
1975年式セリカLB2000GT。LB(リフトバック)は初代セリカの上級版として1973年4月に登場。2000GTは当時トヨタ最強だった2ℓ直4DOHC(145㎰)を搭載。トップスピード205km/hを誇った
セリカは、日本初のスペシャルティカーとして1970年12月に登場した。スペシャルティカーというジャンルは、1964年にデビューしたフォード・マスタングが起源とされる。デビュー当初の初代セリカのボディは、センターピラーレスの2ドアクーペの1種で、1.4リッターと1.6リッターの計4種のエンジンを搭載。内外装の仕様が自由に選べる「フルチョイスシステム」が話題を呼んだ。セリカは、セダンのカリーナとメカニカルコンポーネントを共用して量産効果を高めたのが特徴だった。
1588㏄のDOHCエンジン(2T-G型/115㎰)を積んだ最上級グレード、1600GTの価格は87万5000円。当時のライバル、三菱GTO・MR(112万5000円)や、いすゞベレット1600GTR(111万円)と比較して大幅にリーズナブルだった。セリカはデビュー直後から高い人気を獲得する。
今回の主役であるリフトバック(LB)は、1973年4月に登場した上級バージョンである。LBはリアの造形をフルファストバックに変更し、大型リアゲートを設定。スポーティなスタイリングと優れたユーティリティを追求していた。リアエンドは空力特性に優れた「ダックテール形状」である。
メカニズムの特徴は2リッターエンジンが新たに設定されたこと。トップモデルの2000GTは、排気量1968㏄の18R-G型・直4DOHCエンジン(145㎰、当時トヨタ最強)を搭載。最高速度は205km/hに達し、価格は132万6000円。同クラスの日産フェアレディZL・2by2(149万8000円)と比較して手ごろだった。LBの登場後、セリカはLBが主流になった。
取材車は1975年式の2000GT。フルレストア済みの車両である。内外装のすべてのパーツを取り外し、サビやキズを補修したうえで全塗装を施している。新車時と同色のホワイトスピリットのボディカラーは光沢があり、バンパーなどのメッキパーツやエンブレム類の状態もいい。ヘッドランプはハロゲンタイプに交換済み。ホイールはスポーツデザインの純正スチールで、タイヤは175/70R13サイズを装着していた。
室内の状態もよかった。ステアリングはオリジナルで、カーペットは張り替え済み。ウィンドウ回りのゴム類は新しい。メーター類は、正常に作動。純正クーラー付きである。室内は意外に広く実用性十分。運転席はハイバック形状だ。
走りは実にしっかりした印象。エンジンはエグゾーストマニホールド、そしてマフラーを社外品に交換済み。プラグコードは高効率タイプが装着されていた。
発進加速は鋭く、2000rpm前後から太いトルクが実感でき走りやすい。3500rpmを超えると刺激的なツインカムサウンドが耳に届き、ダッシュ力を強める。5速MTの操作感は確実でクラッチの重さは適度。渋滞路も苦にならなかった。
足回りはブッシュ類が交換され、ダンパーとスプリングは社外品に変更済み。高速走行時の直進性に優れ、コーナリングは安定している。乗り心地はしなやかだ。
オリジナル状態を維持した初代セリカLBは魅力たっぷりだった。スポーツカーライクなパフォーマンスとスペシャルティならではの華やかさの融合が味わい深い。今後さらに注目を集めるモデルになるだろう。
