【最新モデル試乗】存在感たっぷりのフロントフェイス。個性派に好まれる三菱eKクロスの快適な乗り心地

三菱eKクロスT(4WD) eKクロスはちょっぴりワイルドなアクティブモデル パワーユニットはマイルドハイブリッド仕様
三菱eKクロスT(4WD) eKクロスはちょっぴりワイルドなアクティブモデル パワーユニットはマイルドハイブリッド仕様

三菱eKクロスT(4WD) 価格:CVT 179万8500円 試乗記

メカニズムは日産デイズと共通。フロントマスクはデリカD:5を彷彿

 eKクロスは昨年のeKワゴンのモデルチェンジを機に誕生したニューカマー。スポーティ指向だった従来のeKカスタムに代わる個性派だ。各部のSUVテイストが、アクティブな印象を与える。
 メカニズムはeKワゴン(そして日産デイズ)と共通。キャラクターはスズキ・ハスラーや、ブランニューのダイハツ・タフトと同様だ。乗用車としての優れた快適性をそのままに、ちょっぴりワイルドな印象をトッピングしている。

 最大の特徴はフロントマスクだろう。最新三菱共通の「ダイナミックシールド」をKカーで初導入。それも兄貴分のデリカD:5と共通イメージでまとめている。
 主張の強いこのデザインをコンパクトなKカーに投入したというニュースを聞いたとき、個人的には一抹の不安を感じた。しかし実車に対面すると、スタイリングに溶け込んでいる仕上がりに驚いた。

 前面のランプ部分は、上から下まで同じ面に置くのではなく、上の細長いランプ部分をサイドに向けて絞り込んでいる。これが威圧感を抑え、一体感を増すことに貢献しているようだ。実に巧みなデザインである。

 2トーン5色、モノトーン6色というボディカラーも魅力的だ。2トーンのルーフの塗り分けは、白あるいは黒だけでなく、グレーやオレンジが選べる。前者は精悍性、後者は遊び心をうまく表現しており、カラーチョイスを楽しくしている。

全長×全幅×全高3395×1475×1660(ルーフレール装着車1685)mm 車重920kg 雪道などでの走破性を高めるグリップコントロール標準
全長×全幅×全高3395×1475×1660(ルーフレール装着車1685)mm 車重920kg 雪道などでの走破性を高めるグリップコントロール標準

ターボの力強さはリッターカーレベル! 運転支援システムも充実

 インテリアはオプションのプレミアムインテリアパッケージに注目したい。ベージュのトリムとストライプ柄のファブリックからなるシートは上質で、スペースを除けばKカーに乗っていることを感じさせない。室内空間は大人4名に十分。後席はスライドとリクライニング機構を装備している。

 走りはエンジンの静粛性が好印象。ターボ(64ps/100Nm)と自然吸気(52ps/60Nm)が選べるパワーユニットは、ルノー日産アライアンスが新興国用に開発した800ccエンジンがベース。ブロックの厚みなどに余裕を持たせていることが功を奏しているのかもしれない。マイルドハイブリッドということもあって発進時の力不足はなく、とくにターボの力強さはリッターカーレベル。運転支援システムがKカーのレベルを超えた完成度に達している点にも驚いた。

 エンジン同様、プラットフォームは新開発。走り出した瞬間にライバルとの違いを実感するとまではいかないが、乗り心地やフットワークは平均点以上のレベルに達している。eKクロスのマスクが好みという理由だけで選んでも、満足できる充実した内容の持ち主である。

