ボンドカーのアストンマーティンDB5の新車、「DB5ゴールドフィンガー コンティニュエーション」の第1号車が完成

コンティニュエーションモデルとして復活する「アストンマーティンDB5」ボンドカー仕様の最初の1台が完成。クルマはもちろん、秘密兵器の再現度がスゴい!

 英国アストンマーティンは7月6日(現地時間)、同社のコンティニュエーション(Continuation)プログラムの最新モデルである「アストンマーティンDB5ゴールドフィンガー コンティニュエーション(DB5 Goldfinger Continuation)」の第1号車が完成したと発表した。同車の生産台数は25台。車両価格は税抜で275万ポンド(約3億8000万円)に設定する。

▲アストンマーティンDB5ゴールドフィンガー コンティニュエーション 1964年に公開された映画『007ゴールドフィンガー』でショーン・コネリーさん演じる主人公のジェームズ・ボンドがドライブした「アストンマーティンDB5」のボンドカー仕様を現代に復刻した限定モデル。生産台数は25台。車両価格は税抜で275万ポンド(約3億8000万円)に設定
▲アストンマーティンDB5ゴールドフィンガー コンティニュエーション 1964年に公開された映画『007ゴールドフィンガー』でショーン・コネリーさん演じる主人公のジェームズ・ボンドがドライブした「アストンマーティンDB5」のボンドカー仕様を現代に復刻した限定モデル。生産台数は25台。車両価格は税抜で275万ポンド(約3億8000万円)に設定

 今回製作した「アストンマーティンDB5ゴールドフィンガー コンティニュエーション」は、1964年に公開された映画『007ゴールドフィンガー』において、ショーン・コネリーさん演じる主人公のジェームズ・ボンドがドライブした「アストンマーティンDB5」のボンドカー仕様を忠実に再現した逸品だ。DB5はDB4シリーズの発展型として1963年7月に登場。改良版のボディおよびシャシーにボアアップ(96.0mm)して排気量を3995ccとした直列6気筒DOHCエンジンを搭載し、2年強に渡って900台未満が生産された。

▲リア・スモーク発生装置を装備
▲リア・スモーク発生装置を装備

 「アストンマーティンDB5ゴールドフィンガー コンティニュエーション」を製作するに当たり、英国バッキンガム州ニューポート・パグネルに本拠を置くアストンマーティンのヘリテージ部門「アストンマーティン・ワークス」は、元となるDB5の車両データを細部に渡って掌握。そして、ボンドカーに仕立てるために007シリーズの制作会社であるイーオン・プロダクションズ(EON Productions)に協力を仰ぎ、さらに特殊効果監督のクリス・コーボールドOBEが手がけた“秘密兵器”を鋭意導入した。生産に関しては、アストンマーティン・ワークスの熟練スタッフがほぼ手作業で行い、1台を完成させるのに約4500時間を要したという。

▲フロント&リアの回転式トリプル・ナンバープレート
▲フロント&リアの回転式トリプル・ナンバープレート
▲格納式の防弾リアシールド
▲格納式の防弾リアシールド
▲リア・オイル散布装置(模擬)
▲リア・オイル散布装置(模擬)
▲フロント&リアの伸縮式オーバーライダー
▲フロント&リアの伸縮式オーバーライダー
▲フロント・ツインマシンガン(模擬)
▲フロント・ツインマシンガン(模擬)
▲タイヤ・スラッシャー(模擬)
▲タイヤ・スラッシャー(模擬)

 基本骨格については現在の技術であるデジタルボディスキャンを活用することで、オリジナルモデルのボディを詳細に調査。当時の製造工程をほぼそのまま踏襲し、軟鋼シャシー構造をベースにアルミニウム製のボディパネルを組み合わせる。ボディカラーはオリジナルと同様にシルバー・バーチ・ペイントで塗装。さらに、エクステリアの秘密兵器としてリア・スモーク発生装置やリア・オイル散布装置(模擬)、フロント&リアの回転式トリプル・ナンバープレート、フロント・ツインマシンガン(模擬)、防弾リアシールド、フロント&リアの伸縮式オーバーライダー、タイヤ・スラッシャー(模擬)、脱着式助手席ルーフパネル(オプション)を特別装備した。

▲脱着式助手席ルーフパネル
▲脱着式助手席ルーフパネル

 インテリアに関しても、オリジナルを忠実に再現する。そして、秘密兵器としてレーダー追跡装置(模擬)や運転席ドア配置の電話、シフトレバーの脱出用ボタン、アームレストおよびセンターコンソール配置の各種スイッチ類、シート下の武器格納トレイ、様々な秘密兵器を作動させるためのリモコンなどを組み込んだ。

▲インテリアもオリジナルを忠実に再現。メーター類にはLUCAS製が組み込まれる
▲インテリアもオリジナルを忠実に再現。メーター類にはLUCAS製が組み込まれる
▲レーダー追跡装置(模擬)
▲レーダー追跡装置(模擬)
▲運転席ドア配置の電話
▲運転席ドア配置の電話
▲シフトレバーの脱出用ボタン
▲シフトレバーの脱出用ボタン
▲アームレストおよびセンターコンソール配置の各種スイッチ類
▲アームレストおよびセンターコンソール配置の各種スイッチ類

 パワーユニットについては、6本のプラグヘッド、3器のSUキャブレター、オイルクーラーを備えた4リットル直列6気筒DOHC自然吸気エンジン(290bhp)を搭載する。トランスミッションにはZF製5速MTを組み合わせ、機械式のリミテッドスリップデファレンシャルも装備して後輪を駆動(FR)。また、懸架機構にはフロントにスタビライザー付きのストラット式を、リアにラジアスアームとワッツリンケージを備えたライブアクスル式を採用。さらに、操舵機構にはノンパワーのラック&ピニオン式ステアリングを、制動機構にはサーボ付きガーリングタイプ・スチール・ディスクブレーキを装備した。

▲6本のプラグヘッドに3器のSUキャブレターを備えた4リットル直列6気筒DOHC自然吸気エンジン(290bhp)を搭載
▲6本のプラグヘッドに3器のSUキャブレターを備えた4リットル直列6気筒DOHC自然吸気エンジン(290bhp)を搭載

 なお、「アストンマーティンDB5ゴールドフィンガー コンティニュエーション」は基本的に公道走行不可のモデルで、秘密兵器は最終的なエンジニアリングや各国の法的な要件によって変更になる場合があるという。
 また、アストンマーティンは同車の走行映像や秘密兵器の稼働映像も公開。もし日本版を作るなら、ぜひ若山弦蔵さんのナレーションを入れてほしいところだ。

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