マクラーレンGTの後継を担う新世代グランドツアラー・スーパースポーツの「マクラーレンGTS」がデビュー

マクラーレンがスーパーカーのドライビングダイナミクスに日常的な使いやすさと快適性を加えたマクラーレンGTの進化モデル「マクラーレンGTS」を発表。ミッドシップ配置のパワーユニットにはGT比で15psアップの635psを発生する4リットルV8ツインターボエンジンを搭載。内外装デザインも大幅にアップデート

 英国マクラーレン・オートモーティブは2023年12月19日(現地時間)、マクラーレン・ブランドの新世代グランドツアラー・スーパースポーツに位置する「マクラーレンGTS」を発表した。

▲マクラーレンが新世代のグランドツアラー・スーパースポーツ「マクラーレンGTS」を発表。従来のマクラーレンGTの実質的な後継モデルで、スーパーカーのドライビングダイナミクスに日常的な使いやすさと快適性を加えた新進のグランドツアラーを標榜する

▲マクラーレンが新世代のグランドツアラー・スーパースポーツ「マクラーレンGTS」を発表。従来のマクラーレンGTの実質的な後継モデルで、スーパーカーのドライビングダイナミクスに日常的な使いやすさと快適性を加えた新進のグランドツアラーを標榜する

 

 従来のマクラーレンGTの実質的な後継モデルとなるマクラーレンGTSは、スーパーカーのドライビングダイナミクスに日常的な使いやすさと快適性を加えた新進のグランドツアラーを標榜。マクラーレンGTに対してさらなるパワーアップや内外装デザインの刷新、機能装備のアップデートなどを実施している。

 基本骨格は、緻密な改良を施したカーボンファイバー製“モノセルⅡ-T”モノコックと前後アルミニウム製クラッシュストラクチャー、カーボンファイバー製リアアッパーストラクチャー、リサイクルカーボンファイバー製ルーフパネルで構成。剛性を高めつつ、軽量化を図った結果、最軽量乾燥重量で1456kg、DIN車両重量で1520kgを実現する。ボディサイズは全長4683×全幅2045×全高1213mm、ホイールベース2675mm、トレッド前1663/後1617mmに設定した。

▲基本骨格は緻密な改良を施したカーボンファイバー製“モノセルⅡ-T”モノコックと前後アルミニウム製クラッシュストラクチャー、カーボンファイバー製リアアッパーストラクチャー、リサイクルカーボンファイバー製ルーフパネルで構成。ボディサイズは全長4683×全幅2045×全高1213mm/ホイールベース2675mm、DIN車両重量は1520kgに設定

▲基本骨格は緻密な改良を施したカーボンファイバー製“モノセルⅡ-T”モノコックと前後アルミニウム製クラッシュストラクチャー、カーボンファイバー製リアアッパーストラクチャー、リサイクルカーボンファイバー製ルーフパネルで構成。ボディサイズは全長4683×全幅2045×全高1213mm/ホイールベース2675mm、DIN車両重量は1520kgに設定

 

 縦置きミッドシップ配置のパワーユニットは、改良版のM840TE型3994cc・V型8気筒DOHCツインターボエンジンで、最高出力はGT比で+15psの635ps/7500rpm、最大トルクはGTと同数値の630Nm/5500~6500rpmを発生。トランスミッションにはツインクラッチを組み込む7速SSG(シームレス・シフト・ギアボックス)を配して、後輪を駆動する。性能面では、最高速度326km/h、0→100km/h加速3.2秒を実現し、また欧州WLTPモード燃費は複合で11.9リットル/100kmを成し遂げた。

▲改良版のM840TE型3994cc・V型8気筒DOHCツインターボエンジンを縦置きでミッドシップ配置。最高出力はGT比で+15psの635ps/7500rpm、最大トルクはGTと同数値の630Nm/5500~6500rpmを発生する

▲改良版のM840TE型3994cc・V型8気筒DOHCツインターボエンジンを縦置きでミッドシップ配置。最高出力はGT比で+15psの635ps/7500rpm、最大トルクはGTと同数値の630Nm/5500~6500rpmを発生する

 

 シャシー面に関しては、前後アルミニウム製ダブルウィッシュボーン式サスペンションに、専用セッティングのプロアクティブダンピングコントロール付き独立式アダプティブダンパーを採用。ワンタッチでフロント部分がわずか4秒で上昇し、段差を乗り越える際などに役立つ新しいビークルリフトシステムも装備する。また、シューズには大幅な軽量化を果たした新造形の10本スポーク“ターバイン”鍛造アロイホイール(前8J×20/後10.5J×21)と専用設計のピレリP ZEROタイヤ(前225/35R20、後295/30R21)を装着した。

 操舵機構の改良も図り、新しいハードウェアとソフトウェアを組み込み、同時にギアレシオを見直した電動油圧アシスト式ステアリングを装備。また、制動機構にはカーボンセラミックディスク(前φ390/後φ380mm)+アルミニウム製キャリパー(前6ピストン/後4ピストン)を採用する。一方、パワートレインやトランスミッション、ハンドリング、足回りなどを統合制御するドライブモードとして、コンフォート/スポーツ/トラックを設定した。

