自動車評論家と音楽「西川 淳さんの場合」

試乗中は音楽なし。単調な高速ドライブ中はメタリカをシャウト

マクラーレン750S

 中学に入る直前、それまで日本の歌謡曲しか耳にしていなかった僕はクイーンで洋楽を知った。衝撃を受けた。しばらく洋楽はクイーンに一途だったが、高校に入るまた直前にアイアンメイデンと出会って「メタリスト」になった。バンド活動も始めた。ハードロックとヘヴィメタルしか聴かない人になり、現在に至る。

マクラーレン750Sのオーディオ(写真のスピーカーブランドはバウワース&ウィルキンス)

 最近、バンド活動を再会した。久しぶりにライブを演って熱唱。もちろんハードロック系。シャウトはいつだって最高だ。

 京都に住んでいる関係で、週に一度はテスト車両で東京と往復する日々を送る。基本的には車内は無音。自動車によって発せられるさまざまなノイズもまたテストの範疇だから。とはいえ単調な高速ドライブに飽くとおもむろにスマホを繋げて大好きなメタリカを聴く。なかでも「メタリカ」、通称ブラックアルバムを掛けることが多い。

メタリカ『メタリカ』(通称ブラックアルバム)は1991年に発売された第5作

 

 全編ファンにとって馴染みの名曲ばかり。とくにバラードの「ナッシング・エルス・マター」あたりは、旧東名の静岡あたりや新東名の浜松あたり、夕暮れ時に最新のスーパーカーでクルージングしながら聴いていると、ちょっとばかりセンチな気分になって、それがかえって心地よい。抑えて走るスーパーカーのよさが音楽を通して身体へと染み渡る。

 自分のライブが近づくと、往復の道中はたいてい課題曲をエンドレスに掛けて絶叫する。歌って歌って歌いまくって曲を覚えるわけだが、それもまたクルマという空間だからこそ。来年もまたメタリカを歌おう。

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