【注目モデル試乗】「アルファロメオ・トナーレ」がスタイルとハイブリッドシステムをリファイン。最新モデルはALFAらしさが濃厚になった!

アルファロメオ・トナーレ・イブリダ・ヴェローチェ/価格:7DCT 653万円。最新モデルは内外装と48Vマイルドハイブリッド・パワートレーンなどをリファイン。スポーティな性格を明確化した

アルファロメオ・トナーレ・イブリダ・ヴェローチェ/価格:7DCT 653万円。最新モデルは内外装と48Vマイルドハイブリッド・パワートレーンなどをリファイン。スポーティな性格を明確化した

デザインに惚れ、走りに気持ちが昂る

 アルファロメオが好調だ。2025年の販売台数はグローバルで前年比20%アップ、日本ではなんと43.8%もの伸びを記録した。フレッシュなコンパクトモデル、ジュニアの投入でブランドが活性化した結果である。メーカーは、この追い風をより確実なものとするため本腰を入れた。先日、ジュニアの兄貴分となるトナーレをマイナーチェンジ。さっそく日本にも上陸した。

 トナーレは2025年に一部改良を受けたばかり。それを矢継ぎ早にリファインするとは力が入っている。それだけいまのアルファロメオは活気があるということなのだろう。とはいえ、なんだか場当たり的な感じがするのがいかにもイタリアン、なのだけれど、クルマがいい仕上がりになってさえいれば文句はない。というわけでさっそくテストドライブに出掛けた。

リア

インパネ

 まずはマイナーチェンジのポイントを簡単に紹介しておこう。見どころは3つ。外装と内装、そしてシャシーだ。エクステリアの変化は現オーナーであれば一目瞭然。アルファの盾グリル(スクデット)とその周囲、さらにバンパーのデザインが大きく変わった。穴(冷却ダクト=アゾレ)が増えてロワーグリルが大きくなり、その表情はかなりいかつく目立っている。試乗車でもある上級版のヴェローチェに装着される20インチの3リングホイールの造形もマニア受けしそうだ。ちなみにリア回りはエンブレム以外、変わりなし。

 インテリアにはアルファらしい「色気」を増す工夫が施された。マテリアルやトリムの変更に加えて、赤シート&赤ステッチ仕様を追加した。レッドインテリアはシルバーやブラックのボディに組み合わせてみたい。

 そしてシャシー。前後のトレッドを左右それぞれ4mmずつ拡大している。バンパーデザインの変更により全長が10mm短くなっているから、全体的によりワイドなスタンスに。また今回からPHEVがカタログから落ち、日本仕様のパワートレーンは旧FCA系1.5リッターターボ+48Vマイルドハイブリッドに一本化した。基本は175psのシステム最高出力を含め変わらないが各種チューニングは最新スペック。エンジンとモーターの出力制御や7速DCTの変速を最適化することで走りをリファインしたという。0→100km/h加速は従来の8.8秒から8.5秒に短縮している。

グリル

タイヤ

 日本仕様のラインアップは、20インチタイヤ&デュアルステージバルブサスペンションを装備したヴェローチェ(653万円)と18インチタイヤを履くスプリント(599万円/受注生産車)の2グレード構成。なおハイブリッドの呼称は、今回からジュニアと同様に「イブリダ」(ibrida:イタリア語でハイブリッド)に変更された。

ワインディングでアルファらしさを実感。走るほど魅力が高まる

 実をいうとデビュー当初、筆者のトナーレ評は芳しくなかった。いち早く本国で試したイタリア車好きのメディア関係者が絶賛していたわりに、日本へやってきたトナーレにはアルファロメオらしい覇気を感じなかったからだ。ちょうどコンパクトサイズのSUVをわが家用に探していた時期で愛車候補だっただけに、落胆した記憶がある。その後「PHEV仕様が実はよかったんだよ」、と打ち明けられて待ってはみたものの、パフォーマンスは高かったが、アルファらしさはさらに薄まっていた。

 そんなわけで、今回のトナーレ試乗は雪辱戦!? 大いに期待してステアリングを握った。街中でのドライブフィールに大きな変化はなかった。20インチのタイヤ&ホイールは、格好はいいけれど、いささかオーバーサイズ。大きな輪っかを転がしているという印象が拭えない。加速は確かに伸びやかになり、リファインされていた。だが絶対的なパフォーマンスは驚くほどではない。旧FCA系のエンジンとはいえドキドキまではしない。モーターとのマッチング制御も微低速域では心もとなかった。

走り01

 評価が一転したのはワインディングロード。ドライバーが積極的に運転を楽しめる領域に入ってからだ。ダイナミックモードをセレクトして走り出せば、アルファの世界が堪能できる。元来クイックな仕立てのステアリングフィールには、よりリニアリティある鋭さが加わった。ワイドトレッド化が効いているのだろう。従来の唐突さが消え、あくまでもドライバーの思いのとおりに、しかもレスポンスよくリズミカルにノーズが向きを変えていく。

 パワートレーンの盛り上がりはやはり少し色気に欠ける。力もそこそこで、せっかくの大きなパドルシフターも宝の持ち腐れ。とはいえ、積極的な変速でそれなりに速さを演出することもできた。否、むしろ目を三角にして走らせるのではなく、カントリーロードを少し速めのペースで流すくらいが最もハンドリングを楽しむことができる。トナーレに本来の走りでアルファらしさを感じることができたのは大きな収穫だった。

シート01

シート02

 そして、ひとたび好印象を持つとすべてがプラスに変換されていく。イタリア車好きの筆者の脳みそはそこまで複雑ではないということだろうが、内外装の改良もうれしいグレードアップに思えてくる。何より、トナーレの4520×1835×1600mmのサイズは日本のマーケットに向いている。もっと人気が出てもいいクルマだ。マイナーチェンジした新型はそのキッカケに十分なり得る。

 改めてワイドトレッドの18インチ仕様も試してみたいと思った。受注生産のスプリントは、もう少しシンプルなイタリアン風味を味わうことができそうである。

エンブレム

諸元

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