アストンマーティンがビスポークサービス部門のQ by Aston Martinが手がけるV12特別仕様車「ヴァレン」を発表。パワートレインには850ps/1000Nmを発生する5.2リットルV12ツインターボエンジンにZF製8速オートマチックを組み合わせて搭載し、合わせてフルカーボンファイバー製のボディパネルや新しいサスペンションスプリングおよび専用ダンパーなどを採用してパフォーマンスを向上。0→100km/h加速は3.1秒、最高速度は345km/hを実現。生産台数は150台の限定
英国アストンマーティンは2026年8月14日(現地時間)、ビスポークサービス部門のQ by Aston Martinが手がける特別仕様車「ヴァレン(Valen)」を発表した。
アストンマーティン史上最強の市販フロントエンジンモデルを謳い、「強力」を意味するラテン語の「valens」に由来する車名を冠したヴァレンは、パワートレインに5.2リットルV型12気筒DOHC48Vツインターボエンジンをフロントミッドに搭載。排気系には専用設計のチタン製エキゾーストシステム(クアッドテールパイプ)を採用し、トランスミッションには専用キャリブレーションのZF製8速オートマチックを、動力伝達系にはカーボンファイバー製プロペラシャフト付アロイトルクチューブや電子制御ディファレンシャル(E-Diff)を組み合わせて後輪を駆動する。最高出力は850ps、最大トルクは1000Nmを発生。性能面では0→100km/h加速は3.1秒、最高速度は345km/hを実現した。
また、ペダルマッピングやシフト圧、トルク介入、そして横滑り防止装置(ESP)のキャリブレーションまで、パワートレインの性格全体を最適制御するドライブモードを設定。Sportモードではヴァレンが本来備えているアグレッシブさに合わせて、より短く力強いペダルマップへと変化し、エキゾーストバルブは負荷と速度に応じて段階的に開閉。また、Sport+ではそのより短いペダルマップを維持したまま、低回転域では下側のエキゾーストバルブがアイドル時から部分的に開き、3500rpmで全開となることで、エキゾーストの特性をさらに解放する。そして、Trackモードではペダルストロークがより長く、よりプログレッシブなマップへと拡張され、高速道路やサーキットで限界域を扱う際にも細かな調整がしやすくなるようセッティングした。

▲パワートレインにはチューンアップした5.2リットルV型12気筒DOHC48Vツインターボエンジンをフロントミッドに搭載。トランスミッションには専用キャリブレーションのZF製8速オートマチックを組み合わせて後輪を駆動する。最高出力は850ps、最大トルクは1000Nmを発生
シャシーおよびボディについては、専用セッティングの前ダブルウィッシュボーン式/後マルチリンク式のサスペンションにアダプティブダンピングシステム(ADS)を組み合わせ、また専用設計のフルカーボンファイバー製のボディパネルを採用して、軽量かつ高剛性の骨格を構築。オプションのアルミニウム無垢材から削り出したサスペンションアームとチタン製シャシーボルトを選択すれば、さらなる軽量化も図れる。また、足もとには前9.5J×21/後11.5J×21サイズの鍛造マグネシウムホイール(サテンブラック、サテンチタン、スモーククロームの3色から選択可)に、前275/35/後325/30サイズのAML専用ピレリP Zeroタイヤを組み合わせて装着。さらに、制動機構には前φ410/後Φ360mmカーボンセラミックディスク+前6ピストン/後4ピストンブレーキキャリパーや専用キャリブレーションを施したブレーキブースターを配備した。