▲シャシー面に関しては前後アルミニウム製ダブルウィッシュボーン式サスペンションに、専用セッティングのプロアクティブダンピングコントロール付き独立式アダプティブダンパーを採用する

▲シャシー面に関しては前後アルミニウム製ダブルウィッシュボーン式サスペンションに、専用セッティングのプロアクティブダンピングコントロール付き独立式アダプティブダンパーを採用する

▲シューズには大幅な軽量化を果たした新造形の10本スポーク“ターバイン”鍛造アロイホイール(前8J×20/後10.5J×21)と専用設計のピレリP ZEROタイヤ(前225/35R20、後295/30R21)を装着

▲シューズには大幅な軽量化を果たした新造形の10本スポーク“ターバイン”鍛造アロイホイール(前8J×20/後10.5J×21)と専用設計のピレリP ZEROタイヤ(前225/35R20、後295/30R21)を装着

 

 エクステリアについては、“機能が形を決める”というマクラーレンの設計理念をさらに研ぎ澄ませたことが訴求点。GT が誇ったエレガントなシルエットやエアロダイナミクスパッケージをベースとして引き継ぎつつ、GTSではいっそう主張の強いデザインを創出する。特徴的な“ハンマーヘッド”のフロントバンパーは刷新され、エアインテークも新しいフォルムに変更。インテークの幅を拡大したことで、ラジエーターに送り込む空気の量も増大した。一方でリアフェンダーにおいては、車両の肩にあたる部分にエアスクープを新採用し、より多くの気流をエンジンルームに供給する。さらに、拡大したリアディフューザーとデュアルエグゾーストによって、力強くかつ印象的な後ろ姿を具現化した。ボディカラーとしては、GTS専用色のラヴァグレーを設定し、合わせて新色のマンティスグリーン、タンザナイトブルー、アイスホワイトをラインアップに加えている。

▲特徴的な“ハンマーヘッド”のフロントバンパーを刷新。エアインテークも新しいフォルムに変更し、空気流入量を増大させる

▲特徴的な“ハンマーヘッド”のフロントバンパーを刷新。エアインテークも新しいフォルムに変更し、空気流入量を増大させる

▲拡大したリアディフューザーとデュアルエグゾーストによって力強くかつ印象的な後ろ姿を創出

▲拡大したリアディフューザーとデュアルエグゾーストによって力強くかつ印象的な後ろ姿を創出

▲ドア前方の下部に“GTS”エンブレムを配備

▲ドア前方の下部に“GTS”エンブレムを配備

 

 内包するインテリアは、パフォーマンスとラグジュアリーを融合したデザインで構成するとともに、厳選された素材を組み合わせる。コクピットには精密な研磨加工やローレット加工を施したアルミニウム製のスイッチやコントロール類を配備。また、内装の仕様としてパフォーマンスとテックラックスを設定する。パフォーマンス仕様はスポーティ、シャープ、そしてテクニカルな印象で仕立て、シートにはソフトグレイン・アニリンレザーとアルカンター表皮に、ジェットブラックまたはバローロのカラー、コントラストカラーのパイピングを採用。一方で新設定のテックラックス仕様は、クラシカルなエレガンスが際立つマクラーレンらしいモダンなアレンジで仕立て、ソフトグレイン・アニリンレザーをあしらったシートには洗練されたカラーのハイライトと、ユニークなダブルパイピングパターンを施した。また、機能面では10.25インチのデジタルインストゥルメントディスプレイや7インチの縦型タッチスクリーン式インフォテインメントシステム、HEREのナビゲーションマップとリアルタイムの交通情報が表示される衛星ナビゲーション、Bluetooth通話、メディアストリーミング、DAB規格のデジタルラジオ、Bowers&Wilkinsオーディオシステムなどを装備して利便性をアップ。インテリア照明として、6色のアンビエントライトも配備する。さらに、光の透過率を5段階に調整できるパノラミックガラスルーフをオプションで設定した。

▲インテリアはパフォーマンスとラグジュアリーを融合したデザインで構成するとともに、厳選された素材を組み合わせる。機能面では10.25インチのデジタルインストゥルメントディスプレイや7インチの縦型タッチスクリーン式インフォテインメントシステムなどを装備

▲インテリアはパフォーマンスとラグジュアリーを融合したデザインで構成するとともに、厳選された素材を組み合わせる。機能面では10.25インチのデジタルインストゥルメントディスプレイや7インチの縦型タッチスクリーン式インフォテインメントシステムなどを装備

▲新設定のテックラックス仕様はクラシカルなエレガンスが際立つマクラーレンらしいモダンな内装アレンジで仕立て、ソフトグレイン・アニリンレザーをあしらったシートには洗練されたカラーのハイライトとユニークなダブルパイピングパターンを施す

▲新設定のテックラックス仕様はクラシカルなエレガンスが際立つマクラーレンらしいモダンな内装アレンジで仕立て、ソフトグレイン・アニリンレザーをあしらったシートには洗練されたカラーのハイライトとユニークなダブルパイピングパターンを施す

▲エンジンルーム後方にラゲッジスペースを設定

▲エンジンルーム後方にラゲッジスペースを設定

 

 なお、マクラーレンGTSの受注はすでに始まっており、デリバリーは2024年内に開始する予定である。

 

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