【最新フラッグシップ研究】圧倒的な洗練とタフネス。抜きん出たレンジローバーの新価値を体感

レンジローバー 価格▷1687〜2858万円 試乗記

レンジローバー・ファーストエディションP530(SWB) 価格:8SAT 2307万円 レンジローバーは1970年の誕生以来、洗練された造形と乗り心地、そして卓越の悪路走破性で富裕層に絶大な信頼を確立。“砂漠のロールスロイス”と呼ばれる

レンジローバー・ファーストエディションP530(SWB) 価格:8SAT 2307万円 レンジローバーは1970年の誕生以来、洗練された造形と乗り心地、そして卓越の悪路走破性で富裕層に絶大な信頼を確立。“砂漠のロールスロイス”と呼ばれる

SUVを乗用車にしたのはレンジの功績

 1970年に誕生したレンジローバーは、従来の常識を覆すSUVだった。当時SUVといえばオフロードを走るための道具(=4WD)。乗り心地や快適性が良好でなかろうとも、スタイリングが多少武骨でもかまわなかった。オフロードでの優れた走行性能と荷物や乗員をたっぷり詰め込める室内スペースが確保されていれば、それで十分だったのである。
 ただし、それゆえに使い方は限定された。たとえばフォーマルな場に乗って行くリムジンのような用途には不向きで、あくまでも悪路を走るための武骨なツールのひとつにすぎなかった。

 しかし、レンジローバーは違った。誕生した当時から、その洗練されたスタイリングには気品が宿っていた。それまでのSUVとは明らかに世界観が異なっていたのだ。しかも装備品は一般的なセダン並みに充実していたうえ、インテリアの質感は良好。乗り心地は快適で、室内は静かだった。もちろん、従来のSUVと同等以上のオフロード性能を備えていた。

 本格的なオフロード性能と気品あふれるスタイリングから、レンジローバーは「砂漠のロールスロイス」とも呼ばれるようになる。そして昼間は領地内の牧場を見回っていた貴族が、夜はタキシードに着替えてパーティに駆けつけることができるラグジュアリーSUVというポジションを確立したのである。

 その後、半世紀を超す歳月が流れても、「街にも荒野にも似合う、気品あふれるラグジュアリーSUV」というコンセプトはいささかも揺らいでいない。そのレンジローバーが、このほど4回目となるモデルチェンジを果たした。

最新モデルは「モダンラグジュアリー」をコンセプトに開発。徹底したフラッシュサーフェス処理とボディパネル同士の境目を目立たなくした効果で、まるでコンセプトカーのような未来感を実現した。プラットフォームは新設計のMLA-FLEX。マルチリンク式リアサスと4WSを新採用

最新モデルは「モダンラグジュアリー」をコンセプトに開発。徹底したフラッシュサーフェス処理とボディパネル同士の境目を目立たなくした効果で、まるでコンセプトカーのような未来感を実現した。プラットフォームは新設計のMLA-FLEX。マルチリンク式リアサスと4WSを新採用

本格的なオフロード性能と気品あふれるスタイリングから、歴代レンジローバーは「砂漠のロールスロイス」とも呼ばれる

本格的なオフロード性能と気品あふれるスタイリングから、歴代レンジローバーは「砂漠のロールスロイス」とも呼ばれる

まるでコンセプトカーのような造形に感動。走りも素晴らしい

 5代目レンジローバーの何よりの特徴は、そのスタイリングにある。ボディやウィンドウとの段差を極力小さくしたフラッシュサーフェイスデザインを採り入れる一方、ボディパネル同士の境目(シャットライン)を極力目立たなくした。結果的にまるでゆで卵のようにツルッとした外観のSUVを作り上げたのである。未来感あふれるスタイリングは、モーターショーから抜け出してきたデザインコンセプトのようにも見える。

 走りの基盤となるプラットフォームは新開発のMLA-FLEXを採用。全体の80%がアルミ製とされた新プラットフォームは、軽量化に加えてリアサスペンションのマルチリンク化と4WSの搭載を実現。優れたオフロード性能はそのままに、より快適な乗り心地と軽快なハンドリングを目指して開発された新世代アーキテクチャーである。
 エンジンはBMWと共同開発した4.4リッター・V8ガソリンを筆頭に、3リッター直6ガソリン+PHEV、3リッター直6ディーゼル+マイルドハイブリッドの3タイプを用意。将来的にはランドローバー初のBEVが登場することが予告されている。

 アメリカ・カリフォルニア州で開催された国際試乗会では、まずP530ファーストエディションと呼ばれるV8ガソリンエンジン搭載モデルを試した。静粛性は圧倒的で、エンジン音はおろか、タイヤが発するロードノイズまで車速を問わずほとんど聞こえなかった。しかも、サスペンションストロークがたっぷりと取られた足回りは、オンロードでのハンドリングを重視した最近のSUVとは別次元のソフトでしなやなか乗り心地を実現。まさしく、「砂漠のロールスロイス」にふさわしい上品で快適な仕上がりだった。

 しかし、本当に驚くべきは、そうした乗り心地と正確なハンドリングを両立させたことにある。
 快適性だけでいえば、4代目レンジローバーも決して悪くなかった。しかし5代目は先代をしのぐ乗り心地が楽しめるうえに、ステアリング操作に対する遅れがほとんど感じられない、極めて正確なハンドリングを実現したのである。これに関しては、新型がマルチリンクサスペンションを採用したことが大きく影響しているはずだ。

 もう1台、印象に残ったのがD350HSEというモデル(日本にはD300が導入される)。ジャガー・ランドローバーが独自開発したインジニウム直6ディーゼルはすでに高い評価を受けている。そのディーゼルとは思えない「官能性とパワー感」はしっかりと新型レンジローバーにも受け継がれていた。それとともに驚かされたのがシャシーで、P530とはまったく別物のシャープで痛快なハンドリングに仕上げられていた。その分、乗り心地はいくぶん硬めになるが、それでもハンドリングと乗り心地のバランスは極めて高く評価できる。
 新型レンジローバーはその美しいデザインが起爆剤となり、世界的に爆発的な人気を得ている。関心のある読者は早めにディーラーを訪れるといいだろう。

インパネはシンプル形状。ヘッドレストスピーカーを用いたアクティブノイスキャンセル機構と徹底した遮音処理で圧倒的な静粛性を実現

インパネはシンプル形状。ヘッドレストスピーカーを用いたアクティブノイスキャンセル機構と徹底した遮音処理で圧倒的な静粛性を実現

リアシートレンジローバー主要諸元

真正面

グレード=ファーストエディションP530(SWB)
価格=8SAT 2307万円
全長×全幅×全高=5065×2005×1870mm
ホイールベース=2995mm
トレッド=未公表
車重=2626kg
エンジン=4395cc・V8DOHC32Vツインターボ(プレミアム仕様)      
最高出力=390kW(530ps)
最大トルク=750Nm
WLTCモード燃費=未公表(燃料タンク容量90リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路=未公表)
サスペンション=フロント:マクファーソン/リア:ウイッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=285/40R23+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.5m
※価格を除き、スペックは欧州仕様

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