
プジョー208GTハイブリッド/価格:6DCT 434万円。新登場のハイブリッドはステランティス・グループ各車が搭載する最新48V・MHEV機構を採用したスポーティモデル。パワートレーンは1.2リッター直3ターボとモーターの組み合わせ。俊敏な加速と、積極的に電動走行するのが印象的。ハンドリングは素直
プジョーやシトロエン、アルファロメオなど多彩なブランドを展開するステランティス・グループは、現在、高効率1.2リッター直3ターボエンジンと6速DCTに内蔵した電動モーターを組み合わせた、48Vマイルドハイブリッドシステムの採用を積極的に進めている。そのラインアップに、プジョー208が加わった。正式名称は208GTハイブリッドである。
現行208は、2020年に日本に上陸。2024年にマイナーチェンジを実施しフレッシュな印象を鮮明にした。最新ハイブリッドは、このマイナーチェンジ版の心臓を一新したモデルだ。
エクステリアは、新世代ブランドロゴを採用。フロントフェイスをリファインするとともに前後に3本線のライトをレイアウト。ブランドアイデンティティを一段と強調する変更がなされた。アロイホイールのデザインも新しい。インテリアを見ると、10インチの大型タッチスクリーンの採用や、パークアシストカメラの解像度を引き上げるなど、随所にアップデートが施されている。
ボディは4115×1745×1465mmとコンパクト。SUVが主力となり、サイズが軒並み大型化している中で、このコンパクトさは光る。いまという時代に、あえて背の低いハッチバックを選ぶのは、クルマ好きを周囲にアピールする手段ではないだろうか。
208GTハイブリッドのパワーユニットは、前述のように最新世代の1.2リッター直3ガソリンターボと電動モーターを内蔵した6速DCTを組み合わせた48Vマイルドハイブリッド。このエンジンは可変バルブタイミングによるミラーサイクル化と可変タービンジオメトリーが採用されているのが特徴。また、エンジンにはBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)が組み合わされる。
システム出力は、兄貴分の3008よりもやや抑えた110ps。駆動用モーターは最高出力が20psで最大トルクが51Nm、1.2リッターエンジンのスペックは同100psと205Nmとなっている。おそらく車重が1230㎏と3008(同1620㎏)より大幅に軽量なので、燃費を優先したのだろう、実際にもWLTCモードで22.4km/リッターという優れた燃費性能を実現している。
室内に乗り込む。スポーティな味わいが心地いい。小径ステアリングとハイマウントメーターを組み合わせたプジョーならではのi-Cockpitは、やはり新鮮。慣れるまでに少し時間が必要だが、機能的であることは確かだ。
走りは俊敏で、自然な感覚で乗りやすい。アクセルの踏み始めにモーターが適宜アシストしてくれるので、イメージした車速まですぐに到達するのが魅力。格別に速いという印象はないが、まさに意のままに走れる。コンパクトで軽量な車体も効いて、キビキビとした小気味よい走りが楽しめる。
足回りは、適度に引き締まった印象。しかもさすがはプジョーである。適度な固さの中にしっとりとしなやかに路面を捉える感覚があり、巡行時のフラット感も高い。コーナリング時に踏ん張りながらも路面からの入力を巧みにいなしてくれる。一時期よりもかつてのプジョーらしさ(=猫足)がもどってきたような印象を受けた。
エンジンの音や振動もよく抑えられていた。モーター制御も実に巧み。エンジンの停止~再始動のショックなどは、ほとんど気にならない。マイルドHVながら「電動感」が高いのも大きな魅力。走行状況によって約30km/hまでEV走行が可能と説明されたが、実際にはモーターだけでもっと走る。状況によっては50km/hくらいまでねばる。感覚としては発進~停止を繰り返し回生する機会の増える市街地や首都高速の渋滞では、ほぼ半分はEV走行してくれるように感じられた。
ディスプレイを見ると、いかに緻密に制御しているかがよくわかる。パワートレーンの完成度は抜群。しかも市街地でEV走行する頻度に驚かされただけでなく、高速巡行時も負荷が小さい状況ではコースティングまでする。もちろん、プジョーらしくスポーティな演出も十分だ。スポーツモードをセレクトするとアクセルレスポンスが鋭くなるとともに、おそらくスピーカーが主体だろうが、3気筒エンジンを感じさせない、ちょっと勇ましいサウンドまで聞かせてくれる。
プジョーは、日本においてフレンチ・ブランドの代表格である。カジュアルからラグジュアリーまで、幅広い車種をラインアップし、独自の個性でユーザーを魅了している。その中で208は、かつて一世を風靡したホットハッチの205GTIの系譜を引き継ぐフレッシュモデル。完成度の高いマイルドハイブリッドを得て、走りと先進性に磨きがかかっている。乗るほどに痛快さを感じる味わい深い1台だ。もちろん長距離も快適にこなすオールラウンダーというフランス車の良き伝統も継承している。