インパネはラウンディッシュな造形 各部の作りは上質 写真はプレミアムインテリアPKG(op5万5000円)装着車 9インチ大画面ナビはディーラーop AC操作パネルはタッチ式
インパネはラウンディッシュな造形 各部の作りは上質 写真はプレミアムインテリアPKG(op5万5000円)装着車 9インチ大画面ナビはディーラーop AC操作パネルはタッチ式
プレミアムインテリアパッケージのシートはお洒落な印象 座り心地はソフト 後席は一体スライド式 室内長2065mm
プレミアムインテリアパッケージのシートはお洒落な印象 座り心地はソフト 後席は一体スライド式 室内長2065mm
荷室は使いやすい 後席スライド位置をワンタッチで調整できる便利設計
荷室は使いやすい 後席スライド位置をワンタッチで調整できる便利設計
メーターはオーソドックスな2連デザイン カラフルな印象 視認性良好 センターディスプレイ標準
メーターはオーソドックスな2連デザイン カラフルな印象 視認性良好 センターディスプレイ標準
全車速対応ACCは先進快適パッケージとしてop設定(7万1500円) 操作は簡単
全車速対応ACCは先進快適パッケージとしてop設定(7万1500円) 操作は簡単
マルチアラウンドモニターはop設定 後方と俯瞰情報で周囲の状況をリアルに伝える親切装備
マルチアラウンドモニターはop設定 後方と俯瞰情報で周囲の状況をリアルに伝える親切装備
デジタルインナーミラーなど上級車顔負けの先進装備を豊富に設定
デジタルインナーミラーなど上級車顔負けの先進装備を豊富に設定
ヘッドライトは縦型3連LED 上部は横長コンビネーション灯 フォグ標準
ヘッドライトは縦型3連LED 上部は横長コンビネーション灯 フォグ標準
165/55R15タイヤ+切削光輝アルミ装着 最小回転半径4.8m 最低地上高155mm
165/55R15タイヤ+切削光輝アルミ装着 最小回転半径4.8m 最低地上高155mm
659cc直3DOHC12Vターボ(64ps/100Nm)+モーター(2.7ps/40Nm) 加速時モーターがアシスト 静粛性は全域ハイレベル WLTCモード燃費:16.8km/リッター
659cc直3DOHC12Vターボ(64ps/100Nm)+モーター(2.7ps/40Nm) 加速時モーターがアシスト 静粛性は全域ハイレベル WLTCモード燃費:16.8km/リッター

三菱eKクロスT 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=T(4WD)
価格=CVT 179万8500円
全長×全幅×全高=3395×1475×1680mm
ホイールベース=2495mm
トレッド=フロント1300×リア1290mm
最低地上高=155mm
車重=920kg
エンジン=659cc直3DOHC12Vターボ(レギュラー仕様)
最高出力=47Nm(64ps)/5600rpm
最大トルク=100Nm(10.2kgm)/2400~4000rpm
モーター最高出力=2.0kW(2.7ps)/1200rpm
モーター最大トルク=40Nm(4.1kgm)/100rpm
WLTCモード燃費=16.8_㎞/リッター(燃料タンク容量27リッター)
(市街地/郊外/高速道路=14.3/17.8/17.4km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トレーリングアーム式3リンク
ブレーキ=フロント:ディスク/リア:ドラム
タイヤサイズ=165/55R15+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=4名
最小回転半径=4.8_m
●主な燃費改善対策:主な燃費改善対策:自動無段変速機/電動パワーステアリング/アイドリングストップ/可変バルブタイミング
●主要装備:e-アシスト(衝突被害軽減ブレーキ+踏み間違い衝突防止アシスト+車線逸脱警報+オートマチックハイビーム)/オートライト/前席+サイド+カーテンエアバッグ/前後ソナー/LEDヘッドライト/フロントフォグランプ/IRカット&99%UVカットガラス/黒色ホイールアーチ/カラー液晶マルチインフォメーション/本革巻きステアリング/ステアリングスイッチ/ナビ取付パッケージ(6スピーカー+GPS&TVアンテナ+ナビパネル)/タッチパネル式オートAC/減速エネルギー回生システム/グリップコントロール/キーレスオペレーション
●装着メーカーop:ルーフレール2万7500円/プレミアムインテリアパッケージ5万5000円/先進安全パッケージ(デジタルルームミラー+マルチアラウンドモニター)9万3500円/先進快適パッケージ(アダプティブクルーズコントロール+車線維持支援機構+電動パーキングブレーキほか)7万1500円
●ボディカラー:サンドイエローメタリック+ホワイトソリッド(op8万2500円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は8990円

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