※本記事は雑誌『CAR and DRIVER』(2025年11月号)の巻頭コラム「from Editors - カー・アンド・ドライバー編集部の視点」より抜粋したものです
1990年ごろ、同級生の友人宅にカッコいい本格ヨンクがあった。記憶を頼りに調べてみると、あれはきっと初代のランドクルーザー・プラドだった。セダンが主流だった当時、よくわからないながらも「普通のクルマとは違うな」というのは子供ゴコロに感じていたのを朧気に記憶している。
10代のころ、無性にジムニーに惹かれている時期があった。スポーツカーはもちろん好きだったが、お金もないから買うことはもとより、維持もできない。ただ、マニュアルであればいい、とそんな思いの中で、目をつけたのがジムニーだった。軽自動車で、キャビンが広く使えるし、何より4WDという響きがよかった。別に山や林道を走りたいわけではないけれど、街中でみるたたずまいになぜか惹かれていた。結局、その当時はクルマ購入すら叶わなかったが、あの頃から本格ヨンクはカッコよくみえていた。
今月の特集テーマは「本格ヨンクがカッコいい!」だ。もはや四半世紀続くSUVブームは衰えしらず。ちょうど1年前、メルセデスベンツGクラス(通称・ゲレンデ)を軸として、本物の魅力と選ばれ続けてきた理由とはどんなものかをあらためて知ろうという企画「羨望のSUV」を作った。特集のナビゲーターを務める、自他ともに認めるヨンク好きジャーナリストの九島辰也氏と弊誌とのコラボレーションも、気づけば1年以上続いていることになる。その時に氏との出会いのエピソードを記したが、「馬が合う」感覚は現在も続いている。
さて、ここしばらく、「あらためて知る」を共通テーマとした特集企画を作ってきたのだが、他の視点も取り入れていこうと考えたのが今回だ。ちなみに、前号から本の表紙の左肩に「『クルマのある人生』を楽しむライフスタイル・マガジン」と掲げている。このこと自体は私が着任してから一貫してコンセプトとして持ってきたものだが、コンテンツづくりとしても、クルマありきだけでなく、ドライバー視点、今回でいえば「カッコいい」から入る発想でテーマを設定した。
現在販売されている国産車の中で本格ヨンクの頂点といえば、ランドクルーザーとジムニーであるとしつつ、それ以外にも「カッコいい!」と思える本格ヨンクを取り上げている。しかも、そこにインスパイアされたカスタムコンプリートカーにまでその守備範囲を広げ、「カッコいい」だけではない「オシャレ」なクルマ。そう、「見た目で選ぶ」も大いにアリである、と考えた幅広スコープとなった。
他にもSUVタイヤのラインアップにも注目した。機能部品としての性能を打ち出すのは当然のことながら、ユーザーのアンメットニーズを捉え、サイズ設定、そしてデザインの工夫など、消耗品であることもあって、実に地道な戦いが繰り広げられている。いやはや、本当にヨンク界隈は実に奥が深いと感じる。
個人的にも、普段乗っているBMW420dグランクーペも駆動方式はxDrive(4WD)ではあるのだが、ただ4輪が駆動することは共通なだけで、いわゆる本格ヨンクとはまったく異なる。ともすれば、もはや日課ともいっていい中古車サイトの妄想検索に勤しむネタとなるのは必然。気づけば数件問い合わせをした結果、またもや新たな出会いが生まれてしまった。といっても、ここでは本格ヨンクの要素を持ち合わせたクルマ、とだけ記しておこう。
これから、九島氏のアドバイスもうけながら、カスタムしていきたいと思っているので、それはまた別の機会で。
文/山本善隆(CAR and DRIVER / FM STATION 統括編集長)
<プロフィール>やまもとよしたか/1980年東京都生まれ。ITコンサルティング会社、自動車Webメディア企業、広告会社を経て、マーケティング会社にて企業の戦略立案・事業開発支援業務に従事後、2020年に独立。2021年より現職。クルマを運転する時間が一日の中で最も好き。1995年以降は大のF1ファン。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員
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https://www.caranddriver.co.jp/book/102251/
