【ボクらの時代録】2019年の日本カー・オブ・ザ・イヤー。トヨタRAV4( MXAA54/AXAH54&52型)のワクドキ・アドベンチャー

RAV4 メインタフさ満点。SUVは荒野をめざす!

 前輪駆動(FF)乗用車のメカニズムを活用してSUVを作る……現在は当たり前になった手法を世界で最初に取り入れたのが初代RAV4(1994年登場)だった。新型となる5代目モデルは、3年ぶりの日本市場復帰となる。

 CMやカタログは、オフロードシーン主体のビジュアル表現。トヨタは「SUVならではのワクドキを大切にした」と説明する。5代目は、ユーザーの若返りとともに、たくましさと洗練の両立がテーマ。その象徴が、各部をタフに仕上げたアドベンチャー・グレードだ。

 新型の造形は伸びやかで、スクエア設計のキャビンは実に広い。荷室は後席使用時でも580リッターという大容量だ。パワートレーンは、新世代エンジンを採用した2リッターガソリン(171ps)+CVTと、2.5リッター+モーター(システム出力222ps)のハイブリッドを用意する。

正面リア 走りは強力。ハイブリッドは全域余裕たっぷりで加速に不満はない。ゆっくり流すシーンでは、ほぼモーターで走行する。静粛性は圧倒的なレベル。一方、2リッターガソリンもなかなかハイレベル。通常走行では3000rpmあたりまでエンジンを回す機会が多いが、騒音は気にならない。パワーは十分という印象を受けた。

 フットワークも完成度が高い。ランドクルーザーの開発スタッフからアドバイスを得て各部を強化したという。強固な土台としっとり動く足回りが好印象を盛り上げる。オフロードも試乗したが、走破性は上々。中でもリアにトルクベクタリング機構を盛り込んだアドベンチャーは、コーナーで積極的にトルクを外輪にかけて旋回を強めていく。
 RAV4は、SUV本来の力強さが感じられる、頼りがいのあるニューカマーだ。
(森口将之/2019年5月号)

室内01室内025代目トヨタRAV4プロフィール

 5代目RAV4は北米市場で最も売れているトヨタ車。日本市場では2009年5月に約3年の空白期間を経てデビューした。5代目は 「SUVならではのワクドキ」を重視し、オフロードでもしたたかに走れるタフな機能性とイメージを与えたのが特徴。カタログは「好きにまみれろ!」をキャッチコピーに、荒野を旅するシーンを中心に構成。日常ユースに便利なだけでなく、冒険の道具でもあることをアピールする。

走り01走り02 日本仕様は2.5リッターのハイブリッド(システム出力218〜222ps)と2リッターガソリン(171ps)の2シリーズ。駆動方式は4WDを主体に、一部グレードでFFも選べた。メカニズムのポイントは4WDシステム。4WD全車に統合制御機能を採用し、2リッターガソリンには路面状況に応じて最適な走行モードが選択できるマルチテレインセレクトを装備。アドベンチャー・グレードには世界初のダイナミックトルクベクタリングAWDシステムを組み込んだ。RAV4の悪路走破性はハイレベルにあり、「行動の自由」を拡張した。2020年6月にはPHEVを追加。いまなおフレッシュさをキープしているのは、独自の個性を秘めているからだ。

エンジン2019年の時代録/年号が平成から令和に

【出来事】平成から令和に改元/安倍首相の在職日数が2887日となり歴代最長を記録/消費税が10%に/iPS細胞から作られた角膜細胞を世界で初めて移植/テニス、大坂なおみが世界ランキング1位に/バスケットボール、八村塁がNBAドラフト1位指名される/ラグビーW杯日本大会開幕、日本は初の8強入り【音楽】ビルボードシングル年間1位米津玄師『Lemon』、2年連続の年間1位獲得は初の快挙【映画】邦画配給収入1位『天気の子』洋画興行成績1位『アラジン』

2019年トヨタRAV4主要諸元

グレード=RAV4アドベンチャー
新車時価格=10CVT  313万7400円
全長×全幅×全高=4610×1865×1690mm
車重=1630kg
エンジン=1986cc直4DOHC16V(171ps/21.1kgm)。
サスペンション=前ストラット/後ダブルウィッシュボーン

表紙

 

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