自動車の情報をジャンル分けするとたくさんある。新車情報や中古車情報、パーツやメンテナンス情報もそうだろう。クルマは種類がたくさんある分、ジャンルを細分化した方が受け手はわかりやすい。
たとえば、市販車をカタチで分類するのは当然のこと、レーシングカーやラリーカー、オフローダーという分け方もできる。輸入車は国ごとでキャラクターが違うからそれぞれ分けて紹介するのが正しいやり方だ。
そしてそこには、それぞれ専門のメディアが存在する。冒頭に記したように、新車情報メディアがあれば中古車メディアもある。「自動車メディア」自体が専門メディアだと思われがちだが、その実「専門」はその先にあるのだ。
今回の特集「話題のクルマの最新事情」で着目した「その後」というのは、どこのジャンルにも入らない。新車メディアは発売と同時に解説とロードインプレッションが掲載されれば、そのあとはフェイスリフトやマイナーチェンジまで扱わない。中古車メディアは中古になってからの相場や買うときのチェックポイントをメインにするのが王道だ。なので、半年前に新車で出たクルマがその後マーケットにどう受け入れられたかを知る機会は少ない。もちろん、メーカーでもディーラーでも聞けば教えてくれるが、そうしないと情報にはたどり着けない。
そこに気づき、かつて『ル・ボラン』という輸入車をメインで扱う雑誌で連載を企画した。タイトルは「九島辰也のリチェックファイル!」。「リチェック」、つまり新車をもう一度チェックしようというコンテンツだ。
内容は発売からおよそ半年後のモデルを題材にあらゆる角度から分析するといったもの。人気のグレードやボディカラー、オプション装備などを円グラフでまとめて表現した。ユーザープロファイリングでは性別や年齢、年収、それに趣味・スポーツなどを羅列。販売台数も同様にJAMA(自動車工業会)やJAIA(日本自動車輸入組合)発表の数値を表にまとめた。
個人的に毎回気になったのは人気のボディカラーとオプション装備。多くのユーザーが選んだものと自分の好みが重なるのか興味津々だった。まぁ、題材となるモデルによって異なるけれど、ほとんどの場合重ならないんだよね。どうも「ハズシ」が好きなようで。
本文にはロードインプレッションを書いた。半年くらいならまだ広報車はほとんど残っているので、あらためてお借りする。ただ、最初に試乗した時は走行距離が1000kmとか2000kmくらいだったものが、1万kmを超えているケースは少なくない。で、これがユニーク。半年前と印象が違ったりする。「なんかオイルやタイヤが馴染んできていい感じ」なんて具合に。
実際このパターンは多かった気がする。クルマによって距離を走った分印象がガラッと変わったのだ。その意味では半年ぐらいのロングターム・テストドライブはいい企画かもしれない。購入検討者にはリアルにほしい材料になるだろう。
なんて感じで、カー・アンド・ドライバーをはじめ自動車メディアにはまだまだ読者のためになる企画をたくさん実施してほしい。自動車の情報をお届けするのが使命だからだ。BEVに関してはとくにそうだろう。中古のBEVってどうなのか。「10年落ちとか使えるのかな?」みたいな。ワイワイガヤガヤそんな話をするのが楽しい今日この頃である。
くしまたつや/モータージャーナリスト。2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。『Car Ex』副編集長、『American SUV』編集長など自動車専門誌の他、メンズ誌、機内誌、サーフィンやゴルフメディアで編集長を経験。趣味はクラシックカーと四駆カスタム
