【岡崎宏司カーズCARS/CD名車100選】動的性能は欧州製エリートに肉薄。2代目ロータリーロケット[1985マツダ・サバンナRX-7(FC3S型)]の迫力の走り

2代目サバンナRX-7(FC3S型)は1985年9月にデビュー。フロントミッドに搭載したロータリーエンジンはひと回り大きな13B型となり、日本仕様は全車にターボを装着。リアサスはトーコントロールハブを組み込んだマルチリンク式だった。カタログでは「自由な感性を持ち、自分自身の価値観を信ずるすべての大人達へ。いまNEW ADULT SPORTS」と語りかけた

2代目サバンナRX-7(FC3S型)は1985年9月にデビュー。フロントミッドに搭載したロータリーエンジンはひと回り大きな13B型となり、日本仕様は全車にターボを装着。リアサスはトーコントロールハブを組み込んだマルチリンク式だった。カタログでは「自由な感性を持ち、自分自身の価値観を信ずるすべての大人達へ。いまNEW ADULT SPORTS」と語りかけた

2代目はアウトバーンを240km/hで飛ばせる実力車だった

 新型サバンナRX-7を見るまで、ボクは非常に不安だった。豪華さと快適さを強調する大柄なクルマになってはいないかと、心配していたのだ。実物に触れて安心した。確かに新型は、スパルタンな性格を薄めてはいる。しかしスポーツ度の高さは依然として一級品である。

 ボディサイズが肥大化していないのが、まずうれしかった。スリーサイズは4310×1690×1270mm。全幅が20mm増えたのが目立つ程度で、ほぼ旧型と同サイズである。ホイールベースは10mm長くなっただけ。トレッドはフロントで30mm、リアは40mmワイドになっている。トレッドのワイド化はスポーツカーにとって長所を伸ばすことはあっても、マイナスは生まない。スペックだけで、新型RX-7が狭いワインディングロードを、苦もなく走り抜けることのできるクルマだとわかる。

 ウェイトは旧型より重くなっている。だがこれも、圧倒的にパワフルになったエンジンを考えると、バランスがとれている。決してオーバーウェイトではない。プロポーションは、ベルトラインが高めのいかにもスポーツカー的な造形。ちょっと1960年代の薫りも感じる。Cd値は基本ボディで0.32。エアロキットを付けると0.30まで下がる。新型はあらゆる点で旧型より洗練されている。

リア

 コクピットに座ってみて、うれしさが込み上げてきた。ドライビングポジションがピシッと決まるのだ。ゆったりと手足を伸ばすと、そこにステアリングホイールがあり、ペダル類がある。シフトレバーの位置もこれでいい。自由にヒール&トゥが使え、カウンターステアが自在に操れる。ワインディングロードでの頻繁なシフトワークも苦にならない。スポーツカーにとって、こうした文句なしのドライビングポジションは、何より大切な要素だ。シートも素晴らしい。

 スポーツカーの生命線である「速さ」も一級品だ。新型RX-7は文句なしにパワフルである。フロントミッドにマウントしたパワーユニットは185㎰/6500rpm、25.0㎏m/3500rpmを発揮する。車重は重くなったとはいえ1200kg台だ。このパワーなら十分すぎるほどだ。

 日本仕様は180km/hでリミッターが作動する。本来の性能の輸出仕様車では230km/hは堅い。ちょっと追い風の日にオーバルのテストコースでマークしたラップスピードは238.5km/hだった。240km/hクラスといえばポルシェ911ターボ/944ターボ、BMW M635CSiといったところ。その名前を世界に轟かせているエリートマシンばかりである。RX-7は速度無制限のアウトバーンでも、これらエリートたちに近いスピードで高速レーンをぶっ飛んでいけるのだ。

透視図

 話を日本仕様に戻そう。180km/hでリミッターが作動するときの回転数は5速でわずか5300rpmにすぎない、4速でさえ6600rpmで180km/hに達する。レッドゾーンが7000rpmだから、まさに余裕しゃくしゃくである。なお7000rpmまで引っ張った場合のスピードは、1速が58km/h、2速が100km/h、3速では142km/hに達する。このギアリングは燃費かせぎのハイギアリングではない。十分にパワーを引き出せる設定になっている。山岳路の登りのセッションでも思いのまま、実にパワフルに駆け回ってくれる。加速も凄い。0→100km/h加速は5.3秒、0→400mは発表では14.8秒である。

 新型はシャシー性能も高い。サスペンションもブレーキもスポーツカーとして一級品だ。足回りはフロントがストラット式、リアはトーコントロールハブ付きマルチリンク式。後輪の動きを積極的にコントロールすることで操縦安定性を大幅に引き上げている。

エンジン

 日常的に使うゾーンのRX-7は身のこなしがとてもシャープだ。スピードが高くなるにつれてしっかりとした安定性を見せてくれる。とくに高速での直進安定性は素晴らしい。しかもワインディングロードでは十分に楽しめる。限界は十分に高いし、限界領域でのコントロール性もいい。ブレーキもタフだ。

 新型RX-7は新鮮な魅力とパワーを身につけて登場した。ハンドリング面では少し「気負いすぎ」のところもあるが、トータル性能として素晴らしいものを持っている。
※CD誌1985年11月26日号掲載

表紙

諸元

【プロフィール】
おかざき こうじ/モータージャーナリスト、1940年、東京都生まれ。日本大学芸術学部在学中から国内ラリーに参戦し、卒業後、雑誌編集者を経てフリーランスに。本誌では創刊時からメインライターとして活躍。その的確な評価とドライビングスキルには定評がある。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)名誉会員

 

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