメント
「タイヤはマシンと路面が唯一接する部分で、そこから得られるリアルタイムの情報は、最も過酷な条件下でもドライバーのパフォーマンスを最大限発揮させることができる可能性を秘めています。グッドイヤーは、モータースポーツ界において新たな扉を開くタイヤ・インテリジェンスを導入できることを、とても誇りに思います。また、NASCAR、ヘンドリック・モータースポーツ・チーム、シボレーと共同でこのガレージ56プロジェクトに参加できたことは光栄です。」

タイヤ内面に取り付けられたパッシブセンサー

▲タイヤ内面に取り付けられたパッシブセンサー

 グッドイヤーは、タイヤ・インテリジェンス機能のほかにも、NASCARガレージ56の「新型シボレー・カマロZL1」用に、3種類のタイヤ「レーシングタイヤ」「インターミディエイトウェットタイヤ」「フルウェットタイヤ」を提供する。これらは、ル・マン24時間レースで起こりうるあらゆる天候による路面コンディションに対応できるよう設計されている。

レーシングタイヤ(写真左奥)は、高い耐久性とグリップ力を発揮するドライコンディション用のスリックタイヤで、ル・マン24時間レースにフル参戦する競争力を持たせたタイヤだ。インターミディエイトウェットタイヤ(写真中央)は、霧や小雨などの路面コンディションでもマシンのポテンシャルを最大限に発揮させる浅溝タイヤになっている。。フルウェットタイヤ(写真右)は、大雨用のタイヤで、独自のトレッドデザインとタイヤ構造により、タイヤ表面の水を接地面から排出させる深溝タイヤだ。また、よりソフトなコンパウンドを採用することで、低温時にもグリップ力を維持する。

異なるトレッド面のレーシングタイヤ3本

▲ル・マン24時間レースのあらゆる路面コンディションに対応できる3種類のタイヤを提供

 ガレージ56「新型シボレー・カマロZL1」で使用する全てのタイヤは、米国オハイオ州アクロンにあるグッドイヤー最高峰の生産施設であるイノベーションセンターで、すべて手作りで作られている。

NASCARガレージ56「新型シボレー・カマロZL1」のドライバーとして、7度のNASCARカップ・シリーズチャンピオンに輝いたジミー・ジョンソン、ル・マン24時間レース優勝の実績があるマイク・ロッケンフェラー、そして2009年のF1ワールドチャンピオンであるジェンソン・バトンが指名された。ドライバーとエンジニアのチームは、究極の耐久レースに向け、12か月間におよぶ、8つのサーキットにおける合計10回のテスト走行を実施しグッドイヤータイヤを評価。その走行距離は7,500マイルを超えている。

NASCARガレージ56「新型シボレー・カマロZL1」

▲NASCARガレージ56「新型シボレー・カマロZL1」

ガレージ56プロジェクトは、NASCAR、ヘンドリック・モータースポーツ・チーム、シボレー、そしてグッドイヤーによるパートナーシップで構成されている。75年におよぶNASCARの歴史の中で、最も多くの勝利に輝いたチーム、マニュファクチャラー、タイヤの夢のチーム編成だ。マシンは、未来の革新的な技術を示すためのコンセプトカーのため、主催者による特別枠での参戦になります。また、グッドイヤーは、ル・マン24時間レースのガレージ56プロジェクトに加え、LMP2クラスの独占タイヤサプライヤーとしても参戦する。

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