PTCジャパン(東京都港区)は6月16日、製造業におけるインテリジェント・プロダクト・ライフサイクルの実現に向けた記者会見を開催。現在、製造業で設計や製造などの各工程でデータが分断されていることが大きな課題として、同社はデータを統合してAIで高速に循環させる戦略を提示した。
今回はコンセプトにとどまらず、即座に利用可能な100以上の新機能がリリースされている。また、アフターサービス領域でのデータ管理を行う統合基盤、PTC Orbitや、製品開発の未決定な情報を社内外で安全に共同管理できるSaaS型プラットフォームのPTC Jetstreamといった新たなソリューションを披露。主力3D CADの最新版Creo 13では、チャット形式で操作を無料支援するアドバイザー機能や、作業の代行・自動化、変更個所の可視化などの高度なAI成熟フレームワークを実装した。同社は、AIは開発者の仕事を奪うものではなく、創造性を最大限に発揮させるための協調的なパートナーであるとの方針を強調した。
会見後、自動車開発向けALM(アプリケーション・ライフサイクル管理)ツール、Codebeamerの欧州OEMにおける最新の導入状況を尋ねたところ、フォルクスワーゲン・グループ内での導入は非常に急速に進んでおり、エンドユーザー数は数万人規模(5桁)に達していると明かされた。規模の小さいランボルギーニが先行してスピーディに導入を開始し、アウディなど他ブランドとの連携も進行。中国の合弁会社などの例外を除き、主要な全ブランドに広がっているという。
グループ全体における標準化への移行は、最善で1年、長くとも2年半程度、大半は今後1〜2年以内に完了する見込み。移行期間を左右する要因として、各部門が個別にカスタマイズしてきたローカルツールや自動化プロセスをいかに新しい統合環境へ移行できるかが挙げられた。現在は中央集権的なアプローチにシフトしており、グローバルデータセットの構築によってデータの再利用性やAI活用のメリットを最大化することを目指している。
他の欧州OEMに関しては、ルノーやBMWをはじめとする欧州の主要OEMの多くがCodebeamerの採用へと舵を切っていることが明かされた。また、国内OEMではマツダの導入事例が紹介された。自動車の開発現場でのAI活用はいま、急速に進んでいる。

国内導入事例としてマツダが挙げられていた。写真の新型CX-5の開発プロセスCodebeamerが導入されていたわけではないが、これから 出てくる新車種におけるSDV化に向けた開発において、同ツールの活用が図られていくという
