「MAZDA MX-30 Self-empowerment Driving Vehicle」が 第57回機械振興賞「経済産業大臣賞」を受賞

 マツダの手動運転装置付き「MAZDA MX-30 Self-empowerment Driving Vehicle(セルフ エンパワーメント ドライビング ビークル)」(以下、MX-30 SeDV)が、第57回機械振興賞の「経済産業大臣賞」を受賞した。

MAZDA MX-30の外観写真

▲MAZDA MX-30 Self-empowerment Driving Vehicle(SeDV)

 新発想の福祉車両「MX-30 SeDV」は、MX-30をベースに、既存のペダル操作運転に加えて手動運転装置を組み込み、足の不自由なドライバーが手動運転したり、ペダル操作が可能な人と運転を交代したりしながらのドライブが楽しめるように、創意工夫を凝らした手動運転装置付車だ。

 「機械振興賞」は、一般財団法人機械振興協会が主催する機械工業にかかわる優秀な研究開発およびその成果の実用化によって、機械工業技術の進歩・発展に著しく寄与したと認められる業績に対して授与される。その中で「経済産業大臣賞」は最高位の賞となる。表彰式は2023年2月21日(火)に行われる予定だ。

MAZDA MX-30 SeDVのインテリア

▲ステアリング内側部の押し込むと加速するアクセルリングや、センターコンソール側に配置されたレバーブレーキなど専用装備を採用したインテリア

 MX-30 SeDVのコンセプトは「わたしらしく生きる。誰もが好きな時に好きなところへ。自分の意志で行動する、移動する、イキイキと人生を楽しむ」。2022年1月の発売に合わせて、専用のオンライン商談窓口※1を設置。専門知識を備えたスタッフが、カスタマーごとの状態に合わせた装備を提案し、カスタマーの購入検討をサポートする。

足の不自由な人が運転する場合、ハンドル操作の他にアクセルとブレーキ操作を手で行う必要がある。これまでの自操車※2では、常に両手を用いることを強いられ、長時間の運転に課題があった。また、追加装着となる運転や乗降の補助装置が運転席の空間を狭め、補助装置の不要な方が運転する際の妨げになることもあった。

MX-30のフリースタイルドアを活かした、広いドア開口部による優れた乗降性と車イスなどを搭載できる積載性を誇る

 MX-30 SeDVの開発では、ベース車の開発と連携して補助装置の設計を進め、生産体制を工夫することにより、運転席の空間を確保しながら乗降性を高め、価格も抑えることが可能となった。装備価格は52万8000円(取付費込み、消費税非課税)で、新車での注文のみで受付を行っている。MX-30の電気自動車とガソリンエンジン車の全グレードで選択できる。

また、ステアリング部に押し込むと加速するリング式アクセルを採用することによりアクセルの操作性を高めて、速度維持が容易になり、コーナリング時でも安定した速度で運転できる。さらに、手動/通常運転機能を電子制御で切り替えを容易にして、足の不自由な人が友人や家族と共に1台の車で一緒にドライブを楽しめるようにしたことが高く評価された。

■受賞対象「みんなが走る歓びを共有できる新コンセプト自操車の開発」
開発担当者: 栃岡 孝宏 マツダ株式会社
井上 政雄 マツダ株式会社
田内 一志 マツダ株式会社
前堂 勝久 株式会社マツダE&T
山本 友也 株式会社マツダE&T
佐々木 剛史 株式会社マツダE&T
殿原 恭幸 株式会社マツダE&T

※1:「MAZDA MX-30」に搭載する、各装備(アクセルリング、レバーブレーキ、ブレーキサポートボード、移乗ボード)は、ワンパッケージで装備・販売するものであり、装備ごとの販売はできません。お客さまのご要望に合わせて、個別にオプション装備のご案内をさせていただきます。個別装備については、別途、費用がかかります。詳細については、販売店または、オンライン商談の中でお問合せください。
※2:体の不自由な方が自ら運転されるために、運転補助装置を取り付けた車両。

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