▲シャシーおよびボディは専用セッティングの前ダブルウィッシュボーン式/後マルチリンク式のサスペンションにアダプティブダンピングシステム(ADS)を組み合わせ、また専用設計のフルカーボンファイバー製のボディパネルを採用して、軽量かつ高剛性の骨格を構築する
エクステリアについては、アストンマーティンの最新デザイン言語を大胆に解釈し、アグレッシブな動的性能を反映するシャープで彫刻的なライン、フロントエンジン・リアドライブのレイアウトを強調する攻撃的なたたずまいを具現化したことがトピックだ。フロント部は鋭く途切れのない一連のデザインラインによって、従来の枠から踏み出したマスクを創出。深く落ち込んでいるボンネットラインの下には専用開発のヘッドライトユニットを配し、点灯時にはフロントのデザインキャラクターを一変させ、迫力あるアストンマーティンのグリルを形成する。また、ボンネットには単一のトップベントを設け、後端部には広範囲にわたる穴あけ加工のベンチレーションを配備した。一方でサイドビューは、鋭く伸びたサイドストレーキが機能的なベントとしてホイールアーチから空気を抜き、車体側面へと導いている点が目を引く。また、段差をつけたシルがウエストラインを引き締め、各フェンダーの筋肉質なボリュームをさらに強調。後端にある鋸歯状のボルテックスジェネレーターは車体下の高速エアフローを抜き取ることでリフトを抑えてダウンフォースを生み出す効果を成す。そしてリアセクションは、圧倒的な存在感のリアディフューザーに、3Dプリントによるチタン製4本出しエキゾーストを上下2本ずつ積み重ね、フロントエンジン式のアストンマーティンでは前例のない独自の後ろ姿を演出。大きく跳ね上がるテールの下部には、ボディ幅いっぱいに広がる専用のライトバーを配備した。最小限のドラッグでダウンフォースを生み出すことで従来の大型リアウィングが不要になり、プロポーションと機能性の両方を強化したことも訴求点である。
ボディサイズは全長4830(FED4870)×全幅2044×全高1290mm、ホイールベース2885mmに設定。リアのラゲッジ容量は170リットルを確保し、荷物の出し入れ時に広げることのできる専用カバーを設定した。


▲エクステリアはアストンマーティンの最新デザイン言語を大胆に解釈し、アグレッシブな動的性能を反映するシャープで彫刻的なライン、フロントエンジン・リアドライブのレイアウトを強調する攻撃的なたたずまいを具現化する

▲圧倒的な存在感のリアディフューザーに、3Dプリントによるチタン製4本出しエキゾーストを上下2本ずつ積み重ね、フロントエンジン式のアストンマーティンでは前例のない独自の後ろ姿を演出。大きく跳ね上がるテールの下部にはボディ幅いっぱいに広がる専用のライトバーを配備
内包するインテリアは、2名乗車のキャビン空間を基本に、カーボンファイバー材や丹念に作り込んだ専用パーツなどを採用して、車両全体にわたる大幅な軽量化を反映した“視覚的な軽さ”を表現する、スポーティかつ個性あふれるコクピットに仕立てる。内装トリムはセミアニリンレザーとアルカンターラを巧みに組み合わせたことが特徴で、オプションとしてフルセミアニリンレザーインテリアも選択可。また、モノトーンからデュオトーン、トライトーン、ドライバーにフォーカスした独自のテーマまで取り揃え、さらにヴァレン用に新たに開発したキルティングパターンも用意する。センターコンソールやドアまわりには3Dプリントのディテールを導入した。機能装備としては、10.25インチTFTタッチスクリーン・センターディスプレイや10.25インチTFTドライバーインフォメーション・ディスプレイ、1170W/15スピーカーBowers&Wilkinsオーディオシステム、ワイヤレス充電器、ナチュラルボイスコントロール、サテライトナビゲーションシステム、USB Type-Cポート(2口)、ドア収納ポケット、電動調整式ステアリングコラム、キーレスタート/ストップボタン、リアビジョン(フルディスプレイミラーシステム)などを配備する。一方、シートには新設計のSport Plusシートを装着。さらなるダイナミックサポートを提供しつつ、長距離でも極めて快適な座り心地を実現する。オプションで軽量カーボンファイバー製パフォーマンスシートも設定した。

▲インテリアはカーボンファイバー材や丹念に作り込んだ専用パーツなどを採用して、車両全体にわたる大幅な軽量化を反映した“視覚的な軽さ”を表現する、スポーティかつ個性あふれるコクピットに仕立てる。内装トリムはセミアニリンレザーとアルカンターラの巧みに組み合わせたことが特徴。写真はヴァレン用に新たに開発したオプションのキルティングパターン
なお、ヴァレンの生産台数は150台の限定。ユーザーへの納車は2027年第2四半期から開始する予定である。
