伝統を継承した新生ロータスの代表、エミーラはやはりスーパーハンドリングカーだった!

ロータス・エミーラV6 FIRST EDITION 価格/1452万円

ロータス・エミーラは高剛性接着アルミシャシーを採用。駆動方式は伝統のMR。パワートレーンには2種のピュアエンジンを設定する。1stエディションはお馴染みのトヨタ製3.5リッター・V6スーパーチャージャー(6MTと6AT)。その後AMG製2リッター4気筒ターボ(7DCT)が続く

ロータス・エミーラは高剛性接着アルミシャシーを採用。駆動方式は伝統のMR。パワートレーンには2種のピュアエンジンを設定する。1stエディションはお馴染みのトヨタ製3.5リッター・V6スーパーチャージャー(6MTと6AT)。その後AMG製2リッター4気筒ターボ(7DCT)が続く

日本初上陸の最新エミーラをサーキットで実力チェック

 エミーラが上陸した。スーパースポーツ然とし、低いノーズから跳ね上がったリアスポイラーまで、一筆書きのスッと抜ける線と面が美しい。空気の流れを意識させる造形は、空力を武器にF1界の王者に君臨したロータスのお家芸でもある。

 試乗車は、ロータスのイベントとしては世界最大級、富士スピードウエイで3年ぶりに開催された「ロータスDay2022」のために空輸されたモデル。富士では展示のみだったが、短時間ながらサーキットでステアリングを握った。

 本社のPRカーとしてラインオフしたV6の1stエディションは、ほぼ新車のためエンジン回転は6000rpm程度に抑えよと指示を受ける。事実6速MTミッションは部分的に硬かった。

 自然光の下で眺めるエミーラは日本に理想的なサイズ。ボディは全長×全幅×全高4413×1895×1226mm。実車は写真の印象とは違いシュッとしている。

 シート背後に搭載するV6・3.5リッタースーパーチャージャーは405ps/420Nm(6MT)のスペック。サウンドも含めてレーシングユニットのようなフィーリングだ。最高速は288km/h。0→100km/h加速はMTが4.3秒。ATは4.2秒。MTが劣るのはシフト操作のタイムラグが影響している。またATは最大トルクを430Nmに引き上げたこともプラス要因だ。

エミーラ リア

エミーラV6

シャープなハンドリングは、さすがロータス!

 試乗時の路面状況は残念ながらウエット。エミーラの車重は1405kg。決して軽量とはいえない。アルミバスタブシャシーにV6を積み、安全装備を充実したことが重量増の要因だ。しかし上屋のボディはロータス伝統のFRP。つまり、重量増加は主にシャシー側で、ボディは相変わらず軽量。上下の重量バランスに優れている。

 ステアリングを操作したその瞬間のノーズの反応は紛れもないロータスのそれ。操作と同時に鋭く立ち上がる。直進性は手を添えるだけで、自立して直進する。遊びや逃げの部分が正確に引き締まっているから、操作に対する動きが確実で早い。

 V6の響きとともに、動力性能はスーパースポーツと同等。ただし、アクセルレスポンスやブレーキの初期制動は、操作に対してオーバーシュート感があった。減速しながらのシフトダウン、要はヒール&トゥ操作で、エンジン回転が瞬時にハネ上がりすぎる。ブレーキも初期制動の立ち上がりがきつい。

 この性格は、走行モードが標準でもツーリングでも変わらない。そしてスポーツやトラックでは、エンジンレスポンスが一段とシャープになるので乗りにくい。どうにも解せない。このあたりは今後の市販モデルで要確認だ。

 ロータスは中国吉利汽車のグループに入り、それまでの年間1500台から一気に7000台メーカーになろうとしている。今後はBEVがメイン機種である。だが伝統のスポーツマインドは不変。エミーラの本格デリバリーに期待が高まる。

エミーラ走り

エミーラ室内

ロータス・エミーラ 主要諸元

エミーラ真正面

グレード=V6ファーストエディション
価格=6MT 1452万円
全長×全幅×全高=4413×1895×1226mm
ホイールベース=2575mm
トレッド=フロント:1608/リア:1626mm
車重=1405kg
エンジン=3456cc・V6 DOHC24Vスーパーチャージャー(プレミアム仕様)
最高出力=298kW(405ps)/6800rpm
最大トルク=420Nm(42.8kgm)/2700〜6700rpm
WLTCモード燃費=未公表(燃料タンク容量60リッター)
サスペンション=前後ダブルウイッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:245/35R20/リア:295/30R20+アルミ
駆動方式=MR
乗車定員=2名
0→100㎞/h加速=4.3秒
最高速度=288km/h
※価格を除き、諸元は欧州仕様

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