人気SUV、VW・T-Rocに「R」登場。ホットな4WDターボの商品性をゴルフと比較してみた

VWの定番モデルに成長したT-RocにスパイシーなRグレードが登場した。Rは2リッター直4ターボ(300ps/400Nm)を搭載。駆動方式はシリーズ唯一の4WD。19インチタイヤを装着する。

VWの定番モデルに成長したT-RocにスパイシーなRグレードが登場した。Rは2リッター直4ターボ(300ps/400Nm)を搭載。駆動方式はシリーズ唯一の4WD。19インチタイヤを装着する。

VW・T-Roc「R」は300psの強心臓。ビビッドな走りに興奮

 VWのスタイリッシュSUV、T-Rocがマイナーチェンジし、魅力をグッと高めた。内外装デザインはかなり大きく変わった。最新型はライトやグリルの意匠が変更され、従来よりも力強い印象である。インテリアも刷新され質感が大幅に向上している。インフォテインメント系がアップデートされ、最新の運転支援システムが標準装備された。

 ラインアップ面で注目すべきは、スポーツモデルの「R」(626万6000円)の新設定だ。本国ではもともと存在したのだが、日本にもようやく導入されることとなった。Rのデビューを心待ちにしていた人も少なくないはずだ。

T-Rocリア

 「R」の心臓部には2.0TSIエンジンを採用、7速の湿式タイプのDSGを組み合わせる。T-Rocで唯一、4MOTION(=4WD)を搭載しており、アダプティブシャシーコントロール(DCC)を標準装備する。
 エンジンは兄貴分のティグアンRと基本的に共通。しかし約200kg軽い車両重量にあわせて出力は20ps低い300psに設定。それでも0→100km/h加速タイムは4.9秒と俊足。2000rpmから400Nmの最大トルクを発生し、レッドの6500rpmまで痛快に吹け上がる。走りについて詳しくは本誌『CAR and DRIVER』をみていただくとして、端的にいえば豪快にして痛快。DSGの歯切れのよいシフトチェンジが気持ちよく、俊敏なハンドリングもRらしい。

T-Roc室内

T-Rocはディーゼルも好印象、本当によくできている!

 T-Rocで、もう1台のオススメは、ディーゼルのRラインである。T-Rocのキャラクターによく似合う。2リッターの排気量から150ps/340Nmを発揮するディーゼルは本当によくできている。低速から力強く、爪先の微妙な加減でトルクを意のままにコントロールできる。いたって乗りやすい。音や振動もディーゼルとしてはかなり抑えられている。DCC付きなら乗り心地も上々だ、それでいてスポーティな走りに応える懐の深さを持ち合わせているのだから申し分ない。最新モデルは、初期型よりも全体的に洗練された印象を受けたこともお伝えしておこう。

T-Roc TDI

避けては通れない、ベンチマークの帝王、ゴルフと比較

 車格やキャラクターが異なっても、T-Rocとゴルフは少なからず競合しそうだ。ボディサイズや形状の違いはあるものの、T-Rocも後席の居住性や荷室の広さは十分に確保されている。そこは決め手にはならない。車高の高いT-Rocを好む人も少なくないだろう。クルマ自体はゴルフのほうが世代が新しく、内外装デザインやインフォテイメント系のテイストはだいぶ異なる。

ゴルフ外観

 さらに、静粛性や乗り心地をはじめ全体的な走りの質感はやはりゴルフがだいぶ上回る。また、48Vマイルドハイブリッドの有無は、TSIの走り味を少なからず違ったものにしている要素だ。ゴルフのそれは驚くほど効率的に機能しており、TSIとDSGのウィークポイントをカバーしている。ちなみに販売台数において、本来はもっと多くてもおかしくないゴルフが伸び悩んでいるのは、T-Rocの影響ではない。生産拠点等の事情でゴルフのほうが昨今の世界情勢の影響がより大きいからだという。

ゴルフ内装

VW T-Roc 主要諸元

T-Roc真横

グレード=R
価格=7DCT 626万6000円
全長×全幅×全高=4245×1825×1570mm
ホイールベース=2590mm
トレッド=未公表
車重=1540kg
エンジン=1984cc直 4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様) 
最高出力=221kW(300ps)/5300〜6500rpm
最大トルク=400Nm(40.8kgm)/2000~5200rpm
WLTCモード燃費=未公表(燃料タンク容量50リッター)
(市街地/郊外/高速道路=未公表)
サスペンション=前ストラット/後4リンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=235/40R19+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=未公表

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