【こだわりのエンジン車】日本が誇るスーパースポーツ。日産GT-Rの進化するパフォーマンス

日産GTーRプレミアムエディション 現行R35型は「ワールドクラスのスーパースポーツ」として開発 ピュアエディション/ブラックエディション/プレミアムエディション/トラックエディション/ニスモを設定 全車3.8リッターV6ツインターボ搭載
日産GTーRプレミアムエディション 現行R35型は「ワールドクラスのスーパースポーツ」として開発 ピュアエディション/ブラックエディション/プレミアムエディション/トラックエディション/ニスモを設定 全車3.8リッターV6ツインターボ搭載

日産GT-Rプレミアムエディション 価格:6DCT 1232万9900円 試乗記

GT-Rは全身に日産の英知を結集。超高性能VR38DETT型エンジン搭載

 R35型・GT-Rが登場してから14年が経過した。日産車の中でも群を抜くロングライフ車である。しかし、毎年のように進化・改良が行われ、パフォーマンスと魅力は、現在でも超一級である。
 内外装に古さを感じないといえばウソになる。しかし走行性能は最新のライバルとガチで戦える。これは驚くべき事実だ。速さと先進性を競うスーパースポーツの中で、頂点の1台に君臨し続けるGT-Rの偉大さは、優れた基本設計にある。

 プレミアム・ミッドシップパッケージ、独立型トランスアクスル4WD、GR6型デュアルクラッチトランスミッションをはじめ、ニュルブルクリンクで徹底的に鍛えた、強靭で精度の高いボディ&サスペンションなど、GT-Rは、全身に日産の英知が満載されている。中でも特筆すべきはVR38DETTと呼ばれるV型6気筒3.8リッターツインターボエンジンだ。

 発売当時、ライバルが5リッター超という大排気量NAを搭載する中、GT-Rはいまでいうダウンサイジングターボコンセプトを掲げていた。分類上は日産のVQシリーズの一員だが、クローズドデッキ+ラダーフレーム構造、プラズマコーティングボア、インテグレーテッドターボチャージャー、インディペンデントインテーク&エキゾーストシステム、高精度インジェクター、ドライサンプ方式のオイル潤滑など、ボアピッチ以外はすべて専用設計だった。

全長×全幅×全高4710×1895×1370mm 車重1770kg パワーウェイトレシオ:3.11kg/ps GTーRはトランスミッションを後方配置した「独立型トランスアクスル4WD」採用
全長×全幅×全高4710×1895×1370mm 車重1770kg パワーウェイトレシオ:3.11kg/ps GTーRはトランスミッションを後方配置した「独立型トランスアクスル4WD」採用
3799cc・V6DOHC24Vツインターボ 570ps/6800rpm 637Nm/3300〜5800rpm 各部の改良で2007年モデル比90ps/25Nmパワーアップ 最新モデルはGTーRニスモと同様のターボ効率化技術を導入
3799cc・V6DOHC24Vツインターボ 570ps/6800rpm 637Nm/3300〜5800rpm 各部の改良で2007年モデル比90ps/25Nmパワーアップ 最新モデルはGTーRニスモと同様のターボ効率化技術を導入

進化するパフォーマンス。最高出力はデビュー時比90psアップ!

 VR38DETT型は、F1と同じようにチリも埃もない専用クリーンルームでひとりの匠によって1基ずつ組み立てられていく。その精度はどんな機械やセンサーよりも優れており、獰猛なのに滑らかなエンジン特性のキーポイントだ。

 スペックは向上を続けている。デビュー時は480PS/580Nmだったが、2008モデルで485ps/588Nm、2011モデルで530ps/612Nm、2012モデルで550ps/632Nm、2017モデル以降は580ps/637Nmとアップした。一方で、燃費性能(JC08モード)はデビュー時の8.2km/リッターから8.6~8.8km/リッター(2018モデル)に引き上げられた。単なるハイパワーユニットではなく、高効率ユニットであることも証明している。
 なお、サーキット仕様のGT-Rニスモは専用タービン装着で600ps/652Nmを誇る。

