【注目モデル試乗】ホンダを代表するワールドSUV「CR-V」が6代目に移行。新型は「感動」を与える高い完成度が印象的だ

ホンダCR-V。6代目の日本仕様はスポーティなRSとRSブラックエディションを設定。駆動方式はRSがFFと4WD、ブラックエディションは4WDのみ。価格は512万2700〜577万9400円。新型はすべてにわたる高い完成度が印象的

ホンダCR-V。6代目の日本仕様はスポーティなRSとRSブラックエディションを設定。駆動方式はRSがFFと4WD、ブラックエディションは4WDのみ。価格は512万2700〜577万9400円。新型はすべてにわたる高い完成度が印象的

ホンダの考えるパッセンジャーカーの理想像がここにある

 6代目となる最新のCR-Vが街を走り始めた。1995年に登場した初代や2代目の頃には少々野暮ったい印象があったが、2006年デビューの3代目から雰囲気が変わり、都会的な洗練がプラスされた。ホンダの屋台骨を支える存在として「Comfortable Runabout Vehicle」という基本を継承しながら、サイズとスタイリッシュさを増していった。いまやグローバルでの累計販売台数は1500万台を超え、押しも押されもしないホンダを代表するワールドSUVである。

サイドビュー

 新型は、すでに海外ではお馴染みのモデル。日本のファンからの強い要望もあり、いよいよ日本販売がスタートした。日本仕様は、スポーティなRSグレード。RSと上級のRS BLACK EDITIONの2タイプから選べる。パワーユニットは2リッターエンジン+モーターの最新e:HEV。駆動方式はRSがFFと4WD、BLACK EDITIONは4WDのみとなる。

 新型について開発責任者の佐藤英資氏は「相反する性能や価値を洗い出し、それらを高い次元で両立させること、すなわち「ギャップの両立」に注力した」と説明する。今回のCR-Vは、「スポーティな外観なのに、予想を超える室内の広さ」や、「トルク感あふれる走りなのに高い静粛性」など、通常は両立が難しい要素をバランスさせた自信作という。「新型の商品力は非常に高い」と笑顔で太鼓判を押してくれた。

 開発コンセプトは、「究極のオールラウンダー」。「SUVだから」という言い訳やあきらめをいっさい排除し、パッセンジャーカーの快適性、MPVのユーティリティ、クロカン並みの走破性、そしてスポーツカーのような走りと、幅広いシーンで感動をもたらすクルマ(=究極のオールラウンダー)を目指したという。キャッチコピーは、「感動CR-V」だ。

リア

インパネ

 エクステリアはすっきりスポーティ。歴代CR-Vの伸びやかなスタイルを受け継ぎ、より力強いシルエットに進化した。水平基調のシンプルな造形の中に、力強さと洗練・上質・大人らしさを巧みに表現しており、素直にカッコいいと感じる。

 ディメンションは4700×1865×1690mm。ライバルのトヨタRAV4(4620×1880×1680mm)と同等。従来型に対してホイールベースが40mm、前後トレッドは10mmずつ拡大している。運転席では、ステアリングの角度が28度から25度に変更され、乗用車ライクな操作感となった。

 車内は広々としている。後席はやや座面が高めに設定されており、閉塞感もない。荷室は「何も考えずに使える」と伝えられたとおり、確かに広くて使いやすそうだ。装備は充実しており、シートは本革仕様。4WDモデルには前席/後席シートヒーターが装備され、BLACK EDITIONには前席ベンチレーションや電動パノラミックサンルーフが標準になる。インフォテイメント系では、Googleを搭載した9インチHonda CONNECTディスプレーをビルトイン。さまざまな機能を便利に使うことができるのがうれしい。

力強く静粛で快適。まさに理想のオールラウンダー

 パワートレーンは最新仕様。第4世代e:HEVのリファイン版を搭載した。2リッター直噴アトキンソンサイクルDOHCエンジンと高出力モーターを平行軸に配置した2モーター内蔵電気式CVTを組み合わせ、高速走行用の「ハイレシオ」に加えて、CR-V専用に「ローレシオ」を組み合わせた2段のエンジン直結ギアを持つ点が新しい。

 ロー側は3速相当、ハイ側は5速相当とのことで、市街地での緩加速や登坂など負荷が高まる状況では、ロー側のギアでエンジンを直結させ力強い走りをサポートする。これにより効率が高まり、燃費の向上にも貢献するとのこと。海外で重視されるトーイング(牽引)能力を視野に入れた技術展開だそうだ。

レッド

in CAR

 足回りには周波数応答ダンパーを採用。微小入力から大きなストロークまで最適な減衰力を発揮することで、フラットで上質な乗り味を実現している。

 その効果は走ってみてよくわかった。乗り心地は良好である。駆動方式を問わず後席を含めしっとりとした印象だ。突き上げや跳ねは気にならず、横方向に揺すられる感覚も小さい。視線のブレも小さく、運転しやすいのはもちろん、どの席に座っても高い安心感が感じられた。

 CR-Vは4WD機構も進化した。電子制御の緻密化により、雪上だけでなく、オンロードにおいても走行性能が向上している。コーナリング時の前後輪の駆動力配分を、従来の前後60対40から最大で前後50対50まで後輪側への配分を引き上げることで、旋回時の安定感とライントレース性のリファインを図った。軽快な2WDもいいが、4WDは走りに重厚感があり、より上質なドライブフィールが味わえる。

 安全装備も最先端。BLACK EDITIONには、多数の新機能を備えたHonda SENSING 360が標準装備される。中でもレーンチェンジを支援する機能は、周囲の安全確認をクルマに任せることができ、安心度が高まるのがうれしい。

シート01

シート02

 各社がSUVの開発に力を入れ、競争が激化する中にあっても、新型CR-Vは確かに相反する要素を巧みに両立させていて、見事なオールラウンダーに仕上がっていた。すべての面で満足度が高い。新型CR-Vは「最新ホンダ」が体感できる実力車である。

エンブレム

諸元

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