【CD取材ノート】個人的に「レヴエルト」は「クンタッチ」登場のインパクトに達していないと思う。by西川淳

クンタッチメインクンタッチの衝撃は想像を超える。そのメカニズムが造形を規定した!

 今となっては約50年前、1971年当時の人々がどんなふうにクンタッチ(=カウンタック)の登場を見ていたのか、正確に知ることはできない。けれども我々の「想像」をはるかに超えてショッキングであったことは間違いない。正直に言って、今回のレヴエルトのデビューがその衝撃を越えるとは思えない。それはクンタッチ以降の全てのフラッグシップモデル、ディアブロ、ムルシエラゴ、そしてアヴェンタドールもそうだった。今後も偉大なる始祖「クンタッチ」を超えることはないかもしれない。それを承知でレヴエルトの衝撃度についてコメントするならば、クンタッチ以来ずっと採用し続けてきたユニークなパワートレーンレイアウトを「やめた」ことに驚愕した。

クンタッチ01

クンタッチV12

 クンタッチ(そして以降のフラッグシップ全て)の特徴的なシルエットやシザースドアなどが生まれた要因は、長大なV12エンジン+トランスミッションを通常(ル・マンのレーシングカーなど)とは180度逆にして縦置きしたことに由来する。だがレヴエルトは違う。キャビンにめり込んでいたミッションの代わりにリチウムイオンバッテリーを置き、ミッションはといえば小型軽量の新開発品を電気モーターと一緒にリアアクスルに横置きした。そう全く新しいパワートレーンレイアウトを採用したのだ。それは全て未来を見据えたハイブリッド化、プラグイン可能なスーパーカー実現のための設計である。とどのつまりレヴエルトの衝撃はオーバー1000psのPHEVであることに尽きるというわけだった。

レヴエルトフォトギャラリー

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