【CD取材ノート】レクサスが「真のプレミアム」に成長したと考える、その理由 by山本シンヤ

レクサスLCメインフラッグシップクーペ、LCの開発成功がすべてを変えた!

 1989年、初代LSで高級車の概念を変えたレクサスだが、その後の評価は……口の悪い人は「レクサスは高級なトヨタ」と言う人もいた。ただ筆者も思い当たる部分が無かったわけではない。LS以降に登場したモデルは見た目こそレクサスだが、走りの部分はトヨタとの違いは重箱の隅を突くレベルだったのも事実だ。

 しかし、2010年代になるとそれが変わり始める。それを象徴するのが2017年に登場したフラッグシップクーペ「LC」だ。このモデルは「純粋なコンセプトカーの量産化」というプロジェクトだったが、当時のトヨタ/レクサスの技術とリソースでは「市販化は無理」と言う判断だった。チーフエンジニアを任された現トヨタ社長の佐藤恒治氏は、当時の豊田社長に嘘偽りなく伝えたが、豊田社長は「今できないのは分かっている。それをできるようにするためにはどうすればいいのか? 変えるしかないでしょ」と返されたそうだ。そこで佐藤氏はプラットフォームを含む主要構成部品を新規開発し、見事に市販化にこぎつけた。

LBX

GX

 「限界を決めずに挑戦する」、この精神がLC以降のレクサスには明確に宿るようになった。そして2021年、レクサスは、次世代の幕開けとなった2代目NXで加速し、見た目/走り共にレクサス独自の「味」がより明確に表現されるようになった。その後もRX/LX/RZとニューモデルを矢継ぎ早に投入。その勢いは留まることなく2023年にはLM/LBX/GX/TXをお披露目。その評価は様々だが、筆者はレクサス=高級トヨタから脱却、世界のプレミアムブランドとガチンコで戦える実力を備えたと思っている。もちろん、ラインアップの中には志半ばのモデルもあるが、確実に高級車の「何か」を見つけている。

 その一方、コーポレートで「電動化リッチ」を担う準備も着実に進められており、今秋のジャパンモビリティショーでは次世代BEVのコンセプトモデルもお披露目予定。こちらでも驚かせてほしい!!

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