 次期GT-Rに関する情報は極めて少ない。しかし日産が経営の柱とする「電動化」と「電脳化」を考えると「もう内燃機関だけじゃ、勝てないよ!」といえるような電気モンスターになる可能性が濃厚。ピュアな内燃機関を搭載したGT-Rはこれが最後……かもしれない。

室内は機能的な造形 写真はセミアニリン本革シートとレザー張りインパネのファッショナブルインテリア(op55万円)  最新モデルは超高速域でも優れたな安定性実現
室内は機能的な造形 写真はセミアニリン本革シートとレザー張りインパネのファッショナブルインテリア(op55万円)  最新モデルは超高速域でも優れたな安定性実現
シートはスポーツ走行時のホールド性とクルージング時の快適性に配慮した設計 後席は足元がタイトな+2スペース 乗り心地はしっかりとした印象 静粛性ハイレベル
シートはスポーツ走行時のホールド性とクルージング時の快適性に配慮した設計 後席は足元がタイトな+2スペース 乗り心地はしっかりとした印象 静粛性ハイレベル
トランスミッションは6速DCT パドル標準 初期型で目立った低速域のギクシャク感は改良済み
トランスミッションは6速DCT パドル標準 初期型で目立った低速域のギクシャク感は改良済み
タイヤはフロントが255/40ZRF20/リアは285/35ZRF20のダンロップ製ランフラット アルミはレイズ製鍛造
タイヤはフロントが255/40ZRF20/リアは285/35ZRF20のダンロップ製ランフラット アルミはレイズ製鍛造
ブレーキはブレンボ製 フロントが6ポッド/リアは4ポッドのアルミモノブロック
ブレーキはブレンボ製 フロントが6ポッド/リアは4ポッドのアルミモノブロック

日産GT-Rプレミアムエディション 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=プレミアムエディション
価格=6SMT 1232万9900円
全長×全幅×全高=4710×1895×1370mm
ホイールベース=2780mm
トレッド=フロント:1590×リア:1600mm
車重=1770kg
エンジン=3799cc・V6DOHC24Vツインターボ(プレミアム仕様)
最高出力=419kW(570ps)/6800rpm
最大トルク=637Nm(65.0kgm)/3300〜5800rpm
WLTCモード燃費=7.8km/リッター(燃料タンク容量74リッター)
(市街地/郊外/高速道路:5.2/8.4/9.4km/リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:255/40ZRF20/リア:285/35ZRF20
駆動方式=4WD
乗車定員=4名
最小回転半径=5.7m
主な燃費改善対策=可変バルブタイミング
主要装備=プレミアムミッドシップパッケージ/独立型トランクアクスル4WD/1.5WayメカニカルLSD/シンクロレブコントロール/ハイレスポンスブーストコントロール/メインカーボンコンポジッドプロぺラシャフト/ビルシュタイン・ダンプトロニック/カーボンコンポジット製ラジエーターコアサポート/アルミハニカム入りカーボンコンポジット製ストラットサポートバー/閉断面一体式ルーフレール/ブレンボ製モノブロックブレーキキャリパー/レイズ製鍛造アルミ/ダンロップ製ランフラットタイヤ/エキゾーストサウンドコントロール/4点マウント式高剛性アルミステアリングラック/フジツボ製チタン合金製マフラー/前後バックソナー/スーパーワイドビームヘッドライト/LEDハイパーデイライト/バックビューモニター/本革巻きステアリング/パドルシフト/走行セットアップスイッチ/前席本革パールスエードシート/BOSEサウンドシステム/日産コネクトナビシステム/左右独立温度調節式オートAC
装着メーカーop=SRSサイド&カーテンエアバッグ7万7000円/ファッショナブルインテリア(セミアニリン本革シート+ナッパレザーインストパネル)55万円/プライバシーガラス3万3000円
ボディカラー=ワンガンブルー(op33万円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万470円

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