ダンロップのスタッドレスタイヤ、WINTER MAXX(ウインターマックス)シリーズに、氷上性能を最優先に開発した新モデル、ICE Pro(アイスプロ)が登場した。2026年8月から順次発売され、サイズは13〜22インチの全99サイズ。従来品「WINTER MAXX 03」に対し、氷上ブレーキ性能を25%、氷上コーナリング性能を9%向上させている。
今回の最大の特徴は、従来の総合性能をバランスよく高める設計思想から転換し、凍結路面での制動力と旋回性能を重点的に追求したことだ。ゴム、トレッドパターン、接地形状を一体で進化させ、氷上グリップを高めている。
ゴムは吸水・密着に加え、踏ん張る力を強化
注目のメイン技術は、新開発の「ふんばり吸水ゴム」だ。氷上ではタイヤと路面の間に生じる水膜が滑りの原因となる。ICE Proは水膜を取り除く「除水」、氷の微細な凹凸を捉える「密着」に加え、密着状態を保つ「持続」に着目した。
低温でも柔軟性を保ちながら、荷重がかかってもゴムが踏ん張ることで、氷面との接触を維持する。さらに、タイヤ内部のオイルが抜けにくくなる「うるおいポリマー」を従来モデルから増量。経年によるゴムの硬化を抑え、4年経過後も氷上性能が持続しやすい設計としている。
パターンは細密度サイプで氷を捉える
トレッドパターンでは、細かな切れ込みであるサイプなどを活用し、氷上でのエッジ効果と除水性能を高める。ゴムが吸水・密着するだけでなく、トレッド面が効率よく路面を捉えることで、ブレーキングやコーナリング時のグリップ向上を狙う。
構造・形状は接地面を広げ、密着を維持
タイヤの断面形状を決めるプロファイルも新開発。接地面積を拡大し、氷面を捉える領域を増やすことで、ゴムの性能を引き出す。素材、パターン、形状を組み合わせて氷上性能を高めることが、ICE Proの技術的な進化のポイントだ。
13〜22インチ、軽自動車から大型SUVまで
ICE Proは全99サイズを設定し、軽自動車、コンパクトカー、セダン、ミニバン、SUVまで幅広いカテゴリーをカバーする。公開されているサイズ設定には、軽自動車向けの155/65R14、コンパクトカーなどで使われる185/65R15や195/50R16、ミニバンやSUVなどに用いられる215/65R16、225/60R18といったサイズが含まれる。
具体的な車種例として、軽自動車ではホンダ N-BOX、ダイハツ タント、スズキ スペーシア、ハスラー。コンパクトカーではトヨタ アクア、ヤリス、日産 ノートなどが挙げられる。ミニバンではトヨタ ノア/ヴォクシー、日産 セレナ、三菱 デリカD:5、SUVではトヨタ ハリアー、RAV4、ヤリスクロスなどが候補となる。セダンではクラウンシリーズも想定される。
13インチからの小径サイズにより軽自動車にも対応し、19〜22インチの大径サイズまで展開することで、大型SUVや大径ホイール装着車にも選択肢を広げている。ただし、上記の車名は対応カテゴリーを示す例であり、すべての年式・グレードへの適合を保証するものではない。実際の装着可否は、車両指定サイズと荷重指数などを確認したうえで、ダンロップ公式の「クルマから探す」で照合する必要がある。
ICE Proは、冬季に凍結路面を頻繁に走るドライバーに向け、氷上性能を徹底追求したスタッドレスタイヤだ。早朝の通勤や家族の送迎、交差点や橋の再凍結など、日常に潜む滑りやすい路面に備える選択肢として注目される。
